3月に行われた第1回定例市議会において、市政執行方針に対する大綱的な質問を行いましたので、その概略を報告します。
【認定こども園に関する質問】
【交流人口施策に関する質問】
【石炭博物館に関する質問】
【地域人材、産業振興に関する質問】
【高校魅力化に関する質問】
などについて質問を行っております。
◆ 市政執行方針の「若者の定住と子育て支援」から、認定こども園に関しての質問
≪質問内容≫
利用者となる幼児が将来も減っていくと予想される中で、この度は新たに認定こども園を建設することとなるが、建設に際しては将来的な乳幼児数の推計につき計画しているのか。
≪答弁内容≫
まず、建設にあたり、市内の少子化による保育施設の利用者数の減に加え、幼稚園・保育所施設の老朽化などが課題として整理され、教育保育を一体として運営する認定子ども園の設立を喫緊の課題としたものである。平成32年度中の開設を目指し、保育協会をはじめとする関係機関と情報共有を図りながら、今後10年間の乳幼児数の推計も踏まえて基本計画策定にあたっている。
≪質問内容≫
市内には現在、他の保育施設がある。
市内の子どもが減り続ける中、この新たな認定こども園と、市内の他の保育園がいつまでも併存していけるかというと、中々厳しい状況にあるのではないか。
これら施設は将来的にどうなっていくのか。一度整理する必要があるかと思いますが、認定こども園とこれら保育園の関係についてはどのように考えているのか。
≪答弁内容≫
新たな認定子ども園と、市内の保育園の将来像については、乳幼児数の動向、施設の老朽化などの課題を整理し、各関係機関と十分な協議をしながら、安全安心な子育て環境の充実を目指していきたい。
◆ 「新たな人の流れ・交流人口の創出」についての質問
≪質問内容≫
1.交流人口施策に関して、交流人口、関わり人口の増加策としては、具体的には、どのようなものを考えているか。
2.また、市政執行方針においては「こういった関わり人口を増やす取り組みを丁寧に積み上げることで、定住・移住につながっていくと考えております」と、いうように述べられていましたが、こういった関わり人口から、定住移住につなげていくための具体策というものは考えているか。
≪答弁内容≫
1.交流人口の増加施策
観光はもちろん、スポーツ合宿や文化系合宿など幅広い合宿の受け入れをすすめていきたいと考えている。関わり人口の増加施策について、現在もたとえば、幸せの黄色いハンカチ広場プロジェクトにおいて、大学との連携により事業をすすめておりますが、こういった外からの視点の流入を促進していきたい。
2.移住・定住へのつながりについて
まず、夕張に興味をもち、夕張を訪問する、その次のステップが移住・定住ということになりますので、まずはしっかりと交流人口・関わり人口を増やす施策をすすめ、その状況により移住政策を展開していきたい。
≪質問内容≫
今後の「マウントレースイスキー場及びこれに付随する宿泊施設等」について
1.これら施設は、来月4月1日より新たな事業者によって運営がなされることとなりますが、このことにより、当市の観光客の傾向が変わることは想定しているのか。
2.今後重点的に観光施策としてアプローチしていくターゲットを変えていったり、外国語の案内看板を増やしていくなど、当市の観光施策自体から考え直す必要はないのか。
≪答弁内容≫
1.新たな事業者が運営を行うことになりますが、2月8日の売買契約終了後に行われました記者会見において売却先である元大夕張リゾート株式会社の呉代表は「集客のメインターゲットについてはインターナショナルである」との発言をしておりました。現在の指定管理者についてもインバウンドの集客には力を入れてきたところでありますが、今後は更にそれが広がるものと考えている。
2.これらを踏まえ、市の観光政策についても見直しをしていく必要性は、あるものと考えておりますし、観光は地域の主要な産業でもあることから、市と市内外の団体とも一体となって交流人口を増やす取り組みを加速させていきたい。
≪質問内容≫
合宿受け入れについて
市政執行方針においては「施設に指定管理者制度を導入し、合宿の受入れワンストップ機能を担い、プロモーション強化とあわせて、団体受入れ事業を実施し自立運営が可能となるような仕組みづくりを行います」と示されているが、この合宿の受け入れのワンストップ機能とは具体的にどのようなものを考えているのか、またどういった団体がワンストップ窓口になることを検討しているのか。
≪答弁内容≫
これまでは、合宿等により夕張を訪れる方が、会場の手配、宿泊、お弁当、市内移動の手段など、様々な手配をそれぞれの業者と連絡調整を行わなければならないという状況。
これを平成29年度より市有施設の指定管理者による運営とする予定で、この指定管理事業者により市内の関連事業者と連携し、施設の予約、宿泊、お弁当の手配、貸切バスの手配など窓口の一元化をはかることにより、利便性が向上し、体育施設や観光施設及び合宿誘致などの促進がはかられる。
≪質問内容≫
石炭博物館に関して
空知地域の炭鉱遺産活用の拠点というからには、他市町村または関連団体との連携というものは欠かせないものとなってくる。
1.当市の石炭博物館が「空知地域の炭鉱遺産活用の拠点としての役割」となるために、運営において、空知地域の他市町村との連携をどのように考えているか。
2.博物館本体の改修については、どういった点を重視するか。
≪答弁内容≫
1.石炭博物館は空知管内の旧産炭地域における産業遺産である炭鉱の記憶を後世に伝えていくためのビジターセンター的な役割を担うもの。
それらを目指すため、各市町保有の産業遺産を展示するための市町ブースの設置や、収蔵品が一覧できるデータベースの作成等につきまして、今後関係機関と協議をしながら展開をしていきたい。
2.夕張の貴重な歴史を後世に伝える拠点とするための改修について
昭和55年の開館以来施設の改修、展示の計画的更新が行われてきておらず展示内容の陳腐化が著しい状況がある。
歴史的価値のある収蔵資料、国内唯一の見学炭鉱である史跡夕張抗は関係学術団体や研究者からの評価も非常に高く、博物館がこれからも地域の歴史を伝える拠点として継続的に機能していくことが必要であるため、博物館として、これまで不足していた機能を補う新たな拠点づくりとして、夕張の町の歴史に大きな変化が生まれた社会背景やできごとをテーマにその当時の夕張に暮らす人たちの生活風景や記憶、思いなどを伝えていきたい。さらに、見る人が考えるきっかけを生み出す展示として、市民が集える憩いの場としての機能も充実させ、気楽に立ち寄れる博物館を目指す。
≪質問内容≫
市政執行方針の地域リーダーや地方創生の担い手の育成」にて述べられている「地域活性化の要となる地域の担い手」とは、どういった人材を想定しているのか、それを育てるために、どのような支援が必要と考えているのか。
≪答弁内容≫
地域のリーダーや地方創生施策を展開する人材を想定しており、そのような活動を行う方々のスキルアップや他地域との交流をうながすため、平成29年度予算案に地域人材育成事業を計上しており、市が認める地域リーダーの育成や、地方創生の担い手育成にかかる研修への参加、市の施策と連動して各種団体が主催する研修会の実施などにかかる費用の一部を助成する施策を展開していきたい。
◆ 「夕張の未来を創るプロジェクト」についての質問
≪質問内容≫
1.執行方針で述べられている「地域外との交流」とは具体的にどのようなものを想定しているか。
『意見:この中で、各種教育機関につき、「外との交流による知恵の習得や地域外との交流を促進します」と示されている点について、私としても、教育はもっと社会に出るべき、と思いますし、地域との強い連携の中で教育を行っていけるのは、学校が多く規模が大きい都市部よりも、教育と地域の関係が近い夕張市のようなまちであると私は感じておりますので、こういった考え方は是非とも、どんどん取り入れていっていただきたいと思っております。』
2.市内のスキー場等の観光施設については、先ほども言ったとおり、来月4月1日からは、新たな事業者が運営者となりますが、こういった新たな観光施設経営者や、市内各団体等の事業者との、教育行政における今後のかかわり方については、どのように行っていくのか。
≪答弁内容≫
1.地域外交流についてでありますが、現在夕張高校にて、都立八丈高校との交流や高校生ゆうばりキャンプにおいて都立高校との交流をはかっております。
また北海道大学の学生が夕張高校の生徒と一緒にまちづくりについてワークショップを開催しており、今後このような地域外との交流というものを推進していきたいと考えております。
2.市内のスキー場を活用したスキー教室など市内業者との今後の連携について
道内でも屈指のスキー場であるマウントレースイスキー場は先ほども申し上げましたが本年4月より新たな経営者による運営となる。
今後はさらに外国人利用客の増加が予想されることから、外国人対応ができるグローバルな人材育成が必要であると考えております。
学校では地域の特性を生かした教育課程の実施が求められていることからも、今後様々な方面で対応可能な人材育成のためスキー場をはじめとした地元企業との連携も図り、インターンシップを積極的に活用しながら
夕張の未来をつくるプロジェクトの一環として、夕張に誇りをもち、地域に関わることのできる人材育成環境の整備をすすめたい。
≪質問内容≫
夕張高校魅力化について
1.今までの高校魅力化事業に対する評価は
2.市政執行方針においては「北海道教育委員会とも連携を強化し、新たな取り組みを進めていきたい」と述べられておりますが、この「新たな取り組み」とはどのようなものか。
3.高校のさらなる魅力化に向けて検討している具体的事業の内容、目に見える学力の向上、高難度の大学への進学率向上に向けての取り組みは(教育長宛再質問)
≪答弁内容≫
1.各種資格取得検定や進学模擬テスト受講支援、スキー授業、進路にかかる後援ならびに高校生派遣などの実施をしてきた。
進学模擬テストなどが半額補助になったことから、受験者数及び受験回数が増加した結果、ここ10年国公立大学の複数人の合格者はなかったわけでございますが、今年度は2名合格されたという報告を受けている。
また東京都立八丈高校への派遣事業を実施したことにより、生徒ならびにPTAとのかかわりが活発化し、学校が躍動感にあふれてきたと聞いている。
2.北海道教育委員会との連携
英語教育の充実にかかる支援などについて現在協議検討しているところ。今後も児童生徒数の減少が見込まれる中、夕張高校の存続は本市にとって最重要課題の一つであると認識をしている。
夕張高校魅力化事業を継続しながら夕張高校のさらなる魅力化へ向けて取り組みを進めていきたい。
3.現在生徒の学力向上について放課後の学習支援等々、学生ボランティアを活用しながら現在進めている。
国公立だけが大学ではないと思いつつも、国公立進学率も確保するという観点から、29年度スタート時においてカリキュラムの編成をし、国公立対応の生徒に対して1人であろうが2人であろうが、学校として対応していくという機運を高めた。今後もそのような国公立も含めた大学へのカリキュラム編成というものに対しては、十分に対応してまいりたい。(教育長答弁)
夕張市議会議員 今川和哉