夕張市議会議員今川和哉です。
9月に行われた「夕張市議会 令和4年第3回定例市議会」について、私の一般質問まとめを報告します。
今回は、市内企業の振興策についての質問として、進出工場への対応策、スキー場と休業中のホテルについて質問しています。
【今川和哉:進出工場の情報把握や市の関わり方について】
市内沼ノ沢にて、チョコレートを中心とした菓子の製造販売を行う、株式会社DADACA様が、工場物件を取得し、現在、工場稼働に向けた準備を進めているとのことです。夕張市にとって大変ありがたく、喜ばしいことであり、市民からも大きな期待がよせられています。
民間企業の経済活動であるとはいえ、この工場跡地へ進出した工場の稼働状況は、雇用や地域経済だけでなく本市人口や都市計画・産業施策へも大きな影響を与えるものです。
民間企業が順調に稼働し、市内での事業が成功することが、市民生活の向上と、雇用の確保、人口の維持、そして税収の増加にもつながっていきます。
この工場物件は、令和3年3月末に閉鎖した、旧マルハニチロの工場跡地での創業となります。旧マルハニチロ工場の市内撤退においては、市外への人口転出数が跳ね上がり、当市の雇用人口に大きな打撃を受けたことを思いださなければなりません。
今後の市内事業者への対応としては、旧マルハニチロの撤退について反省を行うとともに、撤退に至るまで市は何ができたか、ということを今一度考えていただきたいと思っています。
旧マルハニチロ夕張工場だけでなく、市内では廃業する中小企業・個人事業主が後を絶たない状況にあります。人口減も止まらず、市内事業者も経営が成り立たない状況、大手の支店や工場も不採算部門を撤退したほうが良いという現状となってしまっている、これを防ぐ方法を、事業者が耐えていただいている期間、営業している間に、できる限り考えなければならないのではないでしょうか。事業者の撤退が決まってから対策会議を作り、閉鎖の再考を求めたところですでに遅いのです。
やはり、この反省を生かし、日頃からの意見交換や事前の情報収集、できる限りの支援を行っていかなければならないでしょう。これは特定の企業に限らず、市内民間企業に対して、市はできる限り情報把握や、意見交換や必要な支援策の提供に努めていく必要があると考えます。
以上は市内企業全般について必要と考える課題でもありますが、本件質問では、沼ノ沢の工場を取得した新規進出企業について、次の点をお聞きいたします。
まず、工場の稼働時期、工場における雇用の見通しについての、市が把握している情報をお願いいたします。続いて、工場の進出・稼働が地域経済に与える影響の見通しをどのように考えているか、お願いいたします。
そして、それら工場の稼働や、雇用、地域経済などの見通しを踏まえ、今後考えられる市の支援策や、必要と思われる市からの対応をどのように行っていくか、お考えをお伺いいたします。
答弁:厚谷市長
令和3年3月に閉鎖されたマルハニチロ夕張工場跡について、市はマルハニチロ株式会社や道と協力しながら後継企業を探してきたが、令和4年7月に株式会社DADACAが正式に工場を取得、現在10月の操業開始に向け準備作業が進められていると把握している。
市は令和4年3月、株式会社DADACAが後継企業候補となった段階から意見交換を重ね経営方針や事業計画、操業開始に向けた準備状況を把握してきた。
現在、同社は操業開始に向けた生産設備等の整備を進めているほか、正社員15名、パート20名の求人募集を開始、道内自社工場からの移転を含め30名程度の人員で操業を開始する計画。
また、新商品開発や、一部の作業工程について市内事業者を活用すること、地域活動への参加、直売所の設置検討など、地域に根差した企業活動を目指し準備を進めているところ。
事業による経済効果として、同社の生産による直接的な効果のほか、雇用増、市内事業者との取引による効果、多方面との好影響がおよぶと考えている。
これらの動きに対し、市では条例に基づく固定資産税減免制度の申請サポート、国や道の支援制度の活用、商品開発や人材確保に向けた市内事業者との連携調整など、円滑な操業開始に向けた支援を行っている。今後も長期安定した事業運営を継続し、幅広く市内に好影響がおよぶよう、商工会議所等の機関とも協力してサポートを継続する。
【再質問:今川和哉】
再質問として、雇用を巡る情勢についてお聞きしたいと思います。
まず市内全体として人材不足であるという課題があります。
マルハニチロ工場の撤退も、人員確保が他地域の工場に比べて難しいことが撤退理由の一つであったと記憶していますが、夕張市における雇用の情勢についてお伺いいたします。
答弁:厚谷市長
雇用の確保については困難が予測される。
ハローワークとの連携のほか、季節的に繁閑ある他産業(春から夏の収穫時期までに労働力が必要なメロン農家のそれ以外の時期等)との連携を通じて人材確保が図られるようサポートを行っていくほか、雇用対策支援補助金の活用を促している。
また、作業工程の外部化について連携協働の視点、障がい者就労支援事業所との橋渡しを行うなどの取り組みを行う。
【今川和哉:マウントレースイスキー場について】
続いて、マウントレースイスキー場について質問いたします。
夕張市内唯一の大型国際スキー場であるマウントレースイスキー場の営業は、単に民間企業の問題ではなく、市が行う観光政策、学校のスキー授業等の教育政策のほか、夕張市が政策目標としてあげている「かかわり人口の創出」にも影響を与える重要なものであり、その営業状況は、市民や市内事業者も大きな関心を寄せている話題です。
マウントレースイスキー場は、コロナ禍による2020年度の閉業がありましたが、昨年の2021年度にはスキー営業の再開がなされ、このスキー場に活気が取り戻されたことについては、市民としても大変安堵したところです。
この昨年2021年冬にスキー場再開がされた際、運営会社の代表者として、スキー場再開に寄与された社長が今年4月に退任し、6月からは新しい社長による経営が行われているとの報道もありました。
夕張市として、この新社長の就任についての情報把握と、経営方針の確認をどのように行っているか、また、今年2022年の冬12月以降のスキー場の営業見込みについて把握しているか、お伺いいたします。
答弁:厚谷市長
夕張リゾート運営会社である「夕張リゾートオペレーション株式会社」とは、各施設の再開に向け、情報収集や施設再開に向けたサポートを行ってきたが、代表取締役交代後も継続して意思疎通を図り、再開や円滑運営のためのサポートを行っている。
経営方針について、大きな変更点はないと伺っているが、各施設のコンセプトを明確にして進めていくと聞いている。
また、スキー場については、次のシーズンに向け、リフト整備等の必要な作業を進めており、今冬も営業を行うと把握している。
再質問:今川和哉
スキー場の営業のためには、リフトや索道のメンテナンスだとか、設備の定期改修が欠かせないものと思われます。
そういったオープンに向けての動きをどうやって市は把握しているのか、お伺いいたします。
答弁:木村課長(地域振興課)
定期的にスタッフとやりとりをして、直接確認を行っている。
【今川和哉:休業している市内ホテルについて】
夕張市内に、多くの宿泊者を受け入れることが出来るホテルの営業は、市の滞在人口や、イベント開催、修学旅行や合宿の受け入れといった事業にも大きくかかわり、市内振興や経済的にも重要な意味があります。
このうち、夕張市から2017年に売却された宿泊施設でいいますと、現在、合宿の宿ひまわりが稼働し宿泊運営がされております。
そして、マウントレースイについては先ほど質問を行いましたスキー場部分のみ開館し、ホテルマウントレースイ、およびホテルシューパロについては、休業しています。
そこで、「ホテル・マウントレースイ」「ホテルシューパロ」のホテルの状況と、再開見通しについて、市はどの程度把握し、どのような協力を考えているのか、お伺いいたします。
答弁:厚谷市長
夕張リゾート各施設のうち、未だに休止中となっているホテルマウントレースイ・ホテルシューパロについては、令和4年7月の新聞報道にもあったように、ホテルマウントレースイについては2023年冬の再開を目指し、修繕改修等を進める方針、現在は工事に向けた準備を進めていると承知している。
ホテルシューパロについては未定と把握している。
市としては、運営者、所有者に対し、引き続き施設再開を要請していくとともに、情報収集と意思疎通に努め、再開の実現に向けて対応する。
再質問:今川和哉
再開が未定となっているホテルシューパロについて、改修の費用等もあり、再開が難しい事情は把握している。
とはいえ、放置してこのまま劣化が進んでいくのも市としては見過ごせないものとは思いますが、それについて所有者からの相談や、積極的に対応を行うことは考えていないものか。
答弁:厚谷市長
市としては再開の要請はしているところ、社としては方針をまだ決めがたい状況にあるということで未定となっている。
ただ指摘のとおり、市の観光、交流人口など幅広い分野にわたって関連ある施設ということで、再開に向けて粘り強く訴えていきたい。
再質問:今川和哉
ホテルシューパロ再開に向けて、一番のハードルというのは何であると考えているか。
(答弁調整)
答弁:厚谷市長
事業者からは、施設の老朽化が進んでいることで、改修費用がどの程度かかるのか、まずこれらの試算というものを行っていかなければならないと伺っている。