夕張市議会の9月議会(令和3年第3回定例市議会)
で私が行った一般質問、市が所有する遊休施設の利活用についてのまとめです。
≪質問≫今川和哉
市が所有する財産である不動産、施設で現在利用されていない遊休施設等について、通告のとおり2点質問いたします。
まず、市所有施設の維持管理と、状況把握についてお聞きします。
市有財産といっても様々な種類があり、その使用目的や事業内容によりそれぞれ所管する担当課ごと管理をしているのかと思います。
現在利用がされていない遊休施設も含め、市として多くの施設を所有している中で、市所有の施設等が現在どのような状況にあるのか、全体としてどう把握しているのか伺います。
また、市有の遊休施設の一例として、
石炭の歴史村公園、ファミリーキャンプ場、丁未風致公園、郷愁の丘ミュージアム
の現状についても合わせて伺いますので、ご答弁よろしくお願いいたします。
≪答弁≫市長
市所有の公有財産につきましては、大きく分類しますと、「行政財産」と「普通財産」に分かれます。
行政財産は、「公用又は公共用に供する財産」を言い、その目的に応じて担当課で所管しております。
また、「行政財産以外の一切の公有財産」を普通財産として分類しております。
夕張市の場合、建物に限りますと公有財産が大小ございます。規模としては旧工場のようなものから車庫のようなものまでということでございますが、この件数が1717件ございます。
そのうち行政財産が1661件、普通財産が56件ございます。
先ほど申し上げたとおり、行政財産は各所管課で維持管理及び現況把握しております。
また普通財産については、再度使用する場合、公用又は公共用として活用が見込まれるもの、例えば閉校した学校などは、普通財産と分類しておりますが、学校活用事業の所管課で管理及び把握しております。それ以外の普通財産については、財政課で所管しております。
また、市の公有財産全体の把握は「財政課において台帳管理」しているところでございます。
なお、ご質問のありました石炭の歴史村公園、ファミリーキャンプ場、丁未風致公園については、それぞれ「行政財産」として所管課において維持管理しているところです。
また、郷愁の丘ミュージアムについては、行政財産として、現在、維持管理も含め貸与しているところでございます。
≪再質問≫
公用または公共用に供している行政財産とそれ以外の財産である普通財産の区分についてご答弁がありましたが、こちらの管理方法についてそれぞれ違いはあるのか、また遊休施設でも行政財産として区分されているということでしたけれども、普通財産と行政財産に分類する詳細な基準があるのか、お伺い致します。
≪答弁≫市長
行政財産と普通財産をどのように区分しているかということですが、大きな特徴としては行政財産はそれぞれ条例が存在しており、それに基づき指定させて頂いているところでございまして、それ以外のものについて普通財産という取り扱いをさせて頂いております。
≪再質問≫
仮にこういった施設の状況について市民等から問い合わせがあった場合、所管する課ごとに対応しているのか、また市有施設について総合的に対応する窓口があるのかについて、お伺い致します。
≪答弁≫市長
いわゆるワンストップの窓口というのは、この状況の中では設置しておりません。色々な課の方に直接照会があるケースがございます。そういった場合は担当課に申し送り、対応をさせて頂いているところです。
≪質問≫今川和哉
次に、遊休施設の有効活用についてですが、現在、利用がされていない市所有の遊休施設に対する本市の方針は、どのようになっているかという点につき、質問いたします。
市として施設を管理するにも、当然、まず財源の問題があることは理解しておりますが、市が保有する施設は市民の貴重な財産であり、地方財政法という法律においても、「地方公共団体の財産は、常に良好の状態においてこれを管理し、その所有の目的に応じて最も効率的に、これを運用しなければならない。」とされています。
使っていない施設に積極投資をしろと言っているわけではありませんが、費用を使わない方法や、ある程度必要な範囲内で、施設をどうしたら活用できるのかを考え、利活用の可能性を探っていくことは、自治体の責務であると考えます。
そういったことから、遊休施設は市が把握している範囲の現況を対外的にも公表したうえで、民間利用も含めて、利用できるものは積極的に有効活用を図るべきと考えるところですが、市長の見解をお伺いします。
≪答弁≫市長
本市においては、資産の有効活用を図るため、「夕張市財産条例」及び「夕張市市有財産活用基本方針」に基づき、利活用目的や価格設定の方針等を定め、譲渡又は貸与を行ってきたところでございます。
また、今年度予算計上させていただきました、「公共施設等総合管理計画」の改訂作業を現在、鋭意取り進めているところでございます。
この計画の中で、施設ごとに今後の利活用方針等を定め、計画策定後、市ホームページ等で広く周知してまいります。
≪再質問≫
現在使われていない施設の中には、やはり耐震性能に問題のある建物が多いものと思いますが、こういった耐震化されていない遊休施設の問題についてはどのように考えているか、方針等をお伺い致します。
≪答弁≫市長
「公共施設等総合管理計画」の改訂にあたりまして、現在、市の財産の現況、今後の活用方針、また耐震化の有無、いわゆる建築年・経過年を総合的にとりまとめさせて頂いております。そこでまず各所管課の考え方をお聞きしながら、最終的には全体としてどのようにしていくかを、この改訂作業の中で行っていきたいと考えております。
≪再質問≫
管理している担当課の意見も聞きながら考えるということでしたが、やはり老朽化も著しい建物も多いのかなと思います。予算的に使っていない建物の改修工事に大きな金額をかけることは不可能だと思いますし、解体をするにもなかなか限界がある、とはいえ放置して廃墟や危険家屋となれば将来に負担を残すことにもなりかねない。どこかで優先順位を決めるなどの議論もしなければならないと思いますが、この点につき見解をお願い致します。
≪答弁≫市長
現在取り進めております「公共施設等総合管理計画」の改訂作業でございますが、議員からご指摘がございました内容も含め、まちづくりマスタープランの地区別整備方針とも連動していくかたちになってこようかと思います。その中では地区に必要な施設がどういったものであるのか、あるいはその建物の状況、それから地域の現況等などをふまえて、代替のものが必要なのか、それとも廃止してよろしいのか、そういった区分で選定の方を進めさせて頂きたいと考えております。
≪再質問≫
施設一覧の対外的な公表について、もう少し詳細なご答弁を頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
≪答弁≫市長
施設の一覧につきましては、現在「公共施設等総合管理計画」の改訂作業を行っておりまして、シートに必要な事項を各課の方で情報を入力している状況です。どの時点でということについては本日お答えできませんけれども、ある程度作業が整って公表できる状況が整いましたら、その時点をもって公表させて頂きたいと考えております。
≪再質問≫
情報をまとめている最中ということでしたが、公表することになった場合にはどういった形での公開が考えられるかということについて、お伺い致します。
≪答弁≫市長
計画策定後、市のホームページ等で広く周知をさせて頂きたいと考えております。
(今川)
ホームページをはじめとして費用の少ない広報の手段を積極的に考えて頂きたいと思います。
例えば施設に関連のある業界などにプレスリリースを出すなど、手段は色々とあると思いますので、よろしくお願い申し上げます。
≪再質問≫
公表する情報についてのまとめ方について、財産を管理している担当課が現在それぞれ持っている情報をまとめていくことになるかと思いますが、今後施設を使いたいと考える方にとっては、施設に行くまでの道路がどのような状況にあるのかとか、建物の改築が可能な都市計画となっているのかだとか、水道がどこまで通っているのかといった基本的な情報は、持っている担当課がどこであれ重要な情報になると考えているところです。
こういった庁内の連携で把握可能な情報は最低限まとめたうえで一覧として集めて頂きたいと思いますし、そういった情報公開をすることが適切かと考えますが、いかがでしょうか。
≪答弁≫市長
先ほど答弁させて頂いたとおり、財産が非常に多くございまして、その中では私どもとしてはなかなか活用に結び付くものではないのではなかろうかという思いがありつつも、一方ではそういったところに何らかの活路を見つけて活用してみたいというような照会も実際にあるところでございます。
そのような中で現段階では各課連携をさせて頂く中で、活用したいという意向を頂きましたら、現地での立会い、各インフラについての説明など、各課連携の中で行ってまいりたいと考えております。
前回の議会では空き家対策について質問いたしましたが、民間だけでなく市が所有する不動産にも施設老朽化や維持管理の問題は多く共通します。
特に夕張市は炭鉱全盛期からの急激な人口減により、現在の人口規模に比べほかの自治体より過剰な市有財産を有しているといえます。
この質問を行っている場所の夕張市役所でさえ老朽化し、耐震基準にも問題があるような状況下、多数ある遊休施設をどう活用し、処分していくかは将来にツケを残さないための課題でしょう。なんでも市の財源でといえる時代ではなく、市民や民間の間でも議論を深めていかなければならないと考えています。
夕張市議会議員 今川和哉