11月9日(火)に市内にて夕張市議会の意見交換会を開催いたします。
日中は市内の交通事情を事業者の視点から伺うため交通事業者の皆様を回りますが、夜には子育て世代を対象とした意見交換会を行います。
【18:30からの子どもの未来ミーティング2021については、市内の子育て世帯であれば誰でも参加可能です。】
対象者:小・中・高、こども園、保育園の保護者、教職員
11月9日 18:30~20:00 ゆうばり小学校パソコン室
ここでは、まちづくり、教育や子どもたちの子育て政策を話題とするほか、加えて議会側からもひとつ質問をさせていただきたいと思っています。
議員のなり手確保について、「なり手不足問題について」の意見を出していただくことです。
なり手不足とは、単に無選挙や定数が割れるということだけではないと思います。
「ロクな候補者がいない」「その世代(や性別・団体等)の声を代弁する候補者がいない」といった投票先への不満も含むものではないでしょうか。
ある意味国政でもこのなり手不足はあると言えます。
低投票率やなり手不足で困るのは現職の議員ではなく、シワ寄せがくる普通の市民です。
現職の議員は「今の状況で当選している」ため、今まで関心のない新しい人たちが投票をしたり新しい競争相手が出ると落選の確率が増える立場です。
特に、現時点で「自分たちの課題を共有できる議員がいない」という場合、不利益を受けるのはその世代やその立場にいる人たちです。
話が逸れますが、たまに、「議員がちゃんと説明しないからなり手不足なんだ~とか、議員が気に入らないから投票に行かないんだ~」と言う方を見ますが、逆です。
「今いる議員」に不満ならほかの候補者が立候補して今までにいない層が関心をもって投票に行くべきなのです。現職は、有権者の低投票率や無関心で有利になります。
そこで、子育て世代の人たちにも議員のなり手問題を自分ごととして考えてほしいところです。
これは「自分たちは議員が何をやっているかわからないから判断できない」「自分はやらないので関係がない」といったように考えることを避けてほしくはありません。避けてもいつか不利益だけがやってくる課題です。
この話題をイキナリ提供しても判断材料に乏しいことは理解しているので、なり手不足への対応の前提とするため情報を書きたいと思います。
◆まず、夕張市で専業の市議会議員をやろうと思った場合に可能かどうか。という話です。
(想定される年額)
・報酬額 250万円
・所得税 4万2200円
・住民税 9万4400円
・国民年金 20万4000円(1万7000円×12か月)
・国民健康保険 20万1600円(1万6800円×12か月)※最大65万円
ざっくりとした金額です。(世帯数やその他の条件により異なります)
他に何もしなかった場合となりますが、年にして195万7800円というところでしょうか。
交通費については車の維持等はそれぞれなので考慮しません。介護保険料は払っていない20~30代とします。
(40歳以上の場合は介護保険料約7万5000円がかかります。)
私の場合だと、ここから奨学金返済、事務所家賃、ウェブサイトの代金、家のローン、固定資産税、その他の保険あたりが固定費となります。
ほかに実際何も支出しないということは不可能なので、
研修会、出張旅費、懇親会、来賓のときの会費(招待ではないので払うものです)、冠婚葬祭費はある程度の支出があります。
◆実働時間はどうか。
これは本当に人によるので何とも言えないところです。
公式に必ず出席するのは「議会運営委員会」「行政常任委員会」「予算・決算委員会」「本会議」となります。
非公開の議員会議や懇談会、その他の会議、事業等の説明会もありますので、こちらも普通は全員出席します。
ただ、これらはスポーツ選手でいう大会や、演奏者のコンサートのようなものと言えます。普段は何もしないでこれだけ出てれば大丈夫かというと難しいでしょう。
人によりますが、日頃の活動や事前準備なしで一般質問・大綱質問や予算決算の審査ができるかというと疑問です。すごい優秀な人ならできるのかもしれませんが、私では無理なのでそれなりに議会以外にも時間がかかります。
あと来賓的なものは私は業務ではないと思っていますし、あまり出ませんが、それなりの数の招待はあります。
役職によってはかなり多いのではないでしょうか。(コロナ禍では減りました)
また、その市の議会関係以外にも所属団体の活動があることもあります。
党に所属していれば党の活動があるでしょう。例として無所属の私の場合は政策研究の団体と、日本政策学校、若手市議会議員の会、炭鉄港推進議員連盟、等です。
ただこういったものは業務の一部というより趣味的なものと思えるかどうかでしょうね。
ということを踏まえて、兼業か年金をもらっていなければ議員ができない、という現在の状況について特に子育て世代の皆様には今一度考えてもらいたいと思います。
当然ですが、「専業でできる報酬に戻すべき」というような結論である必要はありません。
例えば、
定数が割れても構わない・お金持ちに出てもらおう・もっと年金生活の人に出てもらおう・いっそ議員報酬は無しにしよう・むしろ議会廃止、そういう意見もアリでしょう。
無関心でも無関係ではいられない問題をまず自分ごととして考えてもらえれば良いのではないかと思います。
夕張市議会議員 今川和哉