地方自治を考える選挙

解散総選挙で報道も盛り上がっている時期です。
夕張市議会でも、本日(10月4日)衆議院議員選挙の経費を計上する予算変更を可決いたしました。

私は全くの無所属なので、選挙だからどこを手伝ったりするわけではありませんが、国政の状況は当然夕張市に関わってくる部分もあるため、その動向は注目しているところです。

新党にもいまいち政策が見えない部分はありますが、日本国憲法第8章の改正について議論を進める政党が出てこないかと思っています。
地方自治の確立は地方議員としても悲願です。
新党乱立で混乱しそうな本選挙ですが、これを機会に、憲法における8章、地方自治の規定の議論が活性化すると良いなと期待しています。

◆日本国憲法第8章について◆
この部分は日本の地方自治について規定している条項ですが、92条~95条のたった4条しかありません。
詳しくは条文を見てほしいと思いますが、「地方公共団体」とされる自治体の役割や機能については、そこまで詳しく規定されていません。

その中、個人的に一番考えていただきたい条文が第94条です。

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第九十四条
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
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現在、このような憲法の規定になっています。「条例は法律の範囲内でしか制定できない」わけです。

地方議員から言わせていただくと、ほとんどの法律は都市部の常識で作られています。
例えば、業務に関する法律などで「A業種は元手1000万円以上ないとやってはいけませんよ」だとか、「B業種をやるためには車が最低10台必要ですよ」というような法律規定があるとします。
都市部ではそういった規制を行わなければ質の低い業者が参入して問題があるという考えなのでしょうが、地方の田舎だとそんなに元手や資本を用意しても割に合わず、A業種やB業種の開業をさせることができないといった事態が生じてしまうわけです。必要性があり、地方で小規模で特定の業種を開業してほしいと思っても、法律を超えることができない以上、地方議会で条例を作っても対応できません。

実際に、私が行っている宅建業では、報酬の制限についての法律があり、「売買価額の3%以上を報酬請求できない」という規定があります。
そりゃあ大都市で数千万円の不動産を仲介すれば3%でもそれなりの額なのでしょうが、地方で数十万円の不動産取引でも同じ業務を行うわけですから、田舎で不動産業が成り立たないのも、地方の空き家を不動産業者が扱いたがらないのも当然だろうなと思うこともあります。

今の憲法下では、都市部の常識で作られた法律の規定の範囲を、自治体が選挙で選んだ議員が合意して条例を作っても超えられないわけです。

当然、地方の権限が拡大すれば、地方議員の質、選ぶ住民のレベルの向上は今以上に必要となってくるでしょう。
しかし、もう自治体は金太郎飴ではダメです。今後は、地方が自分たちで独自のやり方を考えて、サービスにも多様性をもたせていく時代にならなければなりません。

例えば自治体独自の教育基準を制定して、戦後大きく変わらないこれまでの小学校や中学校ではなく、小規模の寺子屋をいくつか運営する自治体や、座学方式を止めて個別指導を中心に行う自治体が中にはあってもいいのではないかと考えます。生徒の多い都市と、定員が割れるような地方で、同じ教育制度が適用されている現状がそもそも異常です。都市部の運営方法に合わせようとするから、思考停止で簡単に統合話が出るのです。

こういったように地方が考えて制度を作って、住民もそれを選ぶことができる。お店を選ぶようにサービスで自治体を選ぶような時代になってこそ、地方議会も腕の見せ所になります。

私がこの国政の議論で最も期待しているのはこういうところです。
ともかく、まともな政策議論が進む選挙となるといいですね。

夕張市議会議員 今川和哉