タイトルは、前夕張市長が話題になるたびに、ネットでたびたび引用する方が出てくる某記事についてです。
「北海道のモリカケ」だの「中国企業への便宜」だの、色々言われているニュースです。
元々は昨年の北海道知事選のときに対立候補側にいた記者が(選挙のために)書いた記事ですが、その後なぜか保守論客的な方々に人気が出てたまに話題に出ることがありました。そしてまた最近も、北海道のコロナ対応が全国ニュースで話題になるにつれ、こういった記事をそのままうのみにしてしまう市外の方が非常に増えてきた気がします。
偏り気味のネットニュースに載っているだけならまだしも、選挙用のセンセーショナルな見出しを真に受けて元ソースや議事録を全く確認しない現職議員や元議員も未だに出てきている状況がしばしばと見受けられるため、一度正確に経緯を振り返っておきたいと思います。
特に今回は全国的に北海道や知事が話題になっていること、年数がたってニュースの内容だけが拡散されていることなどから、デマの広がりが今までよりも重大であると感じました。
https://www.facebook.com/kazuyaimagawa.official/posts/849093731875186/
・平成27年 第3回定例市議会
https://www.city.yubari.lg.jp/shigikai/kaigiroku/heisei27nenkaigiroku.files/27.9.10.1.pdf
以下、議事録からそのまま引用です。
次に、今川議員の質問を許します。今川議員。
●今川和哉君(登壇)
通告に従い、質問を行います。私からは、大枠として二つの質問を行いますが、まず一つ目、観光関連施設の売却についてであります。現状、株式会社夕張リゾートが指定管理を行っている、市が所有する主要観光施設につき、平成29年3月31日で指定管理の期限切れとなることから、これら施設の今後の基本方針として、売却を進めるに当たり、せんだって具体的なスケジュールが報告されておりました。マウントレースイスキー場、そして対象宿泊施設の運営は、本市の観光政策はもとより、その働いている従業員の数からも、市の人口、経済に大きな影響を与えているものです。施設の従業員だけでなく、それに関連した観光産業で働く方もおります。付近の飲食店についても、観光客の利用が影響に大きく関与しております。さらに、市内には、その方々の家族、子供もおります。本件施設の今後の運営というものは、単に観光政策だけでなく、今後、将来の市の人口、経済までも左右する大問題でありますので、売却に当たっても長期的な運営継続ができるかどうかが重要課題であることはご承知のとおりかと思われます。そこで、まず、売却に係る条件についてをお伺いします。先日、新聞報道においてですが、売却に際しては、観光施設としての運営の継続、雇用の確保を条件とするなどと発表されておりました。売却によって運営者がかわる可能性があるということで、現在働いている従業員の皆様、観光関連産業の皆様、近隣の飲食店の皆様は、今後の変化を不安に思っておられる方も多いかと考えております。売却するにしても、雇用の継続確保ができるかどうか、それは特に重視すべき事項ではないでしょうか。そして、市民の皆様は、観光施設として長期的な運営継続を望んでいるものと思います。売ったはいいが、すぐに運営ができなくなる、施設を返される、転売される、そのようなことがないように、売却は慎重に行わなければなりません。ということで、売却に際して何らかの条件をつけることを考えているのかどうか、現段階で決まっているものがあればお伺いします。また、売却後の運営についてですが、民間へ譲渡するとはいっても、相当規模の雇用を生み出し、市の経済、観光政策に大きな影響を与えるものです。市長の執行方針についても、「マウントレースイスキー場及び附属する宿泊施設など、民間による運営が可能な収益を伴う施設については、将来にわたり本市の観光の拠点と位置づけ」と明記されておりました。譲渡後も、何らかの形で市が経営に携わっていくというような方針はございますか。市が関与できるような条件をつけるようなお考えはありますか。というのも、今現在の、いわゆる一般観光客が泊まれるスタイルで売却後も運営が継続されるとは限りません。対象や運営方針が根本から変わる可能性もあります。例えば、買い手の方針によっては、海外の資産家等を対象とした医療ツーリズムの施設となったり、富裕層向けの高級リゾートとなるかもしれません。観光施設は、市の観光の拠点と位置づけられておりますので、こうなった場合、市の観光政策自体を根本から変える必要があるかと思います。譲渡した後は、これらの運営方針も買い手に任せることになるのでしょうか。以上、売却に係る条件としてお伺いいたします。続きまして、売却先の選定についてです。まず、売却先、参入業者には、資格要件などをつけるのかどうかお聞きします。今やリゾートなどの高額収益物件は、海外の資本家に売却したほうが高値で売れることも多いのではないかと思います。しかし、単純に売却益ではなく、今後、長期的な運営継続という視点から見れば、国内の実績ある業者のほうが安心であるという考え方も当然あります。外資の参入や、特に施設運営に実績がない業者から売却に高値がつくなども考えられるかと思いますが、どのように対応する予定でしょうか。加えて、長期的な運営継続には、どのようなところが買うかが最重要であると考えます。売却に際しては、単純に価格だけではなく、買い手の実績や事業計画などを参考にするのでしょうか、お伺いいたします。続きまして、売却のメリットとデメリットについてです。これにつき、次の点についてご説明いただければと思います。まず、指定管理である場合と比べて、市や市民が受けるメリットとデメリット。売却へ至った場合の固定資産税など歳入の見込み。あわせて、最初の公募で買い手がつかなかった場合の対応について。条件の緩和や2次募集などの検討、指定管理も視野に入れるのかもあわせて伺います。そして、仮に休止となった場合、その損失の計算、考えられる市内経済への波及について、現在考えられる範囲でお聞かせいただければと思います。次が観光関連施設についての最後の質問です。委託事業者の選定について、お伺いいたします。今月には、売却に係るアドバイザリー業務を公募し、秋には契約先を決定すると、さきの行政常任委員会にて報告がありました。いわゆる売却の仲介という形になるかと思いますが、これは、業者により得意分野や実績が全く違いますので、アドバイザリー業務を行う事業者の選定も、売却先選定と並んで重要な要素であると考えます。例えば外資にも売り込むのであれば、海外に人脈のある業者、外国語対応が可能な業者は限られてくるかと思いますし、事業のスムーズな移行という面から、事業を継続したままのM&A取引が得意な業者を選定することも考えられます。最低限、国内のリゾート施設取引の実績があることは必要ではないでしょうか。そこで、委託事業者の選定プロセスについて、現在考えている委託事業者の決め方や公募における条件をお伺いいたします。また、委託料を成功報酬制として複数社へ依頼することも考えられますが、今回のアドバイザリー契約は1社に専属になるのでしょうか。以上、観光関連施設の売却についてということで質問いたします。
以下、当時の鈴木市長答弁です。
●市長鈴木直道君(登壇)
今川議員の観光関連施設の売却についてのご質問に、まずお答えをいたします。財政再生計画において、市が所有する観光関連施設については売却または指定管理制度により管理委託する。売却先または委託先が定まらない施設は、原則として休廃するというように計画上は位置づけられているところであります。また、私自身の選挙公約において、民間による運営が可能な施設の売却促進を掲げ、市政執行方針においても、資源を活用した地域活性化への挑戦の一環として触れ、売却を検討してきたところであります。そして、現在、加森観光株式会社と締結をしている主要観光施設の指定管理期間は10年間となっており、平成29年3月31日をもって期限切れを迎えることになります。今後は、財政再生計画の基本方針に基づき、マウントレースイスキー場、ホテルマウントレースイ、ホテルシューパロ、ファミリースクールひまわりの4施設については売却を基本として進めていくということをさきの行政常任委員会で明らかにしたところであります。これら4施設につきましては、市民の貴重な財産であり、地域の活性化を図り、夕張市の交流人口の増加、安定した経済基盤を構築していく上で、私は極めて重要な資源であると認識をしているところであります。さて、ご質問のございました売却条件や選定についてでございますが、現時点で売却条件等を決定しているものではなく、今後、専門家の意見を参考に売却条件を整えていきたいと考えておりますが、市といたしましては、今後も地域に根差した事業運営が継続されていくことが最も重要であると考えており、一定の事業実績がある事業者に一括購入していただくことが望ましいと考えております。また、現在、多くの市民が働いていることから、雇用の原則や投資目的での転売を防ぐといったことも売却条件としたいと現時点において考えております。売却の公募の際には、このような内容を一定程度盛り込みながら、応募者には積極的な事業提案をいただくことを期待するものであり、最終的には事業者を決定する際の選定委員会における大きな判断材料の一つになるものと考えております。次に、売却のメリットとデメリットについてのご質問でございますが、従来の指定管理から資産売却をすることにより、歳入確保が図られ、固定資産税収入も期待できます。売却条件や選定の質問でもお答えをして重なりますが、将来にわたり事業運営をされることが最も重要であると考えておりますので、仮に複数の事業提案があった場合、売却金額や事業運営の内容などを総合的に判断してまいりたいと考えております。売却への歳入見込み、あるいは休止となった場合の影響額につきましては、現段階ではお示しするということは困難でございます。市といたしましては、このような基本的な考え方に基づき、売却に向け努力をしてまいりますが、ご指摘のとおり、売却の公募を行っても、売却に至らないという可能性も否定はできません。その場合は改めて指定管理による運営を検討するということにもなりますので、そういったことを含め、早い時期に売却先を決定することができるよう、鋭意取り組みを進めてまいりたいと考えております。最後に、仲介業者の選定についてのご質問でありますが、今後、売却条件、物件調査、査定、広報、宣伝等を行っていただく業務となりますので、今回の売却物件と同程度の不動産売買の仲介に関する実績があることを資格要件の一つとして公募を行います。複数委託する考えはないのかというご質問もございましたけれども、現時点ではそういった考えはございません。報酬につきましては、アドバイザリー契約締結に基づき業務を行った後、売却先が決定し、契約締結後に宅地建物取引業法に定められた金額以内を基本として委託料を支払うということを予定しているところであります。
今川再質問
●議長厚谷司君
今川議員、再質問はございませんか。今川議員。
●今川和哉君
ご答弁ありがとうございます。売却の条件についてですが、専門家の意見を参考にしながら今後検討するということで、あと、積極的な事業提案をしていただき売却先を決めるとのご答弁がありました。これについてですが、購入の希望はあったが、それが到底継続できそうにない事業であったり、転売や事業中心の可能性が高い業者であると、先ほどおっしゃっていました選定委員会が判断した場合、希望があっても売却しないという選択もあり得るのでしょうか、お答えください。
●市長鈴木直道君
今川議員の再質問にお答えいたします。当然、ただ売れればいいという話ではございませんので、最も大切にすべきは継続性であるというふうに答弁をさせていただきましたけれども、そういった趣旨で判断することになりますので、今川議員がご指摘のとおり、内容によっては、ご希望があっても売却等をすることはできないという判断も出てくるかと思います。
●議長厚谷司君
再質問ございませんか。今川議員。
●今川和哉君
それと、アドバイザリー契約の委託事業者との契約条件についてですが、先ほどの完全成功報酬制というような形になるのでしょうか。買い手が見つからなくても委託料は発生するのでしょうか。買い手が見つからなかった場合に高額の報酬が発生するようであれば、市民の皆さんは納得されないかと思いますので、こちら、買い手が見つからなかった場合どのようになるか、お答え願います。
●議長厚谷司君
市長。
●市長鈴木直道君
再質問にお答えをいたします。基本的には売却先を見つけていただく契約となりますので、見つからなかった場合について、委託料が発生するということは想定をしていないところでございます。
◇こちらは、「売却の仲介業者の選定」を行うことについて、私が質問したときのものとなります。
→この後、売却業務を行うアドバイザリー契約の業者は公募の結果、
「三井不動産リアルティ株式会社」に決定されました。
https://www.city.yubari.lg.jp/gyoseijoho/sangyobushiness/keiyakunyusatsu/nyusatsukekka/2015/tokuteizaisan.html
→ 2016年4~6月にかけて1度目の募集が開始されました。
・平成28年第3回定例市議会 9月議会(2016年9月7日)
https://www.city.yubari.lg.jp/shigikai/kaigiroku/1.files/4.pdf
小林尚文議員一般質問にて
小林議員の質問
初めに、レースイのスキー場を含む4施設の売却についてであります。現在、加森観光が指定管理されているレースイスキー場を含む4施設でありますが、夕張市と10年の管理・運営協定を結び、今日に至っているものでありますが、平成29年3月をもって期間が終了することとなっております。売却を優先する決断をされ、これは市民の貴重な財産でもありますので、売却が決定した後につきましても本市の将来にとって、観光や経済の発展はもとより、本町地区の活性化に大きくつながるものと期待をしております。6月7日の行政常任委員会において、次年度に向けた売却についての夕張市特定財産売却基本方針が示され、今後の進み方が報告されております。募集については、4月28日から6月30日、7月上旬に1次選考、10月上旬2次選考、11月上旬に優先交渉者の決定、12月中旬に仮契約、議会議決、次年度3月末で本契約締結、売買代金の納入、引き継ぎ、4月1日に引き渡しとなっているところであります。これらのスケジュールどおりでありますと、現在、1次選考が終わっていると考えますが、想定されていることが順調に進んでいるのか、また、変更はないのか、現時点でお示しできることがあればお聞かせをいただきたいと思います。また、今後の2次選考に当たり、売却先を決定するについては、売却額も当然重要と考えておりますが、選考に当たり、金額、企画、内容等も総合的に判断してという説明もございました。企業の継続性や既存の従業員の雇用、また、地域各種団体との協調性などは重要な選考基準になると私は考えますが、市長はどのようなこと、また、どの部分を重要視されているのか考えを伺います。その中で、現在、夕張リゾートで働かれている従業員の方からも、今後の体制の引き継ぎが見えていないことから、次年度、4月以降の雇用・待遇などの不安があると聞いております。市としても、これら雇用を守る観点から、今後の選考において、1次選考においても十二分に配慮されているとは考えますが、さらにこれらを反映されていくのか確認をいたします。また、売却の基本方針には、地元企業との協調、事業の継続性等見据えてとありますが、関連している団体また企業への情報の提供や、市としての取り組みについて既に示しているものがあるのか、また、今後、示す予定があるのかお聞かせをいただきたいと思います。レースイのスキー場を始め関連施設は、指定管理以前からの利用、特にスポーツの大会などもあり、これが一日も早く継続のため重要と考えております。関係者には、まだまだ情報が伝えきれない段階にもあります。2次選考を控え、明確にできない要素も多分にあると理解はしておりますが、少しでも不安の解消や引き継がれていくべき事業への準備に支障を来さないような行政のかかわり方、取り組みがあると考えますが、考えをお聞かせください。
●市長鈴木直道君(登壇)
小林議員の夕張市特定財産についてのご質問にまずお答えをいたします。初めに、レースイスキー場を含む4施設の売却についてのご質問にお答えをいたします。現在、指定管理者において管理をいただいている4施設につきましては、指定管理期間が、先ほどご指摘ございました平成29年3月31日をもって契約期間満了となることから、施設を継続して運営いただける事業者を公募して売却することとしたところであります。それに伴い、本年4月28日から6月30日まで公募を行ったところであります。公募された企業の件数につきましては、競争制を伴う売却という観点からお答えすることはできませんが、7月13日に第4回夕張市特定財産売却選考委員会にて、各企業から第1回目となりますプレゼンテーションを受け、1次選考を行ったところであります。今後、10月上旬に実施予定の2次選考において、購入価格を含めた2回目のプレゼンテーションを受け、優先交渉権者を選定する予定であります。1次選考通過企業の皆様からは、不動産と運営は一体としてしか考えられないとの認識が提示されているということから、市といたしましては、現在の指定管理者とも協議を行い、互いに協力をしながら進めていくこととしたところであります。このことを踏まえ、2次選考における選考基準を定め、選考委員並びに1次選考通過企業に対し周知したところであります。主なものといたしましては、スキー場を含む4施設の一括売却、スキー場の継続、現指定管理者の従業員に係る雇用などスムーズな運営の移行、本件取引完了後、各事業及び関係会社の取引関係者との円滑な関係の維持が見込まれることなどでありまして、小林議員のご指摘の中には、ご質問の中にはどの部分が重要視されるのかというご質問でございましたけれども、私といたしましては、これら全て大変重要なものであるというふうに考えているところであります。売却にかかわる夕張市と現在の指定管理者、そして購入を考えている企業、全てがプラスとなるような方法にすることができれば、結果として少しでも高く財産が売却することができ、それだけ市民の皆様に還元できるものと考えておりますが、本市といたしましても小林議員のご指摘のとおり、売却価格以外についても重要であるというふうに考えております。以上のような選考基準を、そのような観点から定めたものであるというところであります。各企業による1回目のプレゼンテーションでは、地元企業との協調、事業の継続につきましても、地元企業との連携なくして事業は成り立たないと認識をしている。また、市内のほかの観光施設の連携、地域活動を積極的に行う定期的な会合の中でスキー場の将来ビジョンなどの話をし、一体感を醸成していくなどの話がありましたので、選考基準にあります現指定管理者の従業員に係る雇用の確保やスムーズな運営移行についても、あわせて2次選考時に行われる2回目となりますプレゼンテーションの中で、しっかり各企業には確認をしていきたいというふうに考えております。また、関係者や関係企業団体について、情報共有についてのご質問も合わせてあったところでございますけれども、これは適切な時期にそれぞれしっかり情報提供についてもしてまいりたいと考えております。
・平成28年第4回定例市議会 12月議会(2016年12月15日)
https://www.city.yubari.lg.jp/shigikai/kaigiroku/1.files/281215.pdf
本田靖人議員一般質問
本田議員
次に、夕張市特定財産売却公募について伺います。さきに行われた行政常任委員会において、夕張市の財産であるホテルマウントレースイ及びマウントレースイスキー場、ホテルシューパロ、そしてファミリースクールひまわりの売却公募についての報告があったところです。報告によると、当初の予定では2回にわたる選考を経て、本年11月上旬には優先交渉権者が決定するはずだったものの、結果的に、決定に至ることができなかったというものでありました。この件については、12月7日の北海道新聞朝刊でも報じられ、多くの市民、特にスキー場やホテルに勤務している市民は、今後について不安な気持ちであると思います。そこで、特定財産売却において、4月28日の公募開始から今日に至るまでの経過経緯について伺います。今回の特定財産売却はスキー場を含む複数の施設の売却とあって、本市においては初めてのケース。近隣市町村などでも余り例のない大規模で高額となる公募であることや、現在、指定管理者によって運営が継続されている施設の売却であったことなど難しさがあったものと推察いたします。結果的には、残念ながらこれまでの選考において優先交渉権者決定には至らなかったものの、約半年にわたる選考過程で何か得ることができたのか、伺います。次に、12月6日より開始されている再公募について、売却に至るまでの今後のスケジュールと、もし差し支えなければ、今日までに再公募に申し込みがあるのかどうかについて伺います。
鈴木市長の答弁
次に、夕張市特定財産売却公募についてのご質問にお答えをいたします。まず初めに、選考経過、経緯等についてでありますが、マウントレースイスキー場を含む4施設について、継続して運営いただける事業者を本年4月28日から6月30日までの間で公募を行ったところであります。7月13日に、夕張市特定財産売却選考委員会にて応募のあった企業から1回目のプレゼンテーションを受け、1次選考を行ったところまでは、本年9月の第3回定例市議会において、小林議員からのご質問に対して答弁をさせていただいたところでありますが、6社の応募があり、3社が1次選考を通過したところであります。その後の2次選考でありますが、1次選考を通過した3社のうち、1社が10月13日でございますが、また、もう1社が10月14日にそれぞれ企業から、価格の査定や投資の可能性について検討の結果、価格提示を見送った。また、投資家との調整がつかなかったなどの理由により、辞退の届け出がそれぞれありました。残った1社につきましては、選考委員会を10月18日に開催し、価格提示を含めたプロポーザルを行った結果、内容が不十分であったこともあり、選考委員会の中でも期限を切って実行計画書等の追加提出が必要との意見があったことから、市といたしましても残った1社と11月4日まで協議、調整を行ったところでありますが、結果的に、実行計画書等の提出がなされなかったことから、この時点で2次選考では優先交渉権者の選考については不調となったものであり、このたび再公募することになったところであります。市といたしましても、本田議員のご質問にもございましたが、現段階で優先交渉権者決定に至っていないということについては非常に残念に思っております。しかし、このたびの選考過程におきまして、選考自体は不調に終わったものの、購入意欲のある企業が全くないという状況ではないことをお伝えさせていただきたいと思います。
いずれにいたしましても、売却の方針そのものは変わりませんし、市としての売却に当たっての基本方針であります、これも議会とも繰り返し確認してきておりますが、スキー場の継続、地元雇用の確保、地域経済の活性化、このようなことも含め、夕張の将来を考えていただける意欲あふれる企業が応募していただけることを期待しているところであります。また、この時期に再公募を行うことによって、スキー場の実際の様子や状況をご覧いただいた上で検討いただけるということはプラスになるのではないかなというふうに思っております。次に、再公募についてでありますが、時間のない中ではありますが、募集期間を12月6日から12月27日までとし、選考を年明けの1月10日、選考委員会にて行うこととしております。その後、1月中旬には優先交渉権者の決定、仮契約の締結を考えております。また、それらが前提でございますが、1月下旬には市議会の議決をいただき、本契約締結後、3月末までに売買代金の納入及び引き継ぎを終了させ、当初予定どおり4月1日には物件の引き渡しを行うべく進めていきたいと考えております。今回の再公募に当たりましては、時間のない中ではありますが、少しでも多くの企業の皆様から応募があることを期待しているというところであります。
・平成29年第1回臨時市議会 2017年2月8日
https://www.city.yubari.lg.jp/shigikai/kaigiroku/20171110100235732.files/201702082.pdf
●理事鈴木亮一君(登壇)
議案第4号財産の処分について、提案理由をご説明申し上げます。本案は夕張市観光施設のうち平成29年3月31日に指定管理期間満了となります、マウントレースイスキー場を含む5施設を記載のとおり処分することにつきまして、夕張市財産条例第2条第1項の規定に基づき、議会の議決を得ようとするものであります。よろしくご審議の上、ご決定賜りますようお願い申し上げます。
●議長厚谷司君これより、質疑に入ります。今川議員。
●今川和哉君
市長に1点質問したいのですが、処分の相手方業者についての市長の評価というのは、どのようにお考えかよろしくお願いいたします。
●市長鈴木直道君
今川議員の質問にお答えをいたします。契約相手方に対する評価ということでございますけれども、本財産処分に関する施設については、市内でも大きな雇用の受け入れ先であることや地域経済に与える影響も大きいということ。また、施設の継続運営や雇用の確保、地元企業との協調など、事業の継続性等を見据えた施設活用に最も積極的かつ有効な手段とする事業者を売却先とする基本方針に基づきまして、夕張市特定財産売却選考委員会において、優先交渉権者として選考いただいた後、仮契約を締結し、本日の財産処分の議案を提出させていただきたいところでございまして、そのような基本方針に最もふさわしいということで、評価をしているということでございます。
●今川和哉君
続けてお聞きします。今、市長も言っていただいたように、この業者は継続運営に積極的であるというご答弁をいただきまして、私も長く営業を継続していただきたいなと思っております。そこで、契約に際して、短期の譲渡を制限する特約等を設定するご予定というのはあるのでしょうか。よろしくお願いいたします。
●市長鈴木直道君
今川議員の質問にお答えをいたします。契約上、何年間で転売を禁止するというような文言については謳っておりません。しかしながら、今回売却をしようとしております現地法人でもございます、元大夕張リゾート株式会社様からは、既に、今、申し上げた現地法人の立ち上げ、さらに地域に根差して長年にわたり営業を継続していきたいというお話。これは先ほど言った委員会の中でも、同様の趣旨のご発言をいただいているところでございます。まさに、これは市が考えていた、施設の継続、雇用の確保、地域経済の活性化に長年にわたって、図っていただけるということを期待しているところであります。
この件を話題にする場合に確認しておいていただきたいことは、
「売却公募を2016年4-6月と12月に2度行っていること」
「2回目は1回目の応札者が辞退したことにより、売却先が決まらなかったことで再度行った」ものです。
2017年3月で施設の指定管理期限が切れ運営継続ができなくなる状況で、2回目の公募を2016年の12月に行うという、施設が継続できるかギリギリの公募作業でした。
ここまでが公的な議事録があるものです。
つぎがニュースサイトなどで述べられている「噂」の部分と、それに対する私見です。
1.そもそも【安価な売却】だったのではないか?
「夕張市の不動産の価値」が正確にわかるという方はおそらくこの世に存在しません。私もこういった不動産がいくらで妥当なのかは到底わかりませんし、夕張市の場合、一軒家や土地ですら査定は困難を極めます。ましてや市が売り出す場合は鑑定か公募によるしかなく、公募の際の「アドバイザリー契約」が高く売るための最重要部分であったと考えています。この契約先は誰もが知っている大手不動産仲介業者でした。
2.もっと高額で買ってくれる業者がいた?
この話は全く聞いたことがありません。仮に担当者レベルで応札が潰されていれば大問題ですが、高額で買う気があるなら募集に出している1回目か2回目に普通に応札に参加したのではないかと思います。応札の条件は全く厳しくはなく、逆に「ペーパーカンパニーでも応札できる」と言われたほどです。
仮に、公式な募集に参加するのではなく直談判しに来たとしたら、逆に応じるべきではありません。
3.結果、転売されたではないか
転売価格については、民間事業者同士の売却価額は公開されるものではないため正確な価額はわかりません。
ただ、落札額より高くなることについては、以下の理由が考えられます。
・運営権が合わせて譲渡されること
夕張市からの売却は、「あくまで、不動産の売却」でした。施設の従業員の引継ぎや許認可・経営会社の譲渡、予約や取引先の承継といった運営についてはノータッチ(買ったあとに自分で話つけてね)という姿勢です。
これについては確かに公募価格を下げた要因となったことは間違いありません、ただ、指定管理者は第三セクターではなく完全な民間事業者であるということから、(抱き合わせで株を売るような)勝手に話を進めるわけにはいかないところです。
しかし、転売の際にはこの問題がクリアされるため、施設と運営権込みの価格で評価されただろうということは想像できます。
・施設の不動産瑕疵が明確になる
市はこの施設を10年間指定管理させており直接使っていません、「どこが古くなっているか」「どこを直す必要があるか」が全くわからない売主というわけです。
買主としては、こういった売主から瑕疵担保免責で買取りをすることは相応のリスクを覚悟する必要があるということです。
4.なぜ固定資産税を免除したか
元々ある条例の適用です。新規企業が工場を新設したような場合も2年間免除する条例となっています。ずっと免除するわけではありません。
5.転売禁止の契約について
なぜ付けなかったか?と追及していた私が言うのも変ですが、転売禁止条項は万能ではありません。売ろうと思えば抜け道はいくらでもあります。買戻特約や所有権留保のようなもっと強力な転売阻止の方法もありますが、価格や売却の成否に致命的に影響するでしょうし、指定管理期限ギリギリでそこまでこだわるのはおそらく良い手段ではなかったでしょう。
…というわけで、立場上、誰に肩入れするわけではありませんが、市外の方が不正確な情報に基づいて夕張市の件についてニュースをうのみにして、悪く話すことはあまりいい気分ではないため、一定程度当時の経過をまとめさせていただきました。
そもそも現知事は無視せず自分で説明すべきだと思いますし、手柄の部分だけで夕張市を再生させた!と言われているのも不正確な気がします。実際はマチの人口の減少は止まらず事業者の閉鎖も相次いでおり、到底まだまだ再生といえる状況ではありません。
そして、外から何も知らずに「転売で夕張市に損害を与えた!」と言っている部外者の方々、今になって、安価で売ったと叩きながら、当時は募集に出してても買ってくれなかったじゃないですか。今ニュースを見てああだこうだ言うのは勝手ですが、売れずに運営が継続できなかったときに困るのは夕張市民ですよ。
【夕張市長時代の鈴木道知事 市の利益10億円超損失 真下道議が追及】
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-08-15/2019081504_03_0.html
(こういうのとかね。)
そもそも冷静に考えて「夕張市の観光施設」という日本全国の不動産の中でもトップクラスに扱いが難しい物件を、ニュースに書かれているように
「他の公募業者や私たち議会を出し抜いて高額転売を計画して利益を受けるよう取り計らった」としたらかなりの凄腕不動産ブローカーになれるのではないでしょうか。
夕張市議会議員 今川和哉