9月の定例市議会の一般質問についてのまとめです。
1.財政再生計画の抜本的見直し後の新規事業について
2.夕張市の創業支援事業について
について、私から質問を行っています。
財政再生計画の抜本的見直し後の新規事業について
◆新規事業の進捗状況と予算の執行状況について◆
【質問】
財政再生計画の抜本的な見直しにより、今までの財政再建の優先から、当市は地域再生との両立へ大きく踏み出しました。今後も夕張市が持続的に存立・発展していけるよう、本年度から10か年で取り組む新規事業46事業のうち、平成29年度から着手する事業が35事業ほどあります。
その新規事業が、現段階でどのくらい進んでいるのか、事業の進捗状況と予算の執行状況についてお伺いします。
【答弁】
地域再生の動きを加速化させるため、46事業のうち4分の3を占める35事業について今年度より着手すべく当初予算に計上いたしました。
事業の進捗管理におきましては各事業それぞれ1年間の作業スケジュールを年度当初に作成をし、それを取りまとめた上、管理を行っているところであり、
現在のところ未着手の事業、作業に特段の遅れを示している事業はございません。
なお、定住促進のための住宅取得、リフォーム、空き家除去支援事業、若年層女性向け低家賃整備事業、子育て支援のための妊産婦安心出産事業、新たな人の流れ・交流人口創出のための資格取得支援事業、創業支援事業、地域人材育成事業など、今年度より地域活性化のため各種助成事業を設けており、そのほとんどは、これまでに補助申請を頂いておりますが、
今後も継続して申請の受け付けを行っている事業については広報・市ホームページなど、その事業によって合った媒体によって周知に努めて参る考えであります。
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夕張市の創業支援事業について
◆「夕張市創業支援事業補助金」の申請状況について◆
【質問】
今年度から、夕張市内で新規創業される方、または事業拡大を行う市内の事業者に対して、初期投資等に最大100万円の補助を行う「夕張市 創業支援事業補助金」の募集を行っております。
こちらの申請採択状況、申請に関する相談件数と、今後の採択に至る見込み、またどのようにこの制度の周知活動を行っているかについてお伺いします。
【答弁】
この制度につきましては、本年6月からスタートしたところであります。
現在のところ新たな創業や事業の拡大について数件のお問い合わせがあり、対応したところではありますが、申請には至っていない状況であります。
周知につきましては、市のホームページや広報で制度の周知に努めているほか、商工会議所や金融機関にチラシを配布しているところであります。
◆創業に関する広報手段について◆
【質問】
私たちのように、夕張市に住んでいる者から見れば、夕張市にはこういう事業が足りない、こういうところに可能性があるのではないか、と思える部分があります。
しかし、それを市内にとどまらず全国の起業を考えている方や、課題解決の能力がある方に伝わらなければ、創業の増加にはつながりません。
チャンスとなり得るマチの課題が、課題のまま終わってしまいます。
まず、起業をしていただくためには、夕張市にはどのような資源があり、何が不足していてどういった問題があるのか、幅広く知っていただかなければならないわけです。
そのためには当然ですが、起業に関する広報、市のPRは欠かせません。
起業を考える方が夕張市で新規創業していただくために、どのような広報活動を、どのような場所で行っているかお伺いします。
【答弁】
現在は商工会議所を通じて既存の企業にチラシの配布の依頼をしているところでございます。
今後は企業訪問を行う際、個別に制度の概要を説明することとしているほか、夕張へ支援を頂いております公益社団法人北海道クラブや札幌夕張会など、多くの経営者の方々などが集まる場での広報活動といったものを行っていきたいと考えています。
◆創業相談事業、創業セミナー、インキュベーション事業の実施について◆
【質問】
(1)今の夕張市、新規創業が多いとは言えません、この状況から、受動的な支援だけでは限界があると考えますが、今後市外も含め起業家を対象としたセミナーやイベント等を行って夕張市で起業を希望する方の数を増やすための積極的な方策をとっていくことを考えていないか、ということをお聞きしたいと思います。
(2)「インキュベーション」とは創業間もない事業者に対して支援を行い育成することですが、起業の初期段階の事業者に対して、何らかの支援をしていくための事業は行えないでしょうか?
支援体制が確立され、起業のリスクが軽減されれば、せっかく創業した市内事業者の撤退を防げるかもしれませんし、夕張市での起業家の増加にもつがなることが期待できますので、そういった事業の可能性についてお伺いいたします。
【答弁】
(1)起業家を対象としたセミナーやイベントについては、市単独での開催は効果が限定的であることから、商工会議所や金融機関とも連携をし、北海道や札幌市などが広域で開催する事業を活用するなど検討してまいりたいと考えております。
(2)市内の施設利用や専門的な人材の配置は厳しいと考えておりますが、独立行政法人中小企業基盤整備機構において、インキュベーション施設の運営を行っておりまして、起業家や新事業展開を目指す方々のニーズにこたえる事業スペースを用意されているほか、専門支援スタッフとしてマネージャーについても配置されており、起業にかかる全面的なサポートが行われていることから、このような施設を紹介するなど同機構と連携を密にしながら対応していきたいと考えております。
◆創業支援事業の課題について◆
【質問】
夕張市における創業支援事業の課題についてどのように分析をされているか。市長の見解をお伺いいたします。
【答弁】
企業が進出する上で企業が望む求人と働き手のミスマッチや企業が求めている生活環境の問題など、多くの課題があると認識をしております。
一方、本市においては、財政再生計画の抜本的な見直しを行い、本年度から財政再建と地域再生の両立に向けてリスタートをし、生活環境の改善なども計画に盛り込んだところであります。
しかしこれらは、スタートしたばかりであり、これから一つ一つ丁寧に取り組み、着実に形にしていくことが重要であると考えています。
また、起業される方や進出される企業の方々については、夕張の特性をご理解いただいた上で個人や会社の方向性について多様なマッチングが必要であると考えておりまして、
少しでも長く夕張で運営頂けるという視点が私としては重要であろうと考えております。
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☆ ◇ 再 質 問 ◇ ☆
【質問】
創業に関する宣伝方法について、現在行っている市の広報やウェブサイトでの広報のみでは対象が限定的で、市外の方が知る機会が少ないのではないかと思います。
この点につき今後どのように考えますか?
【答弁】
空知地域で取り組んでいるようなセミナーの機会や、人口が集中する札幌市などでの周知ができないか、
また(イベント等で)夕張に多くの方が集まるというパターンもありますので、そういったところで例えばですけれどもブースを設けて、関心がある方に説明を対応していくとか、
そういったことをやれるところから順次やっていきたいと考えています。
【質問】
他の自治体では、自分の自治体にこういう事業を誘致したい、と明確にしている場合も見受けられます。適合する場合に支援を手厚くしていたりするわけです。
たとえば、ITに特化していたり、元々ある地場産業の高度化だったり、商店街再生として、空き店舗を活用する事業だったり、農業の六次化だったりです。
どんな事業を夕張市が必要としているのか、その課題が明確であれば、こういった特定の事業者の誘致に特化することも有効な場合があるのかなと思いますが、そういったお考えがあるかどうか、市長に伺います。
【答弁】
夕張市はある意味で言えば財政破綻をして以降、企業誘致というのをスポットで行って来ていない中で、夕張の地理的要件だとか再生団体である夕張の中で、是非企業活動としても行っていきたいという企業の思いであったり、そういうところに寄り添いながら企業進出などが促進されてきた側面があるのかなと思っています。
今現時点において、夕張で起業するにあたって、どういった可能性があるのかと考えたときに、廃校舎の活用などを積極的に図ってきたのですが、もうほとんど空き教室はありますけれども学校全体の活用という意味ではもう耐震化を満たしていないところ以外は活用されているような実情があります。また、工業団地も中小機構を離れている部分もございます。
ですから、実際起業家の方が夕張で起業したいと言ったときに実際どういった活動が可能なのかという情報をしっかりまずお伝えしていくということが我々にとって非常に重要な要素になるのだろうと思っています。
ですので、そういう意味では、まずしっかり特定の業種にある意味でエッヂを効かせてというよりは、夕張で意欲を持っているような方については、丁寧にそのご意向をお聞きした上で、どうやればその方の意向に沿えるのだろうかということを考えていく。
夕張で長く活動をしていただくためには、(起業初期からの)相談体制等も重要と考えており、入口の部分から、マンパワーの限りはありますけれども、サポートしていくのが我々のスタイルなのかなと思っています。
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9月の会期中は決算審査についても行っておりますので、こちらも別途アップしたいと思います。