3月22日の第1回定例市議会最終日に、議員の定数削減を議決いたしました。
次回の選挙からは、全国最少の8人となります。
削減に関する議案は、議員全員での提出となります。
「あれ?今川は反対じゃなかったのか?」
「削減反対の議員が何人かいたはずでは?」
と感じている方もいるかと思うので、この経緯について説明いたします。
最初に言っておくと、私は定数削減の風潮には反対ですし、考えは変わっていません。
このあたりについては、過去記事をご参照ください。
議員定数について http://kazuyaimagawa.jp/?p=252
人口が減ると議員は少なくて良いのか? http://http://kazuyaimagawa.jp/?p=346
まず、この話が出てきたのは2016年の春頃だったと思います。
議員会議において、次回から定数を削減してはどうか?という提案が出ていました。
その理由としては、前回の選挙が無投票だったことや、1名削減分の報酬を分配し、議員報酬を増加させ、次回の立候補者を増やしたいなど、
削減分を他の政策に充てることなどが挙げられていました。
このときは特に削減後の財源についての意見は一本ではなく、このために、というものではなかったと記憶しています。
議論は大きく進んだのは2016年5月のときです。
3月の第三者委員会からの報告を受け「財政再建と地域再生を両立するよう財政再生計画の抜本的な見直し」の理解を国に求めるため、夕張市は動き始めておりましたが、この計画の見直し案を提出する期限が迫っていたのです。
当然、見直し後の財源を集めて確定しなければ、地域再生のための事業を国に提案することはできません。
将来の議員定数が7なのか8なのか9なのか、これを確定しなければ議会費が定まらず、国に提出できないわけです。
提出期限までに、議会内でこの議論を確定させようということとなり、2016年6月7日と6日8日、全市民を対象に意見交換会を開催いたしました。
その場で、賛成の議員と反対の議員ともに意見を述べ、それに対する参加者の意見を聞いたわけです。
このブログ記事は、そのときに書いたものでした。
議員定数について http://kazuyaimagawa.jp/?p=252
予算を確定しなければならないので、報酬をどうするのか、定数をどうするのか、決めなければなりませんでしたが、議員内でも意見は分かれました。
結局、期限までに必ず提出を要するものだったので、議員会議において多数決とすることにしました。
報酬については、「この状況で報酬の増加は、あり得ない」という意見多数で、これについてはほぼ異論はありませんでした。
定数の削減については、1名の減につき、議員9名中、4-5の1名差による賛成過半数であったと記憶しています。
この結果に基づき必要議会費を算出し、夕張市は総務省に変更計画を提出
2017年3月7日に総務省から計画変更については同意が得られたわけです。
議員会議にて、多数決で提出を決めているわけですし、その費用を確定した状態で総務省の同意を得ています。
その状態で、議案に反対をするということは、もし議案が通らなかった場合「議案の可決が前提のこの再生計画はどうするの?」という状況になります。
予算を伴う議案一つと、総務省の同意を受けた計画が実質的に抱き合わせの状態となっているのが今の夕張市の現状です。
これは、他の議会ではあり得ません。全国で夕張市だけです。
議案が通らなければ、再生計画の変更が成り立たないので、反対のしようがないのです。
市民の中でも議論が分かれることにつき、公の場で反対意見を述べることができなかったことは、大きく反省すべきものです。
この夕張市の全国唯一の特殊事情について、ご理解いただければと思う次第です。
経緯については私としては他にも相当不満な点があるのですが、決まったことに文句を言うよりも、将来の解決策を提示していくほうがずっと建設的なのでそうします。
まず、定数が減ることによる出てくる問題として以下のものがあります。
1.特定の組織票を持たない立候補者が不利
以前の記事を読んでいただきたいと思いますが、組織票が強くなりますので、志や能力があっても枠がなく、当選できなくなります。
組織票が悪いと言っているわけではないですよ。
2.市民の意見反映、監視機能の減少
市民には様々な意見があり、絶対的に正しい政策なんてありません。意見を述べる人や機会が減れば当然出てこない意見が増えます。
定数減でさらに「視点」が減ることを危惧しています。
3.人手不足
夕張市はすでに常設委員会が1つで、全ての議案をそこで審査している状況です。
他の町では福祉系、建設系などで分けて分担し、それぞれが専門分野を勉強しながら監視、提案しています。
本市は全員で議案全部見ています。人が減っても事業や必要なことが減るわけがないので、かなり無理がある状況です。
1については、これはもう活動と貢献度を見て投票してくれというのが本音です。
あとは例えば、投票権を各自2票与えるような選挙改革とかでしょうか。(これなら一人目は組織にいれても1票が浮きます)
市政に限らず議員のレベルは市民・国民の写し鏡なので、一人一人の活動を見て評価していかなければならないと思います。
選挙公報の復活など、議員の側もより積極的に情報提供に努めていかなければなりませんね。
2について、まずやるべきは「議会を見る機会の提供」だと思っています。
どんな議論がされているのか見ていただいて、市民からの意見で議会活動を補てんするほかありません。
「議会見たよ、こういう答弁があったけど、こういう考え方もあるんじゃない?」みたいなことを議員に言っていただければと思います。
年に1回は夜間議会を開催して、働き手世代の傍聴を期待していますが、実際には働き手世代の傍聴者はいません。
このままでは若い世代の意見、視点が減ることは間違いないので、もっと手軽にネット配信などを求めていく必要があります。こちらは提案していきたいと思います。
3については、隣の栗山町でやっているような議会サポーターのようなものも有効な試みでしょう。
実際、当市でも各団体から代表者を集めるような検討委員会ではかなり活発な意見が出されています。
あとは各自議員の勉強ですね、これは頑張ります。
これ全部読んでいただけた方いるんでしょうか?ありがとうございます。
夕張市議会議員 今川和哉