こんにちは、夕張市議会議員今川和哉です。
3月議会の大綱質問のまとめです。「教育行政執行方針」について、5件計13点質問しています。
(タイトル)
・基礎学力底上げのためのチーム・ティーチング(TT)の実践について
・幼小連携の促進について
・小中協働の強化に向けて
・生徒指導連絡協議会について
・家庭学習をしやすい環境づくりについて
・社会教育活動の拠点となる「りすた」の運営について
・「りすた」における社会教育事業のあり方について
・プログラミング教育への準備状況について
・慣れない分野を教えることに対する教員への負担について
・企業や地域との連携について
・高校魅力化事業に対する教育委員会の関わり方について
・教育への投資等について
・小学校・中学校の魅力向上について
【今川和哉】
「確かな学力を身につける教育の推進について」3点質問いたします。
はじめに、基礎学力底上げのためのチーム・ティーチング(TT)の実践について、
チーム・ティーチングを実践する具体的な教科について伺います。
【教育長 答弁】
チームティーチングを実践する具体的な教科名についてお答えします。
小学校では算数、中学校では数学と理科を計画しております。
【今川和哉 再質問】
再:チームティーチングを実践するための指導体制と、教員の定数加配の有無についてはどのようになっているでしょうか?
【教育長 答弁】指導体制・加配の状況についてお答えします。
令和2年度の教職員人事異動に際しまして、今後のチームティーチングの実践を見据え、加配を含め定数配置を要望して参りました。
当初人事におきまして、小学校で外国語選択加配という加配が認められ、当該教諭が外国語を行いますけれども、それ以外に小学校において算数のTツーとすることで計画しております。また、中学校におきましては、指導工夫改善加配が前年度に引き続き認められたことから、チームティーチングの実践が可能になったところであります。
【今川和哉】幼小連携の促進について
新学習指導要領には「幼小連携を推進、幼稚園と家庭の連続性を配慮、預かり保育や子育て支援を推進すること」が明記されています。小学生の基礎学力向上には幼稚園からの積み重ねも影響する部分が大きいのではないかと考えますが、本市の「幼小連携についての取り組み状況」について伺います。
【教育長 答弁】幼小連携の取り組み状況に関わるご質問にお答えします。
本市における幼小連携の取り組みについてでございますが、幼稚園あるいは保育園より小学校に入学する予定となっている全園児に関する情報等について具体的な小学校との引継ぎを実施しております。
また、幼稚園及び保育園の次年度入学予定の園児を対象として、小学1年生と年3回、9月・12月・2月、ゆうばり小学校の体育館や図書室において、交流会を実施しております。
この交流会では、小学校1年生が企画をしたゲームを行ったり、お互いの発表を行う等、小学校入学予定の園児たちが、不安なく小学校に入学してもらえるよう配慮した内容となっております。
学力の向上ということに関しましても、こうした小学校につなぐ基本的な取り組みから始まり、段階を踏んで学習への取り組みを強化していくことが重要であると考えております。
【今川和哉 再質問】
再:小学校1年生と園児が交流する機会があるということでしたが、今後認定こども園の開設を予定しているかと思います。
この開設後についても、この方針は変わらない予定なのか、またこども園との新たな交流を考えているのかについて、お伺いします。
【教育長 答弁】
認定こども園が開設いたしましても、この引継ぎと小学校1年生との何らかの交流については、今後も検討して参ります。
また新たなことにつきましても、小学校と連携を取りながら検討して参りたいと考えております。
【今川和哉】小中協働の強化に向けてお聞きします。
教育行政執行方針における「小中合同学力向上プロジェクト」の実施を通して、乗入れ授業の具体的な実施方法について伺います。
【教育長 答弁】
乗り入れ授業の具体的な実施方法についてのご質問にお答えします。
今年度、道徳の授業を、小学校の先生が中学校2年生を対象に実施するという乗り入れ授業を行っております。
次年度ですが、本年度とは逆に中学校の先生が小学生を対象として、小学校で道徳の授業を行う計画をしております。
さらに今後に向けて、小学校の外国語の授業の中に、中学校の英語の先生がチームティーチング、Tツーとして入るということなどを検討して参りたいと考えております。
【今川和哉】
再:答弁においては、教員同士の交流があるということでしたが、例えば小中の生徒の間で、例えば中学生が小学生に教える機会を設けることで復習になるというメリットがあるかと考えますが、このような生徒間の交流を促進してはどうかと考えます。このような小中の生徒間の交流について、教育長の考えを伺います。
【教育長 答弁】
小学生と中学生、さらには高校生も含めた子ども同士の交流についても今後検討して参りたいと考えております。
【今川和哉】学校・家庭・地域・行政の連携強化の質問に入ります。
まず生徒指導連絡協議会についてお聞きいたします。
教育行政執行方針においては「生徒指導連絡協議会」を新たに設置するとありますが、この組織についての詳細を伺います。
【教育長 答弁】生徒指導連絡協議会の組織の詳細についてお答えします。
この3月まで、児童生徒の校外生活における生徒指導の一環として、補導連絡会という組織がありました。
この組織は、平成18年度まで市に設置してありました青少年相談センターの補導連絡協議会というものがございまして、これは財政再建の取り組みや学校統廃合などによって設置されなくなって以降、当時の協議会のメンバーや補導委員の方々がボランティアという形でこの当該センターの役割を継承し活動を実施してくれたものです。
教育委員会としては、平成19年度以降、この補導連絡会の組織の活動には加わっておらず、そのためこの継承の経緯が明確に把握できない状況のままであり、また活動の範囲や責任の所在などの不明確な部分も多く、結果的にボランティアの方々や学校側に負担がかかっている状況であります。
このような状況をふまえ、この補導連絡会は本年3月12日に開催したものを最終とし、本年度末をもって活動を終了することを確認いたします。
そこで今後、補導連絡会に代わる組織として夕張市生徒指導連絡協議会を設置し、その主幹を教育委員会事務局としようとするものであります。
中身ですけれども、教育委員会事務局教育課教育係職員や、小中学校、高等学校、高等養護学校における生徒指導担当の先生方など合同会議体として組織し、年3回、4月・7月・12月の会議を開催しながら、各学校の児童生徒の様子、行事における状況や長期休業中の心得にかかる情報交換、それには登下校時の交通安全の情報提供や指導などに取り組んでいく予定であります。
なお、これらの活動は必要に応じて広報に掲載するなど市民に周知を図ってまいりたいと考えております。
【今川和哉】家庭学習をしやすい環境づくりについてお聞きいたします。
学力向上には学校の授業だけではなく、家庭・地域との連携が不可欠であると考えますが、「家庭学習をしやすい環境づくり」についてどのような施策を実施していくのかお伺いします。
【教育長 答弁】
家庭学習をしやすい環境づくりにおける施策についてのご質問にお答えします。
学校におきましても、また家庭内におきましても、児童生徒が学習意欲を強く持つことがまず重要であると考えております。
そのために、小学校及び中学校ではそれぞれの学年に応じた家庭学習の手引きという冊子を作成して家庭に配布し、保護者の協力のもと児童生徒が家庭学習をしやすい環境づくりに努めております。
また一昨年発足いたしました学校運営委員会が主体となって、中学校の定期テスト前の部活動中止期間というものがありますけれども、この中止期間を中学生だけでなく幼稚園や小学校も一体となって家庭学習強調週間と位置付け、家庭学習により専念するよう取り組みを進めております。
なお、ICT関連機材を活用した家庭学習の推進によって、学習に興味を深めてもらえるような取り組みについても考えていきたいと思いますけれども、一方で関連機器機材を使用するにあたっての諸課題もありますので、それらを踏まえた検討が今後必要になってくるのかと考えております。
【今川和哉】続いて、社会教育の推進についての質問に移ります。
社会教育活動の拠点となる「りすた」の運営についてお聞きいたします。
3月1日より供用が開始された拠点複合施設「りすた」については、検討委員会の頃より市民が運営に関わる機関の設置を望む声があったところです。
今後、市民参画型の施設運営委員会のような市民の自主的な運営を検討する予定があるのかについて伺います。
【教育長 答弁】「りすた」の自主的な運営についてのご質問についてお答えします。
「りすた」の運営に関してですが、本施設につきましては建設構想段階より拠点複合施設検討チームを組織し、ワークショップにおいて市民の方々の様々なご意見等をお聞きしながら、施設に必要な機能の検討などを実施して参りました。基本計画はそれを活かしたものとなっております。
また本年度は、施設完成を見据え市民検討委員会も組織する中で、施設の運営管理にかかる基本的なルールについて参画された市民の皆様と確認を行い、それを基本として条例化を図ってきた経緯がございます。しかし、供用開始後の利用実績等に応じて引き続き施設の利用については検討を重ねていくことも確認されていることから、ご質問にある自主的な運営について要望等が固まっていくのであれば、市としてもサポートして参りたいと考えております。
【今川和哉】「りすた」における社会教育事業のあり方についてお聞きします。
「りすた」を活用しての社会教育事業の実施について
例えば、上士幌町では、町が出資した団体において「生涯学習かみしほろ塾」という講座を町施設で定期開催しています。
りすたでも、市民のための公開講座が行われるようになればと考えるところですが、こういった社会人向けの公開講座を行うことは考えられないか伺います。
【教育長 答弁】社会教育事業としての公開講座の開設等に係るご質問にお答えします。
個人あるいは団体等、市民の皆様が自発的に開催する公開講座につきましては、本施設の利用目的やルール等に従いまして積極的に実施していただいている、あるいは実施していただければと考えております。
社会事業としての、他の町のような色々な事業の展開にかかわる新たな公開講座については現段階では検討しておりませんが、市として従来実施しております事業に加えて、多くの市民に積極的に参加していただけるような社会教育事業の展開につきましては、今後検討して参りたいと考えております。
【今川和哉】
今後、市民がこの施設をより「自分ごと」として主体的に運営や企画を考えられる工夫ができればと思いますので、ご検討の方よろしくお願いいたします。
【今川和哉】次のプログラミング教育の必修化への対応についての質問に移ります。
プログラミング教育への準備状況についてお聞きします。
【教育長 答弁】
これまでも教える側、教員の研修に取り組んでおります。
今年度開催されましたプログラミングの公開研究会にゆうばり小学校の先生方も参加して勉強し、そのことを校内における報告会で報告を行い、全教員に還流しております。
また各学年、各教科におけるプログラミング教育の指導内容を盛り込んだ4月からの年間指導計画も完成しており、準備はほぼ万全な状況と考えております。
【今川和哉 再質問】
再:プログラミング教育で得られるものは、プログラミングのスキルというところに留まらず、論理的思考の養成であるということも言われているところです。
そこで、当市のプログラミング教育が目指すものは何か、ということをお聞きいたします。
【教育長 答弁】
当市の目指すプログラミング教育というものは、学習指導要領に従いまして教えますので、今川議員が申されました通り、プログラミング教育における、いわゆるプログラミング的思考、論理的な思考力をしっかり育み、これからの時代に必要な質・能力として大切なものだというところを、子どもたちにしっかりと教えていきたいと認識しております。
【今川和哉】
プログラミング教育という慣れない分野を教える教員の負担について、どう対応していく予定であるか、お伺いします。
【教育長 答弁】
慣れない業務に対する教員の負担についてどう対応していくかというご質問ですが、このプログラミング教育を教えるということは、職務であって負担ではないという基本性をご理解いただきたいと考えております。
確かに、新たな施策や新規事業を行うときに、既存の業務がある中でそのことを行っていかなければならないという負担感は感じるかもしれません。
しかし、これからの時代に必要な資質・能力を育む必要な教育活動というふうに捉え、指導員は指導技術を高めるべく、普段の努力を重ねております。
そのことに最大限のご理解を頂きたいと存じます。
【今川和哉】3点目。企業や地域との連携についてお伺いします。
このプログラミング教育を、ただ教室の中で知識として教えるのではなく、プログラミングが社会の中でどう活用されているかに焦点を当てた企業との連携や、実地教育を併せて行うことが必要ではないかと思いますが、この点について教育長のお考えをお聞きいたします。
【教育長 答弁】プログラミング教育について、企業との連携や実地教育についてのご質問にお答えします。
先ほども申しましたが、各教育機関におけるプログラミング教育についてはプログラミング的思考すなわち論理的な思考を育むもので、基本的に机の上で行う学習というふうに考えております。ただ、総合的な学習の時間において、プログラミングが社会でどう活用されているかに焦点を当てて企業と連携しながら行うという指導例も示されております。
本市ではゆうばり小学校での見学旅行で、2年生・3年生が工場見学を行っております。
そういった機会で夕張市内の企業で情報技術を扱っている可能性もありますので、今申し上げた企業との連携あるいは実地教育も、こういった見学旅行を活用することも視野に入れて検討して参りたいと考えております。
【今川和哉】地域人材の活用などを含めて、是非調査検討いただければと思います。
【今川和哉】次の小中高校魅力化の推進についての質問に移ります。
まず高校魅力化に関する教育委員会の関わり方についてです。
教育委員会が当市の高校魅力化にどう関わっていくのか、教育長の考えをお伺いします。
【教育長 答弁】
夕張高校の魅力化事業につきましては、市長部局において担当している事業であることをふまえ、事業そのものに直接関与していくという考えには立っておりません。
そこを基本姿勢としなければならないと考えます。
しかし、もちろん同じ教育に携わる立場として、市内にある高校と常に情報交換を通じて共有化を図っていかなければならないと考えていますし、先ほどの市長の市政執行方針の答弁にもありましたが、夕張高校の魅力化については、本市の重要な施策の一つという認識は全く同じであります。
夕張中学校の生徒の状況ですとか、高校に求めるもの、あるいは高校に期待するものを的確に伝えるとともに、高校が中学校に対して求めたいもの、あるいは夕張高校が取り組んでいる授業に関してその目的や意義について理解を深めるなど、お互いの情報をつなぎ、共有化していくことを教育委員会が担うことによって、さらに親密度を高めることが可能になってくると思います。
また、プログラミング教育の実施等夕張高校の先生方からICT活用のノウハウを吸収するなど、教職員間に一体感が生まれることでさらに進化した取り組みが可能になると考えております。
こうした環境を整備する中、小中の教職員だけでなく夕張高校の教職員も参加した小中高の合同研修や報告の場の企画をしていきたいと考えております。
【今川和哉】教育への投資等についてお聞きいたします。
教育への投資や義務教育への支援について具体的な方策についてお伺いします。
【教育長 答弁】教育への投資等に関する質問について、
教育への投資あるいは義務教育への支援、これは一言で表すと人・モノ・お金、これを可能な限り活かすことに尽きると考えております。
令和2年度の予算編成にあたりまして、校舎の大規模な改修などをのぞき、教育関係の経理については方針に基づくものをしっかりと反映いたします。
市が新学習指導要領実施をふまえICT教育のさらなる推進のためのタブレット購入がその象徴でもあると考えます。
財政再生中である本市にありまして、義務教育の質が他の自治体より劣っていることがあるならば、それは市民の希望を打ち消すことにつながります。
教育の格差は大きな地域格差につながるし、ひいては持続可能なまちづくりに多大な影響を与えることにもつながってしまいます。
従いまして、教育は単に勉強を教えるものだけでなく、様々な角度から人を育てるというものでなくてはなりません。
教育への投資は未来への投資ということになります。
必要な予算の確保はもとより、物心両面からの支援を惜しみなく子どもたちに提供していく教育を目指してまいりたいと考えております。
【今川和哉】小学校、中学校の魅力向上についてお聞きいたします。
オンライン英会話に続く当市の独自のカリキュラムについて、検討しているものはあるのか、お伺いいたします。
【教育長 答弁】
現段階では検討しているものはございませんが、教育行政執行方針の中で述べさせていただいたとおり、新年度につきましては今なすべきことに優先順位を決めて、現在しっかりやらなければならないことに重点的に取り組んでいくということを柱に据えていくことが重要と考えております。
今後におきましては、新たな視点で夕張の豊かな自然の中で、まちの魅力再発見・新発見などの夕張の良さを実感し、再認識してもらえるような、郷土愛を育む活動を小中一貫の中で9年間を通した取り組みとして行うことなどを現在考えております。
【今川和哉】本市の学校が少人数地域密着であるという利点を活かし、さらに特色のある教育を教育委員会の方でも考えていただければと思います。
なお、紙媒体としては他の議員の皆様の質問についても合わせて6月の広報誌に掲載予定です。
お読みいただきありがとうございました。
今川和哉