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日本政策学校、夕張合宿

前日までのスタートアップウィークエンド夕張に引き続き、7月17日(月)は、政治について学ぶ学校である日本政策学校の夕張合宿が開催されておりましたので、そちらの案内兼受講生として参加いたしました。

まず、夕張市議会議長である厚谷議長に夕張について講義をしていただきました。
政治の学校ですので、政治に詳しい方々が来ており、議長といえども講義の準備は中々大変だったのではないかと思います。

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私が質問を受けた際は色々正直に答えさせていただきました。
市外の方が気になるところは、市内にいると特に気にならないことだったり、そもそもの前提事情が違うことで考え方も異なったりして面白いなと思いました。
しかし共通するところも多くあったり、また、課題としては夕張のほうがずっと先をいっている場合もあり。

市外から視察に来た方に同行するとよく言われるのが、前に視察に来た東京都議会議員おときた氏のブログ記事です。
「夕張は燃えるゴミが燃やせないんでしょ?」というやつです。

詳細は、こちらの私の過去の一般質問記事を読んでいただければと思います。
第1回定例市議会ゴミ処理体制について

そりゃあ、東京都でゴミが燃やせなかったら量もすごいことになるでしょうし、埋め立て地も少なく住居と近いでしょうから、大変なことになります。
埋め立て地がそこまで住居の近くにはならず、人口が少ないためにゴミの量も少ない夕張とは前提となる事情が違うということです。
夕張の前提条件では、逆に焼却処理場を維持するコストが割に合わない、というのが実情のわけです。

また、「病院が無くなって住民が健康になって医療費が下がったんでしょ?」も良く言われます。
なるべく病院に頼らないための自助努力をする人が多いのは事実かもしれませんが、病院が無くなって市民が健康になるという論理は飛躍しすぎだと思います。

私は不動産会社をやっていますが、家を売却して市外へ出るような方の話を伺うと、「遠くの病院に通うのが負担になったので札幌へ引っ越す」というような方は多いです。
中々引っ越しがしにくい持ち家がある方でさえそうなのです。公営住宅や賃貸に住んでいる方はなおさらでしょう。
要するに、市内の病院で大病や透析を治療できないために、市内で診ることができないような事情のある方が市外へ転出するケースが増え、市内に住み続けられる人の医療費が下がってるだけという印象です。

市外から見える夕張市を知ることができるのは非常に興味深いです。
破たんした自治体!というイメージはもの凄いインパクトかもしれませんが、来てみると違う一面も見れるかもしれませんよ。

研修会に参加した新宿区議会議員の伊藤 陽平さんが早速夕張の記事をアップしていただいています。

廃墟となった遊園地も。財政破綻した夕張市のように今こそ改革を
https://itoyohei.com/?p=12363
(新宿区議会議員 伊藤 陽平 2017年7月17日 公式ブログ)

また、開催団体である日本政策学校では、夕張市への政策提言コンテストを行う予定とのことで、そちらも楽しみにしております。

若手政治家の必要性ってどうなの?

こんにちは。

今は都議選の真っ最中だったり、ある市では現職の青年市長が落選したり、私と同じ年の市議会議員が残念なことに逮捕されたりしたようです。
そして地方では議会の担い手不足が深刻化しているとの記事もよく見ます。そんな中ですが、
若手の政治家がなぜ必要と言われているのか、そもそもそんなもの必要ですか?
ということにつき、日ごろ考えていることを書きたいと思います。

一旦、話をそらしますが、私は兼業の議員で、当選前から司法書士と行政書士をやっています。
平成21年度の日本最年少合格で、大学在学時から司法書士登録をしています。業歴としては5年以上ですが、業界的には20代は若いほうです。

司法書士の仕事をやる上で年齢が若いことのメリットはありません。デメリットがたくさんあります。

お客さんは大事な書類や不動産の権利、財産の全てを任せることになるわけですから、経験不足に見えると何も良いことはありませんし、取引先と話すにしても甘く見られるだけです。
最近は落ち着いてきたのか、老けてきたのか…仕事をしているときはかなり実年齢より上に見えるようで、その方がやりやすいです。


では、議員のほうはどうでしょう。

私は北海道内で最年少の市町村議会議員ですが、それに何か意味はあるのでしょうか?
選挙で印象がいいかどうかは置いておき、有権者や市民にとって良いことがあるのでしょうか?

政治家は何より実力と人物本位、どう市政に貢献するか、市民にいい影響を与えられるかが全てです。無能な政治家は重罪人と同じです。

やはり知識経験に勝るベテランの存在が欠かせないと感じつつも、「若手の政治家がいる意味は確実にある!」と考えています。

しかし当然、単に若い政治家で良いわけではありません。
若い政治家が求められているわけではなく、若い政治家に求められているものがあるんだろうと思っています。
要するに、単に若い政治家が出て欲しいと思われているわけじゃなく、「若い政治家ならこんなことに期待できるはず!という希望をもたれている。」のではないかなと。

何を求められているんでしょうね?

私は、若手の政治家最大の利点は「数十年先の未来を自分事として考えられること」だと思っています。

そして次に、既得権益や古い常識にしばられないこと。

新しい技術や、今までとあらゆる面が変わっていく社会に適応できること。

常に学習して進歩すること。

これらには、ベテランの方にもできないことはないモノも当然ありますが、なぜ経験が少ないはずの若い政治家が議席を持つのか

その意味を常に考えて自分はどうあるべきか、行動で示していかなければならないんだと思います。

夕張市議会議員 今川和哉

(余談です)

若手だろうが何だろうが、議員が今後変わっていく新しい時代に対応していく必要性があるのは間違いありません。

ビッグデータから最適な政策を提案する「人工知能議員」みたいなものが出てくるでしょうし、ブロックチェーンのような技術は行政手続きを全て変えるでしょう。

変わる世界に対応していかなければならないのは、どの年齢の議員も同じです。

政策形成におけるリサーチ・リテラシー

日本政策学校のオンライン講義を受けているのですが、会場でグループワークをしている間の時間があいたため、以前に勉強会を行った「政策形成におけるリサーチ・リテラシーの重要性」のレポートを書こうと思います。

まず、政策ってどういう形で決めているか、みなさん想像つくでしょうか?

医療や科学の分野では、問題解決のために、科学的根拠により問題の原因究明が行われて、それに対する対策も実験が重ねられて、科学的に証明された方法により世に送り出されることと思います。
この過程がなければ、ただのオカルトになります。

政治も本来は科学的手法により政策決定が行われなければなりません。
政治家の思い込みや、たまたまの成功事例の真似をするだけではそう上手くいきません。

社会的問題があったとき、それを理論的に原因究明して、科学的手法により政策立案をしていく必要があります。
この点、今の日本はできているでしょうか?全くもって不十分です。

今までは、日本より発展している国があったので、それを参考にすることでなんとかなってきた面があります。
しかし、世界でも最先端、少子高齢化が進む国となり、日本と同じ状況を過去に解決してきたような、参考にできる国はもうありません。
日本にあった、独自の政策研究を行っていく必要性が出てきているわけです。

日本は、政府と関係がない「政策のノウハウを持っている集団」が少なく、政策を調査、研究するための資金にも乏しい状況にあります。
国の政策について日ごろから考えるのは、政治家と官僚だけ、それで当然という思っている方も多いでしょう。

しかし、例えばアメリカの場合は、政府に属さない民間の政策シンクタンクが多数あり、資金も豊富です。そこが政策研究を行い、政治家に対していくつも提言を行なっています。
野党もそういったシンクタンクを利用することで政府に対して対案を作ることができます。

寄付文化のあるアメリカは「公共財」にも違いがあります。社会でみんなのために使うためのお金です。
日本の場合、社会で使えるお金「公共財」といえばほとんど全てが税金です。税金は政府が使い道を握って、何を進めるか決めることとなります。

政策立案には当然、調査研究のためにお金がかかります。公共財が税金だけだと、この原資をにぎることになるのは、そのときの政権と官僚機構です。
野党には政策立案のための原資もなければ、対案を提言できる民間の研究機関も不足しています。
税金以外の公共財が乏しく、現政府が考えていないような政策を調査研究できるシンクタンクを維持するのは難しい現状があります。

これでは対案を戦わせることができないので、与野党は政策議論ではなく、政権争いはワイドショーのネタになりやすいようなスキャンダルや中傷合戦になる。
そんな光景ばかり見ませんか?この状況はあらゆる国民にとって不幸です。

そんな現状があるなぁと感じたところで、どう解決していくかを考えていかなければなりませんし、当然、この問題は地方も例外ではありません。
地方政治も根拠と理論に基づいて政策を考えていく必要があるのは同様です。地方の政策立案能力、資金源は国政以上に不足しています。

政治家が政策の方向性を決めて、その分野のノウハウについて蓄積のある機関や、調査研究ができる組織、色々な分野でリサーチと政策立案を専門として行える機関に対して依頼することができる。
この状況が理想ですが、特に地方にはそういう組織があるわけでもないですし、実際多数の政治家は「市民はこう言っている!」というような主張をするのがせいぜいで、問題点と解決策をまともに調査研究しようと思う人なんてごくわずかです。

どうしたらこの現状を変えられるものか、すぐに解決策が出るようなものではありませんが、私個人としては単なる思い込みの一般質問をするのではなく、調査研究と問題解決に至る根拠を大切に提言を行っていきたいと考えたところです。

道の不適切な会計処理

北海道議会、第3回定例会が開催されていますね。
平成28年9月20日(火) 本会議 代表質問
こちらの議事日程において、「道の短期貸付金に係る不適切な取り扱い等について」の代表質問がありました。

この件について書きたいと思います。
この記事は夕張市議会のことではありません。

先月22日の朝日新聞朝刊に「一夜貸し・単コロ…85自治体、会計操作2336億円」
という記事が掲載されていました。

単コロ、単年度転がしは、夕張市がかつて第三セクターの赤字を隠すために行っていた不正会計の手法と同じです。
この記事では、なんと北海道もいまだにこの会計操作を行っているとの報道がありました。

今まで、夕張市は不適切な会計操作で赤字が膨らんだ。
そんな不適切な会計を見抜けなかった議員も悪い。
そして、選挙で市長と議員を選んだ市民は落ち度があるのだから、財政再建計画では不便な生活をしてあたりまえ。

破たん後の夕張市民はそう言われ続けてきました。
北海道も夕張市に「そんなことをしていたとは知らなかった」「不正な会計だ」と厳しい措置をしてきたのではないでしょうか。

「北海道が、かつての夕張市と同じ不適切な会計処理を行っていた」とする記事が本当だとすると、非常に残念です。
これを見抜けなかった道議会議員は、破たん前の夕張市議会議員と同じなのではないでしょうか?
単にお金があるから破たんに至らないだけで、やっていることはあれだけ叩かれていた夕張市と同じです。

なぜ北海道新聞や他の道議会議員が大きく取り上げないのかわからないような大問題だと思います。夕張市の破たんから何も学習していないのでしょうか?

参考記事(朝日新聞デジタル)
朝日新聞デジタル

こちらで本会議の録画を見ることができます。
北海道議会
平成28年9月20日(火)本会議 代表質問

質問者の質問
15:35~
知事の答弁
35:00~

知事からは「その見直しに取り組んでいかなければならない」程度の答弁でしたが、私も道民として是正を切に願います。

〈補足〉
「単年度転がし」ってなに?
以下は大学のときに地方政治の講義で習った程度の知識なので、不足があれば指摘してください。

まず、A市があるとします。

A市は、市内の観光振興のために「B観光公社」を設立していました。
B観光公社は、A市が出資した会社です。

しかし、B観光公社は事業がうまくいかず、年々赤字を積み重ねていました。

B観光公社は、4月~翌年3月が会計年度です。この12か月の間の会計(会社の家計簿)をまともにつけると、稼ぎが5億に対して、支出が10億でした。
それだけではありません、今までの運転資金として、A市から100億円の借金が残っています。

毎年5億円の赤字、さらに100億円の借金、これが明るみに出たらB観光公社は廃業し、A市の市長や担当者は多大な責任を負わされるでしょう…

3月末で会計は閉じるのですが、実は4月~5月の間は「出納整理期間」といって、この間のお金の出し入れを前年度にまたがって行うことができる。
というシステムがあります。2016年4月に移動したお金を、会計上2015年度に移動したことにできるということです。

つまり、実際は3月31日に100億円の借金があったはずのB観光公社ですが、会計上は3月中に100億円をしっかり返済したことにされていました。
どこから出てきた100億円かというと、翌年度に借りたものなのです。

2016年3月にB観光公社はA市から100億円の借金があり
2016年4月に100億円を銀行から借り入れ(この借入れは2016年度の会計)
2016年4月にB観光公社からA市に100億円を、会計上3月に返したことにする。(この返済は2015年度の会計)
2016年4月にA市がB観光公社に100億円貸して、銀行に100億円を返済する。

(以下無限ループただし金額は増加する)

こんな感じでしょうか?まだわかりにくいですかね。
単なる赤字の隠蔽にすぎないですし、利息もつきますし、市民にとって全くいいことはありません。