夕張市議会議員今川和哉です。
しばらく続いていた緊急事態宣言が解除されまして、かなり久々に東京出張をしました。
総選挙前という微妙なタイミングでしたが、解散前に永田町でもいろいろと打ち合わせさせていただきました。
国政について私は完全に無所属、無党派、支援団体無しなので特に何の選挙を手伝うこともないのですが、
選挙も告示されたということで、市議会や国政の話に限らず日頃気を付けていることを書いてみようと思います。
(1)絶対的に正しい政策は存在しないんだろうと思う
議員として自分の政策に自信があることは悪いことではないと思いますが、絶対にこの意見が正しいという思い上がりは視野を狭くしてしまうものです。
どんな政策にもメリットとデメリットがあり、「恩恵を受ける人」「不利益を受ける人」「それほど関係がない人」が必ず出てくるはずです。
反対する立場の事情もよく理解してこそ持論も磨かれるものと思います。私は必ず反対意見の立場でも主張できる程度の知識を持つようにしています。
まるで完全に正しい方法があるかのような主張は都合よく見えてしまうものですが、そういうものほど逆に疑ってかからなければなりません。
〇〇に賛成するのは悪人だ!利権の陰謀だ!といった極端なわかりやすいレッテルは大体間違いのもとです。
・批判は楽
あらゆる政策は正解ではなく、メリットとデメリットがあると書きましたが、それゆえ与党の政策を批判するだけであれば楽なものです。
しかし重要なのは現実の世界にどう責任をとるかであり、対案を戦わせる選挙戦であってほしいと思います。
やらない場合のデメリットもそうですが、やる場合の費用と効果、あらゆるものを考えなければなりません。
・誰が言ったかではなく、何を言ったか内容が重要で、人と言論は切り離して考えるべき
多額の寄付をしている人や、ある分野で素晴らしい功績をあげた人、紛争地で活躍している人などは、人物的に優れているといって間違いないでしょうが、そういった方々が言うことが、どの分野でも正しいとは限らないですし、一方で‘何か問題がある人物‘が言うことは完全に間違っているように決めつけるのも視野を狭くすると思います。
影響力のあるYouTuberやインフルエンサーも増えてきた時代ですが、重要なのは「誰が言っていたか」ではなく、そのものの内容を理論的にしっかり自分の考えで確認することだと思います。
・政党組織やその支持母体がそのままである以上、そこから出る政治家議員個人が誰になろうと大きくは変えられないのではないか。とも思う
現状できる範囲で優秀な方を選んでいくことは当然大事なことですが、1選挙区だけでとてつもなく優秀な人が与党に1人出ても大きくかわらないでしょうし、他の党ならさらに国政の大きな流れはかえられないでしょう。
やはり議員の質は有権者のレベルの写し鏡だと思いますので、学校内民主主義や主権者教育といった根本的な教育の面、既得権益を呼び込むだけの支持団体の打破と再編というところを目指して少しは活動していきたいところです。これは今後議員をやるかにかかわらず、と思っています。
・選挙にもネットの活用を進めてほしいと思う
「選挙カーの連呼の時代は終わりました。」
と言いたいところですが、現状まだ少ない有効な選挙ツールであることは否めません。
「選挙カーでの連呼をやめてみました(過去の記事)」
という記事を以前書きましたが、「うるさいから投票をやめよう」という意見は少数であり、実際は地域に行って聞こえたほうが得票につながるのではないかと思います。
全国的に選挙カーで連呼をしないほうが有利だ!という何らかのムーブが創り出せればいいのでしょうが・・・
政党にかかわらず選挙カーを使わない候補を応援しよう!若い候補を応援しよう!世襲は落とそう!みたいな、政党に関係なく一定の属性という点で応援(や落選運動)する動きとかがネットから起きても面白いかな~と・・・
(2)各党の選挙公約を見て
現状1強の政治を打破するためには、最大野党がまともな対抗勢力である必要がありますが、ここがダメでは話になりません。現状の立憲民主党が最大野党では、自民党の覇権は揺るがないでしょう。ある意味「立憲民主党が自民党一強の最大の貢献者」となっているといえます。
個人として応援している方は多いんですけどね、野党共闘とか閣外協力だのやっているうちはまともな政権の姿が見えません。この点、連合の中でも民間労組はまともな感覚を持っているんだと思いました。
私は第三極となる維新や国民の伸びを少し期待しています。
・私は根本的に「積極財政推進で減税派」ですが、それにしても最近の各党の主張が〇〇万円給付!ばかりでどこもMMTじみてきているのではないかという気がします。
緊急時に財政出動することは必要ですが、終わりが見えていなければならないですし、平時もバラまいて問題なしかのような論調には疑問を覚えます。
MMTみたいなものと一緒にされたくないので、最近あまり反緊縮という言葉は使っていないです。
私が思う積極財政は、財政投資をそれ以上の効果で回収するという視点で見ているものです。公共事業で作ったものは残りますし、そのうえ事業費は工事業者と労働者で循環します。
教育や子ども、人口減対策への投資もそうで、必ず将来の利益になります。国全体としてみた成長が、企業でいう投資利回り的考え方でしょうか、国債を出して投資効果を上回る事業を積極的に行いましょうよ、という意味での積極財政であってほしいところです。今の各党どこでもバラマキのようなものを公約としているのは、選挙と支持率のためでしかないでしょう。貨幣は流通量だけでなく、流動性という点も重視して考えなければならないものです。
円建てではデフォルトしないから使い道問わず福祉でもバラまきでも委託費でも何でも国債発行して良い、のように単純に考えるべきものではありません。これは将来の世代に負担させることを正当化するための理屈でしかないでしょう。
・金融所得課税の議論が総裁選から活発ですが…
増税を是とする議論には市議会で出される意見書含め全て反対の立場ですが、大衆迎合的でしかないこの金融所得課税は完全に悪手です。野党も推進していますが、見直すべきです。
1.増税で得られる税金よりも投資市場の落ち込みによる「日本の企業への投資額」「年金の財源たるGPIF」へのマイナスが大きいため、日本全体として失うものが増えます。
2.お金が少ない人でもできる資産形成手段であり、政府もNISAやiDeCoを推奨してきたはず
私は不動産事業者ですが、不動産投資を行うにはそれなりの元手が必要です。新たな事業を始めるときも元手はかかりますし、時間の制約もあります。
株式や投資信託のような金融所得投資は、他の事業がある方、サラリーマンでも、身分に関係なくわずかな節約からでも、しっかりと勉強を行えば資産を作ることができるものです。
格差の是正を目的にした税制議論であるはずですが、実際には低所得者の資産形成手段を狭め、格差の固定を進めるものになりかねません。
ただ、超富裕層が資産をかなり増やしているシステムでもあるため、確かに課税を強化したい部分であることもわかります。
基礎控除額を設けるとか、NISAの枠を1000万円くらいにするだとか、損益通算の拡大をするのも考える必要があるのではないかと思うところです。
・表現の自由は重視したいという話
共産党が非実在児童表現の規制を肯定する政策を発表したということで話題になっていました。(これについては否定する内容の反論が18日出されています)
過去、東京都が同じようなタイトルの「非実在青少年」というものを持ちだし表現規制の条例案を進めたときに大きな批判をあびたことがあったと思いますが、このとき批判した立場の共産党が同じものを出してきたことに驚いたところです。元々、自民党内に表現規制派的な風潮があり、野党側や一部の議員がこれに反対するという流れが多かったはずです。これを単なる政権批判の道具とするのではなく、表現の自由は根本的な政治スタンスとして、党派問わず考えてもらいたいと思います。
表現の自由は、「自分が好きではない表現を肯定する」姿勢が絶対に必要です。
これは「同じロジックであらゆる表現が規制される可能性がある」からだと思います。
非実在児童を扱う表現は自分は好きじゃないから規制されて構わない、という問題ではなく、じゃあ「非実在暴力」や「非実在犯罪行為」を表現するのも社会に悪影響だからやめましょう、といったような理屈で、犯罪や暴力描写が存在する小説や漫画を全て規制することができるものです。好き嫌いではなく、あらゆる(非実在)表現を肯定しなければ、なし崩し的に規制ができるのが表現の自由といえるでしょう。
選挙のたびに言いますが、若い方は選挙に行った方がいいですよ。
各党の公約を見てもどこも若者向けの政策がほとんどありません。重視していないんだと思います。
選挙は誰がどこに投票したかはわかりませんが、誰が投票所に行ったかは記録されるもので、10代・20代がどのくらい投票しているかはしっかりわかります。
当選した議員の年齢を見ても20年後の責任を取る気がある方はどれだけいることやらと思います。