夕張市議会議員今川和哉です。
あけましておめでとうございます。皆様も年末年始は大雪で大変だったことかと思います。私も帯広と札幌を往復しつつ本日より事務所業務に戻っております。
さて、先月の12月議会における一般質問のまとめです。
11月に開催した子育て世代との意見交換会でもご意見が出されていたインターネット環境について、光回線整備と公共施設のWi-Fiを中心に質問しております。
1.市内全域での高速回線の普及について
質問:今川和哉
2020年3月末時点の総務省のデータによると、夕張市において高速・大容量の通信が可能な光ファイバー回線を家庭につなぐことができる居住地域の割合は90.24%であるということで、市内1割の割合の世帯が光ファイバが整備されていない地域に居住していることになります。
これは主に農村地帯や山間部に住んでいる1割の家庭が、光ファイバーのような大容量通信が可能な超高速ブロードバンドを利用できない状況にあるということになりますが、
この地域には若い世代の農家をはじめとした子育て世帯なども居住しています。
ひと昔前であれば、通常の家庭における利用方法なら、ADSLでも十分高速ではないか、という見方もできたかもしれませんが、今のインターネットを利用したサービスの多様化や、技術の向上を受けて、家族複数が同時に接続する、そして大きな帯域を利用するビデオ通話や動画配信の普及、こういった現代の利用状況から見て、通常の家庭の利用であっても光ファイバーによる回線速度や大容量通信が求められるものといえますし、ADSLと、光ファイバーの家庭では、実際の利用環境に格差があるといって過言ではありません。
実際に、先月11月9日に開催した子育て世代と夕張市議会の意見交換会においても、子どもを持つ農家の家庭から、子どもと一緒に利用している際、インターネット回線の接続において遅延が発生するとの話があったものです。
そうした中、ここ1年のコロナ禍で加速した様々なサービスのオンライン化、テレワークの増加、教育機関でのインターネット利用、今後普及が見込まれるIoTの拡大等、地方と都市部との情報格差を是正することが重要となっていることに加え、これから政策として市民に必要なサービスを提供していくうえでも光ファイバは欠かせない生活基盤であることは間違いないでしょう。
昨日の市長の行政報告を見ましても、オンラインでの式典の出席、これが多くなっています。こういったように、ネット環境は仕事にも生活にも欠かせませんし、個人の生活を便利にし、よりよいビジネスにもつながる通信環境として選ばれているのが、テレビ電話や動画配信などの大容量通信に対応できる光回線ではないでしょうか。
地方や農村部だからといって、情報通信の重要さは変わるものではありませんし、遠隔医療やスマート農業といった将来的な展開を考えると、こういった地方の農村や山間部にこそ高速回線は必要なものではないかと思います。
市内全域で高速回線が利用できる環境を整えることが必要ではないかと考えるところですが、市内のインターネット環境の整備について、夕張市の方策を伺います。
(答弁:市長)
市内に敷設されている光回線につきましては、地域の要望等をふまえ通信事業者が設備したものが大半であると認識してございます。
一方で全人口の1割程度の方が光回線が敷設されていない地域に住んでいるとも承知をしてございます。
本市におきましては、想定以上の人口減少や公共施設等の老朽化が進んでいる状況に対応すべく、昨年度まちづくりマスタープランの見直しを図りまして、3つの拠点地区を位置づけそこに都市機能や居住の誘導を行いながらコンパクトなまちづくりを進めていく、としたところでございます。
現在光回線が敷設されていない地域では、すべて拠点地区以外の地域でございまして、中長期的視点から新たな居住の抑制を図る地域も多く含まれてございます。
そうした地域におきまして、今後長期にわたって維持管理が必要となる設備を新たに敷設することは、コンパクトシティ推進の観点からも当面難しいものと考えてございます。
【再質問:今川和哉】
答弁によると、人口減少もあり整備の費用等、維持費等の観点で難しいということで、私もいくらかけても絶対整備を行うべきとは言いませんが、今の状況は事実、一部の家庭が高速の回線を利用できていないという状況で、それによる格差と、教育の面でも不利益を受けている、これは現に起きている問題なわけです。
お金がかかるから、費用対効果で仕方がないで、単純に何もせずに終わらせられるものではないのではないかと思いますが、この点何らかの解決策をお持ちなのかどうか、伺います。
(答弁:市長)
解決策という点でございますけれども、光回線未敷設地域に居住する、今川議員からのご質問にもございました、教育における活用ということでの児童、生徒への対応といたしまして、ポケットWi-Fiなどの手法により通信環境を整えるため一定程度の助成ができないかとのことについて、検討をしてまいります。
【再質問:今川和哉】
ただいまの答弁にもありました、教育に使う分でのポケットWi-Fiも併用していくことを考えるということでしたけれども、確かにADSLとポケットWi-Fiの接続を併用するという案であれば、小中高の学校用の無線端末があることによって家族の接続によって帯域が圧迫されるという点については、ある程度は解決可能なのかなと思います。
ただ、こういった光回線の未整備地域は無線の、第四世代通信システムであるLTE回線というものが市内で入っている最速の通信システムでありますけれども、光回線が通っている地域と通っていない地域ではLTE回線の速度も違うのではないかなと思います。
これは公表されているのはNTTドコモの場合ですけれども、幹線道路沿いの速度と滝ノ上・富野のような少し外れた地域ではLTEの速度も少し変わってきます。当然遅い地域になります。他の通信キャリアはLTE対応地域であること以上の情報が分かりませんので、無線で足りる速度が出るのかどうかについては、答弁を求めるものではないですけれども、今後しっかり実際の家庭での利用状況などを調査した上で回線速度が足りているのかどうかを見極めながら必要に応じては通信会社により速い速度の整備を求めるということも考えて頂きたいなと思っております。
そして教育での利用ということで、教育政策としてICT環境をこれから市で整備していくという観点からも市内家庭での情報格差というものは是正しなければならないと思います。
これは先ほど千葉議員への市長の答弁でもありました「学びのDXの推進」などの観点からも必要ではないかと思いますけれども、現在の市内のインターネット状況において家庭での利用に何らかの不具合というものを生じていないかどうか、教育長にお聞きします。
※この後、答弁調整にて一時休憩、行政側から質問内容に異議
最初は質問が通告外ではないか、という指摘と思われましたが、この内容でそれはないだろうという話をすると「市長の答弁への再質問では教育長を指名できない」ということのようでした。
しかし、議会が一般質問の際にも出席を求めている以上、理事者全員に発言の可能性があるものと思いますし、「現在教育政策上で問題点があるかないか」の確認ですので当然ここは答弁すべき部分だったと思っております。当然、議長の許可が前提ではあります。
今後の一般質問の流れにもかかわりますので、この点については議会内でも扱いを検討しつつ、他の議会での運用も教えていただければと思います。
【再質問2:今川和哉】
質問内容に分かりにくい内容があったように思いますので、再度整理して再質問致します。
「教育ICT環境を整備して学びのDXを推進する」この政策を行っていく中で、現在の回線がつながりにくい家庭があるということで、何か教育政策的な不具合を生じることはないか、という質問なのですけれども、市長にお伺い致します。
(答弁:市長)
家庭での教育環境における回線の不具合ということにつきましては、私どもの方では承知しておりません。
【今川和哉】
今の時代において、ビデオ会議などのオンライン会議やテレワークなどがスムーズに行うことができ、また、学校でオンライン授業を行う場合にもスムーズに接続可能な光ファイバーによるブロードバンドの整備は都市と地方の格差をなくすことができるものです。
この地域格差を是正できる可能性がある技術自体に使えるかどうかの地域格差があるという現状、これは非常にもったいないことですし、単にお金がかかるからやめる、あとは特に検討しないではなく、課題の解決のため今後5Gの普及などの技術革新の動向なども見て積極的に検討しつつ、できる方向の模索を行って頂きたいと思います。
2.公共施設の無線LANについて
質問:今川和哉
市の公共施設には、拠点複合施設りすたや、文化スポーツセンターなど、貸し会議室やホール機能がある建物があります。
ここ1年、現地とオンラインのハイブリッド型の研修会や会議というものが増えてきております。参加者からイベントの配信を求められることも多いものです。
会場の無線LAN環境は利用者からのニーズも高いものと思われます。
特に「拠点複合施設りすた」においては図書機能や小中高生の学習という機能も有し、大容量・高速の通信ができる無線LANというものは今や必須であると考えます。
こういった市の公共施設の無線LAN、Wi―Fiの設置状況について伺います。
(答弁:市長)
無線LANを設置している市の公共施設でございますが、まず市役所本庁舎、それから文化スポーツセンター、次に拠点複合施設りすた、および公共的な施設といたしまして道の駅がございますが、そのうち市役所本庁舎と文化スポーツセンターにつきましては、災害時にすべてのプロバイダー向け解放されるものとなっております。
【再質問:今川和哉】
設置個所をお答えいただきましたが、あるだけではなくて利用者が使えているかどうかが重要なわけです。
こちらでは拠点複合施設りすたに絞った聞き方をしたいと思いますが、りすたではどういった利用を想定して無線LANを設置しているか、お伺い致します。
(答弁:市長)
りすた内の無線LAN環境につきましては、1台あたり30端末までの接続が推奨されており、Wi-fi機器6台を設置していることから、施設としましては最大180端末が接続できる環境を整えております。
【再質問:今川和哉】
多数の端末が接続できる契約であるということですけれども、「11月9日の子育て世代と夕張市議会との意見交換会」におきましても、「拠点複合施設りすたの無線LANは遅い」という意見が出ておりましたし、確かに私も確認のために繋いだところ通常のSNSも読み込まないため携帯電話の通信に戻したということがあります。
これではホール利用者の動画配信というレベルには到底ないのかなと思いますけれども、どういった利用ができるという基準でどんな速度の契約において設置しているのかお伺いいたします。
(答弁:総務課長)
スマートフォンの端末が1Wi-fi機器あたり30台、そのWi-fi機器が6台設置されておりますので、施設全体としては180台のスマートフォンが設置できるという想定でおります。
【今川和哉】
同時に接続できるというのは分かりましたけれども、設置しているということで満足せず、つなげられるだけというのが大義名分にならないように、利用者の利便性を向上させるという点で、今後調査して検討して頂ければと思います。
お読みいただきありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
夕張市議会議員 今川和哉