こんにちは、夕張市議会議員、今川和哉です。
さて、9月に行われた決算審査の大綱質問まとめを掲載します。
テーマとしては、改選後1期目となった令和元年度の市長所信から見える事業と、前市長から継続している事業の大枠2つについて聞いたものです。
決算審査特別委員会 大綱質問 今川和哉
【今川和哉】
令和元年度の決算における大綱質問として、最初に「市長就任一年目の所信表明について、その中であげられていた事業のことをお聞きしたいと思います。
令和元年度の市長所信表明においては、本市の再生に欠かせないキーワードとして、「財政の自立」「行政の自立」「市民との協働」この3点が挙げられておりました。
所信において挙げられたこの3点を達成するために、令和元年度、実施した事業や、市長就任後に改革的に取り組まれたことについてございましたら、
その内容をお伺いいたします。
・市長答弁
ただいまご質問頂きましたが、私が昨年の第2回定例市議会において所信を述べた際、本市の再生に欠かせないキーワードとして財政の自立・行政の自立・市民との協働の3点を挙げさせて頂きました。
まず1点目の財政の自立についてでございますけれども、持続可能なまちづくりと安定した行政運営のためには、財政基盤をしっかりと再構築しなければならないと申し上げました。令和元年度の歳入確保の取り組みといたしまして、市税をはじめとした収納対策の強化でありますが、先ほど担当課長より報告があった通りでございます。
令和2年1月から国内でも新型コロナウィルス感染症の拡大を受けまして、事業者からの納付猶予申請によりまして、未収金につきましては約1,000万円増加したところでございますが、納付猶予を除くと未収額については減少したものと捉えております。また、ふるさと納税についてでございますが、返礼品の充実、それから1市4町におけます連携の取り組みをスタートさせた他、夕張へ足を運んで頂くための様々な取り組みを行った結果、令和元年度の給付額は、約3億8,000万円と過去最高額となり、前年度と比較しますと約3,700万円、約11%の増加となったところでございます。
改めてこの場をお借りしまして、ご寄附頂いた皆様へ厚くお礼申し上げますとともに、皆様のご意向に沿った効果的な活用をさせて頂きたいと存じます。
次に、歳出につきましては、常に市民にとって必要な事業への取り組みと必要な財源の確保を行い、さらに事務の効率化と予算の節減を行いながら課題の解決を図ってきた結果、実質収支約5億6,700万の黒字となったところでございます。
なお、これまでご説明いたしましたことを含め、財政再生計画の令和元年度実施状況につきましては、法に定められた通り本議会最終日に追加で報告を行う予定であることを申し添えます。
次に、2点目の行政の自立でございますが、市民生活を支える行政運営の安定的な持続のため、行政体制の確保が喫緊の課題と申し上げたところでございます。昨年度の行政執行体制についての具体的な取り組みと致しまして、昨年の夏、総務省・北海道・夕張市の3者の事務方が集まった際、本市の行政執行体制にかかる現状と課題について、情報共有と意見交換を行ったところでございます。また、地方公務員法の改正により、令和2年4月より導入された会計年度任用職員制度に向け、各課からの必要事業・業務の洗い出し、とりまとめを行いますとともに、当該制度の設計に従事したところでございまして、円滑な移行を図れたものと考えております。
さらに、人材づくり・人材育成の観点では、これまでの継続となりますが、市町村職員研修センターが主催する研修への参加を促し、地方自治法・自治体の契約事務などの諸研修に延べ20名の職員を受講させたところであり、今後管理職を含め受講斡旋を強化するとともに、新規の育成方法も検討しているところでございます。
3点目の市民との協働につきましては、少子高齢化の進展や多様化する社会的ニーズの中で、効果的に地域の再生を図っていくためには、市民の皆様と行政が一体となったまちづくりを進めていくことが重要であると考えています。
こうした観点から、令和元年度に策定いたしました第二期夕張市地方版総合戦略では、その策定過程におきまして、様々な分野の方からご助言を頂くとともに、市民アンケートやパブリックコメントを実施するなど、市民の皆様のご意見を広く聴取し、その反映に努めてきたところでございます。
最後に、地域内・地域間における助け合いの仕組みづくりについては、元年度において小規模多機能自治推進ネットワーク会議に加盟をし、情報収集を図っているほか、自主防災組織作成の働きかけを継続して実施した結果、沼ノ沢地区に自主防災組織が結成され、今後この動きを全市に広げていきたいと考えています。
さらに、今年度におきましては、この地域の助け合いを福祉分野において、どう推進していくか検討しているところでございます。
市が取り進める施策は、市民の皆様のご協力なくしては進めることができないものと考えてございます。引き続き市民の皆様のお力を頂きながら市民と行政が一体となった取り組みを進めることにより、本市の地域の再生に努めてまいります。
【今川和哉】再質問
歳入確保について寄付額が昨年度過去最高額になった理由はどのようなところにあったと分析しているでしょうか。
・市長答弁
正確なところの要因については様々な考え方があるかと思うのですけれども、とりわけ令和元年度において私どもの方として特に重点的に取り組んできた内容としては、先ほど答弁をさせて頂いた返礼品の充実として宿泊の招待プランでありますとか、地元の作家さんのTシャツ、そういったものについてもパンフレットに掲載させて頂くといったこと、あるいは1市4町における連携などの取り組みもそうでございますが、特に先ほど答弁いたしました、夕張へ足を運んでいただく・夕張を知っていただくという意味でパンフレットの作成、それからポスターの作成なども行っているところでございました。
その上で夕張のふるさと会関係、そういったところにもパンフレットにつきましては懇談会が行われる前に事前に送付をさせて頂いたり、企業周りをさせて頂くときにはふるさと納税のパンフレットも持参してお届けするといった取り組みをさせて頂いております。
そのような結果が総合したものと今のところは分析しているところでございます。
【今川和哉】再質問
行政の自立についての再質問を行います。
行政執行体制の充実について、人材育成の観点からも職員の育成を考えていくという答弁がございましたが、現状は派遣職員に頼っている部分も当市の行政執行体制では多くあると思われますけれども、財政再生団体からの脱却後を見据えた職員の採用状況やその募集の手段について、ご説明頂ければと思います。
・総務課長 答弁
財政再生団体脱却後を見据えた職員体制、その採用の考えでありますが、財政振替特例債の償還が令和8年度まで、それまでは道庁からの派遣職員を12名ということでカウントしているところでございますが、第1回定例市議会の今川議員の大綱質問で回答したとおり、こちらとしても12名をいきなり削減するというのは、なかなかドラスティックなものだと考えておりますので、段階的に派遣職員からプロパー職員への切り替えをできないかということを検討している最中でございます。
今のところ、もう検討段階でありまして、今後それが見通しがつけば北海道、国との協議に具体的に入っていくことになろうかと思います。
現段階における採用については、財政再生計画に則った職員数に基づいた採用方法を行っております。
【今川和哉】再質問
行政の自立についてもう1点、行政の自立ということを掲げておりますが、一方で副市長を置かないという前市長の方針については継承する形となっているかと思います。
この体制を続けたことについて市長の考えをお伺いします。
・市長答弁
財政再生計画の抜本見直しを経て、その後の改選期については、昨年の選挙後において副市長を置くことができるような計画になったわけでございますが、当時の私の判断といたしましては、ちょうど夕張石炭博物館模擬坑道の火災が発生しているという状況もございまして、その中にあって今後消火活動あるいは再開に向けた様々な業務にかかる経費というものも相当想定されるのではないかというところもあって、改めて副市長について置く形をとらずに、道に理事の派遣を改めてお願いしてきたところでございます。
この理事の派遣につきましては、2年間ということでございますから、来年の春ということでございますので、それ以降につきましては副市長を配置する方針で諸手続きを進めてまいりたいと考えております。
【今川和哉】
令和元年度は市長選挙のため、当初予算は財政再生計画による予算編成となったわけでございますが、計画に従い実施した事業のうち、特に4点についてお聞きいたしますが、こちらの質問については1つずつ、4点分けてご回答いただこうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
(1)拠点複合施設整備事業について
・市長答弁
拠点複合施設「りすた」は、平成28年度に市民とともに基本構想を策定し令和元年12月完成、令和2年3月に供用となったところでございます。ただし、供用開始記念式典につきましては、新型コロナウィルスの影響によりやむなく中止とさせていただいたところでございます。
この施設につきましては、まちづくりマスタープランに基づく都市拠点整備のためホール機能や公民館機能、図書館機能、子育て支援機能のほか、新たに東西に市道を通すことによりまして、南北につながる国道・道道をつなぐ交通結節点などの複合機能を備えており、都市拠点に賑わいを創出する中核施設として位置づけているところでございます。
本施設整備の事業費といたしましては、令和元年度は9億3,617万2,000円、総事業費12億3,530万円で、当初の予定どおりに無事竣工を迎えたところでございます。
今後におきましては、都市拠点の基本理念であります「笑顔とにぎわいのこだまするまち」を達成できますよう拠点複合施設検討チームにご参加を頂きました市民の方々の意見もふまえ、活用を促進してまいりたいと考えております。
(2)コンパクトシティの推進について
・市長答弁
コンパクトシティの推進に関する事業としましては、市営住宅再編事業として、宮前泉団地2棟11戸を建設し、宮前町・清陵町の市営住宅74戸の除却を行っております。また、若者・女性の居住ニーズにこたえるため、民間賃貸住宅の建設に補助金を交付し、南清水沢4丁目に1棟8戸が建設されました。さらに、住宅取得等補助金制度を実施し、新築1件、中古住宅取得8件、リフォーム4件が利用されたところでございます。
先ほど答弁させて頂きました拠点複合施設「りすた」の完成など、少しずつではございますが、都市拠点機能や居住環境の充実などコンパクトシティの実現に向けて進んでいると考えております。
【今川和哉】再質問
この部分の政策については、前鈴木市長の政策を基本的には引き継いで行っているものと理解していますが、コンパクトシティの推進に関し、厚谷市長独自の考えや変えた部分というのはあるか、お伺いいたします。
・市長答弁
令和元年度のコンパクトシティの推進に関する事業実施におきましては、前市長からの予定されているものについて実施をし、私としてそれに変更を加えたものについてはございません。
(3)昨年3月をもってJR石勝線夕張支線が廃線となり、令和元年度は当市の交通事情が大きく転換した年でもありましたが、廃線後の代替交通の事業内容および市長の評価について
・市長答弁
ご承知いただいておりますとおり、JR石勝線夕張支線の廃線にともなう代替の交通手段といたしまして、市内南北軸を結ぶ1日10往復の路線バスの運行が昨年4月1日より開始されたところでございます。
市といたしましては、この路線バスを中心とした新たな交通体系の維持及び利用者の利便性向上のため、運行事業者である夕張鉄道株式会社に対し、路線バスが代替交通になったことによってかかる運営経費などについて、北海道旅客鉄道株式会社様からの拠出金を活用した補助を行っているところでございます。
代替の路線バスにつきましては、鉄道に比べて運行本数の増加など、利便性が向上したとの声もうかがっているところでございまして、一定程度市民の皆様に受け入れられているものと認識しております。
今後とも市民の生活の足の確保のため持続可能な地域公共交通の確保・維持に努めてまいります。
【今川和哉】再質問
利便性が向上したとの利用者の声が上がっているとのことでしたが、1年を経て逆に利用者から上がった課題があるのか、それで承知しているものがございましたら、お願い致します。
・市長答弁
令和2年度に若干かかってくることなのですが、質問の内容にお答えするという意味でこちらの方からもその部分に踏み込んだ答弁をさせて頂きたいと存じます。
ただいま、1年を経過して課題はあったかということに関してですが、現在、コープさっぽろ夕張青陵店から夕張店へと移転、明日オープン予定ということでございますけれども、このことに伴いまして、清陵町地区の方々の買い物の足に関するご要望を承っているところでございます。この点につきましては、現在夕張鉄道株式会社様とも協議を行っておりまして、この点についてどのように対応していくか検討していく予定となっております。
(4)夕張高校魅力化事業について
・市長答弁
令和元年度における夕張高校の魅力化にかかる事業といたしましては、地域に根差した特色ある教育活動を支援するため、夕張高校や生徒が行う活動等にかかる経費についての補助、それから外部講師を招いての講演授業の実施、次に公設塾キセキノの運営といった種々の取り組みを行ったところでございます。
これからのまちづくりを推進していくにあたりましては、高校生をはじめとする若い世代の方の参画が大切であり、またこうした世代は夕張の未来を担っていただく重要な人材でございます。そうしたことから、引き続き本事業の基本目標でもあります、確かな学力の向上と課題と向き合う人材づくりを目指してまいるとともに、高校生にとっても夕張市にとっても未来につながるような取り組みを行ってまいりたいと考えております。