不動産特定共同事業・不動産クラウドファンディングの許可
不動産特定共同事業・小規模不動産特定共同事業
司法書士・行政書士いまがわ事務所では、ファンド組成、不動産の小口化、電子取引(不動産投資クラウドファンディング)の事業許可に関するご相談から、不動産特定共同事業許可申請の代理を行っています。
不動産特定共同事業は、いわゆる「不動産の小口化販売」を行う際に必要な許可となります。これは、複数の投資家がそれぞれ出資を行い、その資金を集めて不動産の取得や運用を行う仕組みです。これにより、個々の投資家が大規模な不動産投資に参加することが可能となります。近年は、不動産クラウドファンディングにおける出資が注目されています。不動産特定共同事業の中でも、「電子取引許可」を有する業者は、クラウドファンディングサイトやオンラインプラットフォームを通じて出資を募集します。これにより、柔軟な資金調達が可能となり、個人投資家も容易に参加できるようになりました。
北海道だけでなく、全国からご相談をお受けしております。
不動産特定共同事業、ファンド組成支援については、お客様の業態に詳細に関わって業務策定を行うため、同時に多くを受任することができません。そのため、この分野は現在同時受託を少数に絞っておりますので、まずはお問い合わせください。
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不動産特定共同事業とは
不動産特定共同事業とは、投資家から出資を募り、不動産取引から得られる収益を分配する事業です。
≪事業者側のメリット≫
1.資金調達手法の拡大:不動産特定共同事業と電子取引の許可を得ると、クラウドファンディング等の手法を用いて広範な資金調達が可能になります。これにより、従来の金融機関からの借入に依存せず、資金調達の多様性が増します。
2.多様な事業展開:許可を得た事業者は、調達した資金を使って様々な不動産プロジェクトに挑戦することができます。これにより、新しい市場や地域への進出が容易になるとともに、事業のスケールアップが期待できます。
3.信用度の向上:国土交通省の許可を受けた事業であるため、一般社会や投資家からの信頼度が高まります。これは対外的な発信力やブランド力の向上に寄与します。
4.空き家問題の解決:遊休不動産の再生・活用を促進、地域の景観や治安の改善に寄与することが期待されます。
5.地方創生への貢献:地方への投資を促進し、地域経済を活性化する。地方自治体と連携した事業展開をしている例もございます。
地方自治体からも注目されているため、地方との連携強化や公共プロジェクトへの参画機会が増えます。これにより、地域活性化プロジェクトや空き家の再生・活用など、地方特有の課題解決に貢献できます。
≪投資家側のメリット≫
1.気軽な投資機会:インターネットを通じたクラウドファンディング形式で投資が募集されるため、投資家は場所を問わず手軽に投資ができます。これにより、広範な投資家層にアプローチできるようになります。
2.比較的少額での参加:一般的な不動産投資と比較して、比較的少額の資金で不動産投資に参加することができます。これにより、小口の投資家でも不動産市場にアクセスする機会が広がります。
3.収益の取得と事業理解の向上:投資家はプロジェクトの収益を共有することができるため、安定した収益源を確保できます。また、事業者とのコミュニケーションを通じて不動産ビジネスに関する知識を深めることができます。
4.地域活性化:不動産特定共同事業は、空き家の再生や活用を通じて地域社会の活性化に寄与します。特に地方では、過疎地や老朽化した住宅の問題解決に役立ちます。
5.投資対象の理解促進:事業者や不動産プロジェクトについての理解を深められる。地域や社会貢献に関わる投資を選択できる。
北海道以外における県知事・府知事許可の申請実績もございます。不動産ファンドや小口化に関するご相談、事業構想段階からもご相談ください。
不動産の小口化には様々な方法がありますが、不動産の小口化や証券化には、複数の法規制が関わります。
(1)不動産特定共同事業第1号事業者
(2)不動産特定共同事業第3号事業者
(3)小規模不動産特定共同事業第1号事業者
概要: 不動産特定共同事業法は、複数の投資家から集めた資金を使って不動産の開発や運営を行い、その収益を投資家に分配する事業者を規制する法令です。
許可: この事業を行うためには、都道府県知事、国土交通省・金融庁からの許可登録が必要です。許可取得のためには、一定の財務状況や資格者の設置、事業経験、コンプライアンス体制などの厳しい基準を満たす必要があります。
(4)不動産の信託受益権化による小口化(金融商品取引業者)
概要: 金融商品取引法は、金融商品の取引に関する包括的な法律で、不動産を証券化する際にも適用されることがあります。
信託受益権の発行: 不動産信託受益権を発行する場合、この法律の適用を受けます。不動産信託受益権とは、不動産を信託に預け、その信託の受益権を小口化して販売する方法です。
認可・登録: 信託受益権を発行する際には、金融庁に認可を受ける必要があります。また、業者は一定の要件を満たし、金融商品取引業者として登録される必要があります。
(5)不動産の共有持分売買
(6)不動産を保有する特別目的会社や集団投資スキーム
概要: 集団投資スキームは、不動産小口化商品をファンド形式で募集・運営する方法です。代表的なものに私募不動産ファンドやLLP出資、特定目的会社出資があり、複数の投資家から資金を募って不動産投資を行います。
法的枠組み: 金融商品取引法の集団投資スキーム持分として規制される場合があります。この場合、運営会社は金融商品取引業者として登録が必要です。また、ファンドの運営において一定の情報開示や投資家保護のための規制を受けます。
以上の例は全て「運用または権利の募集の際に許可・登録等が必要」となります。それぞれの法律や規制の概要と許認可の要件を理解することが重要です。法令順守と許可・登録によって適切な手続きや運営が可能となり、投資家にとって信頼性の高い商品を提供することができます。
不動産特定共同事業の許可
サポート業務の流れ
ご相談により、内部体制や規程書類のご状況をお伺いし、具体的な業務内容と金額をご提示いたします。
ご契約日から本格的な支援が始まります。
チーム一丸となり、事業成功に向けて業務を進めて参ります。
事業内容について協議しながら、申請書類を作成します。
ファンド運用実務経験者を交えてお話をすることも可能です。
許認可取得後もご希望があれば継続相談依頼が可能です。本事業の他、登記関連業務、法的書面の作成など、幅広くご相談ください。(別途お見積もりとなります)
申請手続きの流れについて(申請先官庁により異なる場合があります)
1.事前面談
2.事前相談
3.申請書ドラフトの提出
4.事前審査・申請書ドラフト、添付書類等の修正確認
5.申請書作成・本申請、法定費用の納付
6.本審査、補正等
7.許可・登録、通知書の送付
不動産特定共同事業許可申請書類一覧
法定されている主なものとなります、提出先によっては追加書類を求められる場合があります。
書類 |
根拠法令等 |
備考 |
第1面~第3面 |
法第5条第1項第1号~第12号 |
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第4面(不動産特定共同事業に係る業務の方法) |
規則第7条第1項第1号 |
事業方法を記載します。こちらの作成が重要となります。 |
第5面(役員の兼職状況) |
規則第7条第1項第2号 |
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第6面(電子取引業務を遂行するための体制) |
規則第7条第1項第3号 |
電子取引(クラウドファンディング等)を行う場合に必要です。システムの動作説明等 |
手数料(80,000円) |
都道府県知事許可の法定費用 |
登録免許税や都道府県所定の証紙が必要です |
添付書類(1):業務管理者設置証明書 |
法第5条第2項第3号 |
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添付書類(2)-1 |
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添付書類(2)-2 |
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添付書類(3)-1:略歴書 |
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役員、法施行令第4条で定める使用人、業務管理者 |
添付書類(3)-2:法人の沿革 |
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役員が法人である場合に作成要 |
添付書類(3)-3:実務経験証明書 |
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(3)-4の提出がある場合は不要 |
添付書類(3)-4:業務管理者資格届出書 |
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①ビル経営管理士登録証明事業、②不動産コンサルティング技能試験・登録事業、③一般社団法人不動産証券化協会認定マスター の3つのうちのいずれかに係る証明書(不動産コンサルティング技能登録証等)の写しが必要。 |
添付書類(4)不動産特定共同事業の業務を執行するための組織に関する事項 |
規則第8条第1項第3号 |
組織図や分掌表等となります |
添付書類(5):誓約書 |
規則第8条第2項第1号 |
|
定款 |
法第5条第2項第1号 |
最新の内容のものを添付します |
登記事項証明書(商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)) |
法第5条第2項第2号 |
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不動産特定共同事業契約約款・標準約款と申請者の約款案・異なる理由を記載した比較表 |
法第5条第2項第4号 |
任意組合、匿名組合、対象不動産変更型 |
直前3ヶ年度の貸借対照表及び損益計算書 |
規則第8条第2項第2号 |
決算期については、公認会計士等による監査を受けたもの |
直前3ヶ年度の納税証明書(法人税・国税その1) |
規則第8条第2項第3号 |
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その他 |
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向こう3か年の事業計画書、収支見通し等 |
新規登録の他、以下のファンド運用支援業務もご相談ください
1.各年度の事業報告に関する業務
2.登録事項の変更届け出
3.ファンド契約関係書面の作成・チェック
4.法改正に伴う使用書類の見直し
不特法申請業務のポイント
行政書士いまがわ事務所における不動産特定共同事業の新規許可業務は、必ず不動産特定共同事業の申請経験がある行政書士資格者が担当します。
そのため、一度にお受けできる新規許可業務は同時に2件程度(他の業務の進行段階によります)となってしまうことをご了承ください。
当事務所では、申請書の作成の肝となる業務方法および電子取引の方法の書面については、各社ごとの状況を勘案して、専門の資格者が作成支援を行います。
大規模事務所のようにたくさんの業務を同時に受けることはできませんが、その分補助者に任せるのではなく、スケジュール管理や連絡管理以外の書類作成業務は必ず経験ある資格者が作成しています。
当事務所は無資格のコンサルタントではありません。専門職として、テンプレートをあてはめるのではなく、会社の組織状況に沿って可能な限り業務体制を整えられるよう、また許可取得後も適切なファンド運用ができるよう支援いたします。
小規模不動産特定共同事業
小規模不動産特定共同事業は2017年に改正された不動産特定共同事業法によって導入された制度です。この制度は、より小規模な会社でも不動産の小口化販売をすることを可能として不動産市場への参入障壁を下げることを目的としています。
これにより、地方の業者も許可を受けるハードルが下がり、空き家・空き店舗の有効活用促進、地方創生の推進、小規模不動産投資の活性化が期待されています。
不動産特定共同事業との主な違いとして
最低資本金要件の緩和:1億円から1000万円に引き下げ
許可制から登録制へ変更:参入のハードルを下げる
出資金額の制限:1投資家あたり100万円・ファンド全体で1億円まで
監査証明書が不要である
以上のように、小規模不動産特定共同事業は、不動産投資の裾野を広げ、地域活性化や空き家問題の解決に寄与することが期待されています。小規模とはいえ、当然、事業者は高いコンプライアンス体制が必要と考えますし、投資家も十分な理解とリスク認識を持って参加することが重要です。
不動産特定共同事業・小規模不動産特定共同事業の許可要件の比較
要件 |
不動産特定共同事業者 |
小規模不動産特定共同事業者 |
①資本金 |
1号事業者:1億円 2号事業者:1000万円 |
1号事業者:1000万円 |
②純資産 |
純資産≧(資本金×90/100) |
純資産≧(資本金×90/100) |
③宅建業免許 |
免許されている |
免許されている |
④契約約款 |
法令に適合している |
法令に適合している |
⑤役員等の属性 |
欠格事由に該当しない 役員・使用人(事務所の代表者)が5年以内に不正・著しく不当な行為をしていない |
欠格事由に該当しない 役員・使用人(事務所の代表者)が5年以内に不正・著しく不当な行為をしていない |
⑥財産的基礎 |
・許可申請日を含む事業年度の前事業年度における財産及び損益の状況が良好である ・財産及び損益の状況が許可申請日を含む事業年度以降良好に推移することが見込まれる |
・直前二年の各事業年度において、当期純損失が生じていない |
⑦人的構成 |
・不動産特定共同事業を公正かつ適確に遂行できる組織構成を有する ・申請者の役員が他の法人の常務に従事し、又は事業を営んでいる場合にあっては、そのことにより不動産特定共同事業の公正かつ適確な遂行に支障を及ぼすおそれがない |
・管理部門の責任者が定められ、法令その他の規則が遵守される体制が整っている ・管理部門の責任者と小規模不動産特定共同事業に係る業務に係る部門の担当者又はその責任者が兼任していない |
⑧業務管理者の配置 |
要件を満たす従業者が配置されている |
要件を満たす従業者が配置されている |
⑨電子取引業務の体制整備(行う場合のみ) |
電子取引業務を適確に遂行するために必要な体制が整備されている |
電子取引業務を適確に遂行するために必要な体制が整備されている |
不動産クラウドファンディング(電子取引)
不動産特定共同事業の電子取引許可は、不動産投資をクラウドファンディング等の形式にてインターネットにより投資を募集することができる許可として、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律として平成31年に改正があった比較的新しい制度です。この不動産クラウドファンディングは、次のような市場ニーズもあり、大きな伸びを見せています。
(1)少額投資への投資家の関心: 一般の個人投資家や小口投資家が、少額の資金で不動産市場への投資が可能です。従来の不動産投資は大きな資金が必要であるため、少額の資金での参加は従来難しかったところ、不動産特定共同事業や不動産投資クラウドファンディングを通じて、少額から不動産に投資できる手段が提供されたことにより、プラットフォームから気軽に投資できる機会が増えています。
(2)リスク分散の利点: 投資家はリスクを分散させるため、複数の不動産に投資したいと考えています。不動産特定共同事業や不動産投資クラウドファンディングは、複数の不動産プロジェクトに参加することでリスクを分散し、全体として安定した収益を期待することができます。
(3)不動産市場のハードルを下げる: 不動産会社の側から見ても、従来資金面で不動産市場には参加できなかった一般の投資家が、不動産市場へアクセスすることを容易にしたいというニーズがあります。不動産特定共同事業や不動産投資クラウドファンディングを通じて、不動産市場への参入障壁が低下し、広範な投資家が不動産市場に参加することが可能になりました。
(4)不動産の専門知識や管理: 投資家は、不動産の専門知識や管理を必要としています。不動産特定共同事業や不動産投資クラウドファンディングでは、不動産専門家がプロジェクトの選定や管理を行うため、投資家は専門知識や管理の負担を軽減することができます。
費用について
申請書の作成報酬は社内体制や業務範囲、自社で作成可能なもの等により対応業務が大きく異なります。必ずお見積のうえ検討いただきます。
業務名称 |
法定費用 |
実費の種類 |
業務の内容 |
不動産特定共同事業 |
80,000円 |
登録免許税(都道府県知事) |
手数料はお見積りいたします |
小規模不動産特定共同事業 |
60,000円 |
登録免許税(都道府県知事) |
手数料はお見積りいたします |
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