こんにちは、夕張市議会議員今川和哉です。
市議会では、2月7日にゆうばり小学校生との意見交換会を開催しました。
例年は、社会見学的な意味合いもあり市役所の議会議事堂に小学6年生が来ていただいて行っている「ゆうばり小学校6年生と市議会との意見交換会」ですが、
今年は様々な情勢もあり、初めてオンラインにて開催されました。
「〇〇してほしい」という意見について完全に前向きな回答をするのは難しいところもありますが、なるべく単に質問に答えるだけでなく、新たな観点や、自分で考えるきっかけを提供していくとともに、市民として政治参加をするために覚えておいてほしいことを話すようにしています。
各議員がそれぞれ5~6人の質問にそれぞれ回答しました。
私は回答のほか、行政常任委員会委員長として最初の「市議会について」の説明を行いました。
当日回答した部分の要旨をまとめておきます。
私の担当部分では、「学校にエアコンを設置できないのか。」「グラウンドに夜も使える照明がほしい」「農業の専門学校が作れないか。」「介護福祉の専門学校が作れないか。」「学力の高い高校がほしい。」という質問がありました。
【回答まとめ】
まず、政治でこれをやってほしい、やるべきだ、というときに
最初に考えておくべきは、国や夕張市は無限に降ってくるお金があるわけではなく、
みんなで払った税金や、将来子どもたちが返す借金で色々なことをやっている。ということなのではないかと思います。(※1)
税金は、お金持ちだけではなく、普通に働いている皆さんの家庭でも払っていますし、市は新しく何かを作るという以前に、
日常の除雪や道路の維持といった絶対にかかる費用でも、かなりのお金を使っています。
新しく何かを買う、今以上に何かをやる。
こういうときには、税金を増やすか、今やっている何かをやめるか、という話し合いが必ず出てくるものです。
それでもやる方法としては、税金を増やしてでもやるべきだ、お金をかけずにできる方法がある、私たちがお金を集める。こういうアイデアや話し合いが必要になります。
そういう現実的に進めるにはどうしたらいいか、という議論が出てきて盛り上がれば、議員も是非それをやってみよう、となりやすいわけで、ただ、やってほしいで終わるのではなく、
元になるお金や、それをやるために増えるかもしれない税金や、増える借金のところまで話し合いに載せて考えてもらえれば、よりできる可能性は増えるのではないかなと思います。
(※1)私は比較的積極財政論者ですが、いわゆるMMTには否定的であり一般論として説明を行っています。
〇〇してほしいです。理由は~ではなく「やるためには」「財源は~」につながれば面白かったかもしれないと思います。
専門学校・レベルの高い高校について
今ある学校を専門化するか、新しく学校を作るかという方法があるかと思います
現状、夕張市には1つしか高校がないため、今ある学校を専門化したり、入試で難しくすると、地元に住んでいるのに通えない子がでてきてしまう。
これは避けたいので、解決するには新しく作るということも考えられる。
そうなると、運営がどこがやるのか、生徒がしっかり集まるか、という課題が出てくる。しかし、これを解決する方法があればできるかもしれない、ということです。
運営したいという人が出てきて、しっかりやっていける環境になり、生徒が集まる方法、これを考えてアイデアが出せれば、可能性はあるのかと思います。
当日は機材の設定等で時間が押してしまい、ここまでしか話すことが出来なかったので時間があれば話したかった補足です。
・学力を高めるための措置として、現状においては道立の高校に加え市の公設塾を開設して学力の向上や受験対策を行っています。
1校はどうしても学力の差がある生徒が集まるため、ついていけない生徒の底上げや上位大学を目指す生徒の別授業、個別指導など対応を考えていくべきだと思います。
・学校のエアコンからわかるように、子どもや若者のための予算というのはあまりに少ないと思う、なぜか考えて欲しい。
私も、学校のエアコンや冷水での手洗いはなんとかすべきだと思っています。
使える税金に限りがある。という話をしましたが、無限に使えるお金がない以上、どこから先に税金を使っていくか、という優先順位で、小学生や子どもは実際、弱い立場にあると思う。
政治としてお金を使うときは、国の税金でやるとき、市のお金でやるとき、があるとします。
市は単純に除雪や道路の維持のような業務で全ての費用を使い切ってしまって余裕がないともいえるのですが、もし、国の税金でやるとき、は全国の小学校に設置しなければ不公平ですよね。
こうなると日本中でそれなりのお金がかかる。ほかのお金を使っているところをやめて、全国でエアコンを買うか、税金を増やすか、と議論したときに、やはり人口の多い選挙で発言力の強い大人のためのお金の使い方が大きく、削減には大きな反発があるでしょう。(※3)結果的に若者のための費用は削られがちです。当然、税金を増やすのも簡単ではありません。
(現地ではとても言えない補足です)
※3例えばもし政治家が、医療や福祉を削るなんて言い出したら、人の命がかかってるのに、と大きく批判されるでしょうね。(書くだけでも怒られそうです)
増税や政策廃止のような支持率が下がるものより、借金で後回しにして将来にツケを残すのが選挙的に楽ですが、若い人たちはこのカラクリに騙されないでほしいですね。
さいごに
国や市のお金は無限ではないうえに、新しい税金を払わせられることは、当然みんないやがります。
そこで、政治が、わずかなお金の中でどういう政策を優先するか、ということを考えると、
やってほしい人がたくさんいる。やったときの効果が高い。
といった政策が優先されることになります。
やってほしいという声を届ける、これだけの人がやってほしいと思っている。やったときにこれだけの人が得をする。
こういうことを伝えていく、発信していく、これが大事だと思います。
そういう意見がたくさん聞こえることで、議員も優先してやりやすくなるので、是非皆さんからの発信も大切にしてほしいと思います。
政治に無関係な人はいません、無関心や、黙っている人はどんどん不利になっていくのが政治の現実です。