こんにちは、夕張市議会議員今川和哉です。
さて、私のお問い合わせのほうに、いくつか夕張市のことについてご質問が届いておりました。
夕張市についてこういった話を見かけたのですがどうなんですか?ということですが、質問と回答をこちらでフィードバックしたいと思います。
ただ、確定ではない情報については私の主観が入ることと、立場的なバイアスもあるかと思います。
SNSのデマもそうですが、ニュースや有名人、誰の発信であっても「必ず元の情報や根拠を冷静に確かめる」ことが大切です。
私の記事も、当然のように例外ではありません。
以下、お問い合わせでいただいた質問の抜粋です。
(編集済み・公開許可いただいています)
【質問1】
●夕張市が元大リアルエステートに売却した際に元大が100億投下の約束をしたことはあったのでしょうか?
また夕張リゾートが元大から譲渡された際、もともと働いていた方は全てクビにされて、従業員は全て中国人という説明を受けたということを拡散していらっしゃる方がいました。
破綻前の夕張リゾートの雇用については、引き継いでいらっしゃったのでしょうか?(民間の話なので、ご存知ないのかもしれないですが)
≪回答≫
>100億の件
この話が出てきたのは売却からしばらくしてからの新聞記事だったかと思います。
ただ、市民はこの話をそれほど本気にしてはいなかったのではないでしょうか。
>雇用の件
詳細は民間企業なのでわかりませんが、今の夕張市では従業員を探すことのほうが難しい状況です。経験のある従業員は、むしろ引き継ぎたいと思うのが当然かと思います。
【質問2】
●当時の議会の議論において、きちんと審議できなかったと思っていらっしゃるところはありますか?
夕張市は10億損失を受けた!のに雇用を急ぐあまりちゃんとした審議をしなかったのか。
果たして雇用の確保を急ぐ必要があったのかとおっしゃっている方も少ないですが、いらっしゃいます。
≪回答≫
>市議会の議決について
市議会の議決は、第三者委員会で決定した相手方に対して「売るか・否決か」ですので、今もし当時に戻ったとしても否決という判断にはならないでしょうね。否決して議論を深めたら新しい買い手が現れるわけでも、提示価額が高く変わるわけでもないためです。ただ、議会は議論の内容にかかわらず全ての議決結果に責任を負うべきものです。十分議論したから悪い結果でも良い、というわけでもなく、政治は結果責任です。結果に基づき、選挙にて有権者から判断を下されるものでしょう。
・個人的には、そもそも10億で売れるなら「2回も公募」しているうちに入札があったのでは?という疑問があります。
逆にこの部分は「安く売った」という理論を唱えている人に(なぜ高値で応募してこなかったと思いますか?と)聞いてみたいところです。
【質問3】
●鈴木前市長から現在の厚谷市長になる際、厚谷市長は鈴木市長の腹心の部下で、夕張市職員労働組合委員長というのが闇が深いとおっしゃっている投稿があります。
職員労働組合の委員長が市長になることの何が闇なんですか?(勉強不足で申し訳ありません)
≪回答≫
>答えられる部分のみ説明します。
夕張市独自の政治情勢として、自営業者や企業が多い自民党より、炭鉱労働者の組合が政治的に強かったことから、その流れが職員労働組合(自治労)や連合にも継承されているように思います。鈴木前市長は最初の選挙で自民党の対抗馬を破りましたが、その際は市職員労働組合の協力は大きかったものと思います。当然、厚谷市長の支持者後援会も自治労・組合関係が多いと思われます。
これらは旧総評系、旧民主党の支持団体ですから、鈴木氏の市長時代は本人の政治思想にかかわらず、旧民主党系の支持を受け選挙を戦ったことになります。
その後前回の知事選では自民党の推薦を受け、一見すると支持母体が反転したというところです。
余談ですが、鈴木知事は、それほど左右というか国政にイデオロギーや強い政治思想は持っていないタイプではないかと思いますね、市長時代も人脈は自民系、支持母体は民主系というところで、国政的なカラーはあまり出ていませんでした。初回の選挙における自治労の支援も、候補の中で鈴木氏が一番扱いやすかったという打算じゃないでしょうか。
メールに対しての回答は以上ですが、ほかにも論理的な回答が可能なものであれば、質問・記事への反論・提案などなどはいつでも受け付けいたします。
(こちらの問合せフォームからも送信できます)
知事憎しは別に何でも構わないのですが、そのついでで夕張市に風評被害を与えるようなデマは本当に勘弁してほしいところです。
余談ですが、元の記事が出たとき、知事選の対抗馬だった石川候補の陣営にはこの記事を拡散するよう指示があったようです。私は若手市議の(野党系の)知り合いには、記事の重要な部分にミスリードがありデマを誘発するもので、一度冷静になったほうがよい旨伝え、記事をリツイートした鉢呂参議院議員に対して批判しました。
これももう2年前ですね、ひとりでも多くの方が正確な情報を基に政治的思考を行うことができるよう願います。
今川和哉