第5世代移動通信システム「5G」の導入に対する市の対応について
の一般質問を令和元年第4回定例市議会、12月夕張市議会にて行いました。
質問のまとめを掲載します。
(1)5G導入に向けての市の対応について
【質問:今川和哉】
初めに、5G導入に向けての市の対応についてお聞きします。
2020年には、次世代の移動通信システムである「第5世代移動通信システム 5G 」の商用化が期待されています。この通信方式に切り替わることにより、通信性の向上というだけでなく、その低遅延・多数接続という性質から、自動運転や在宅医療、スマート農業、テレワーク、ICT教育等の幅広い分野での技術革新が起きると言われているところです。
現在は第4世代である4Gが主流です。通信サービスは、1979年の第1世代の音声アナログ通信から始まり、続いてデジタル方式となりメールなどが送受信できるようになった第2世代、さらに高速で大容量のデータ送信が可能になった第3世代、第4世代といった進化を続けてきたわけですが、今回の第5世代である5Gが与える社会的なインパクトは、今までの通信技術の進化よりも、相当大きくなるものと考えられています。
これは、従来技術の延長線上の「大容量・通信の高速化」だけでなく、「超低遅延」、「多数同時接続」による新たなネットワーク要件を備えていることが5Gの特徴であり、身の回りのあらゆるモノがインターネットに接続されるIoT実現に不可欠な基盤技術として設計されているためです。
こうした特徴を生かすことで、多くの新サービスやビジネスの展開が期待できるほか、スムーズな通信によりタイムラグなくやり取りができることからリモートワークが加速し、働き方改革の推進、遠隔作業による人材不足の解消など、5G普及によって都市と地方の格差解消や課題解決の一歩となることも期待されます。
この技術革新にいかに対応していくかは企業だけでなく、自治体にも求められている点ではないでしょうか。今後導入が進んでいく5Gへの対応として、市はどのように考えているか伺います。
【答弁:市長】
昨年の第4回定例市議会において前市長が答弁していますけれども、過疎で広域な本市における行政、医療、産業等様々な分野において、今後の通信技術の発達に大いに期待するところです。
一方で5G回線の地域への導入につきましては、通信事業者の判断によるところでありますから、引き続き国や北海道及び事業者からの情報収集、把握に努めてまいりたいと考えております。
【再質問:今川和哉】
通信事業者からの情報収集に努めるという答弁でしたが、来年以降5G技術が本格的に普及し始めるころにはどの自治体も当然に盛んに整備を求めていくことが予想されます。
そこから動き始めた場合、資金力のある自治体、収益性のある人口の多い自治体の方が、誘致や利用政策を打ちやすいわけで、後手に回った当市ではなかなか通信環境が整備されないということが危惧されるところです。
そういった恐れは現状考えられないものか、その対策は取れているのでしょうか。
【答弁:市長】
5G導入に当たりましての市のスピード感のある対応が必要ではないかとの質問かと思います。
国や北海道及び事業者からの情報収集について、ご承知いただいておりますとおり本市、財政再生団体ということで限られた財源を活用しながら行財政運営を行っているところです。そのような状況の中でこの5G回線の導入にかかる費用について、現在計画には盛り込まれていない背景もあります。
今後取り進めるにあたっても慎重な面が求められるところについてはご理解頂きたいです。
(2)5Gの早期活用に向けた活動
【質問:今川和哉】
続いて、5Gの早期活用に向けた活動ということでお聞きします。
通信事業者への働きかけ、総務省との協議において、プレサービスや5Gを活用した実証実験の働きかけを行っていくことは考えられないか、その可能性を伺います。
【答弁:市長】
5Gの総合実証実験については、2017年より全国の複数の箇所に置いて通信事業者を主体とした技術的検証行われているということは承知している。
一方で、5Gが来年春より商用サービスが開始されることから今後においても実証実験が行われるかどうかは情報が得られていないこと、またこれまで各自治体向けに実証試験の実施希望の照会がなされたことがなかったこと、5G導入が真に必要な地域課題の整理、及び試験導入にあたっての受け入れ態勢の整備が本市においてなされていないことなどから、実証試験のはたらきかけを本市が行うことは考えておりません。
【再質問:今川和哉】
受け入れ態勢の整備ができていないということで難しいとのことでしたが、例えば確かに実際には教育と医療といったような場合は実施機関である学校や医療法人との連携を行わなければならないことは十分に考えられます。
例えば、こういうとき、ある程度市が主導的立場でこういった機関に情報提供や導入提案の推進をしていかなければ、そもそも始まることができないと考えますが、いかがか。
【答弁:市長】
本市、財政再生団体である中で行財政部分にどのような施策を盛り込んでいくかを、常に考えながら仕事をしている。一方で、質問がありましたのは、とはいえ社会全体がそういう方向に進んでいる中で、遅れることがないのか、あるいはその先頭に自治体が立つべきではないのかという質問だったと思います。今のところ具体的な導入に向けての考えは先ほど申し上げたとおりだが、今後、第二期総合戦略がございますけれども、この戦略の新たな視点として、新しい時代の流れを力にする、ソサエティー5.0(Society 5.0)実施に向けた技術の活用という視点がうたわれているところ。今後市の戦略の中でそういった検討が盛り込めるかどうか、総合戦略の中で考えて参りたい。
(3)行政サービスの技術革新について
【質問:今川和哉】最後に、行政サービスの技術革新について、お聞きします。
行政サービスにおいても、業務をシステム化することによって、その分を職員である人が本来行うべき作業に向ける等の負担軽減を行うことが出来ると考えられます。こちら全国を見ますと、「事務作業や定型業務をソフトウェア型のロボットが代行・自動化するロボティック・プロセス・オートメーション、いわゆるRPAと呼ばれるシステムの活用によるデータの入力業務や、ペーパーレス化、タブレット端末の活用等を実際に行っている自治体の例があるところですが、夕張市におけるIT技術革新への対応について、市長の考えを伺います。
【答弁:市長】
夕張市における行政サービス、これを今後も持続可能なものとするために、省力化、省コスト化の検討が必須のものであると考えてございます。
そのうえで財政再生団体である本市といたしましては、新しい技術を導入する際には、他自治体の実績、効果などを充分検証したうえで本市の実情にそうものか検討しながら判断してまいりたい。
【再質問:今川和哉】
他の自治体ではどのようなことを行っているか、また当市ではどのような技術が利用できそうか、こういったものは常に調査や情報収集を行って行かなければならないものと考えますが、こういった体制については整えられているのか、お聞きします。
【答弁:市長】
他自治体の情報収集の体制について体系的にそういった体制を構築しているわけではない。
各担当課において出席する会議あるいは私が市長として出席する会議のなかでも情報交換の機会があり、実際AI化の方向について話を伺うこともございます。
そういったことを持ちかえって、例えば庁議の中で全体化する、そのような形の中で現在対応しているというところでございます。
【今川和哉】
今回のテーマ全体としてですが、技術革新はペースが速く、どんどん新しいものがでてくるものです。
何があり、夕張市では何が使えるか、情報収集を欠かさず行っていただきたいと思っております。
以下、リンクです。

