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地方自治を考える選挙

解散総選挙で報道も盛り上がっている時期です。
夕張市議会でも、本日(10月4日)衆議院議員選挙の経費を計上する予算変更を可決いたしました。

私は全くの無所属なので、選挙だからどこを手伝ったりするわけではありませんが、国政の状況は当然夕張市に関わってくる部分もあるため、その動向は注目しているところです。

新党にもいまいち政策が見えない部分はありますが、日本国憲法第8章の改正について議論を進める政党が出てこないかと思っています。
地方自治の確立は地方議員としても悲願です。
新党乱立で混乱しそうな本選挙ですが、これを機会に、憲法における8章、地方自治の規定の議論が活性化すると良いなと期待しています。

◆日本国憲法第8章について◆
この部分は日本の地方自治について規定している条項ですが、92条~95条のたった4条しかありません。
詳しくは条文を見てほしいと思いますが、「地方公共団体」とされる自治体の役割や機能については、そこまで詳しく規定されていません。

その中、個人的に一番考えていただきたい条文が第94条です。

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第九十四条
地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
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現在、このような憲法の規定になっています。「条例は法律の範囲内でしか制定できない」わけです。

地方議員から言わせていただくと、ほとんどの法律は都市部の常識で作られています。
例えば、業務に関する法律などで「A業種は元手1000万円以上ないとやってはいけませんよ」だとか、「B業種をやるためには車が最低10台必要ですよ」というような法律規定があるとします。
都市部ではそういった規制を行わなければ質の低い業者が参入して問題があるという考えなのでしょうが、地方の田舎だとそんなに元手や資本を用意しても割に合わず、A業種やB業種の開業をさせることができないといった事態が生じてしまうわけです。必要性があり、地方で小規模で特定の業種を開業してほしいと思っても、法律を超えることができない以上、地方議会で条例を作っても対応できません。

実際に、私が行っている宅建業では、報酬の制限についての法律があり、「売買価額の3%以上を報酬請求できない」という規定があります。
そりゃあ大都市で数千万円の不動産を仲介すれば3%でもそれなりの額なのでしょうが、地方で数十万円の不動産取引でも同じ業務を行うわけですから、田舎で不動産業が成り立たないのも、地方の空き家を不動産業者が扱いたがらないのも当然だろうなと思うこともあります。

今の憲法下では、都市部の常識で作られた法律の規定の範囲を、自治体が選挙で選んだ議員が合意して条例を作っても超えられないわけです。

当然、地方の権限が拡大すれば、地方議員の質、選ぶ住民のレベルの向上は今以上に必要となってくるでしょう。
しかし、もう自治体は金太郎飴ではダメです。今後は、地方が自分たちで独自のやり方を考えて、サービスにも多様性をもたせていく時代にならなければなりません。

例えば自治体独自の教育基準を制定して、戦後大きく変わらないこれまでの小学校や中学校ではなく、小規模の寺子屋をいくつか運営する自治体や、座学方式を止めて個別指導を中心に行う自治体が中にはあってもいいのではないかと考えます。生徒の多い都市と、定員が割れるような地方で、同じ教育制度が適用されている現状がそもそも異常です。都市部の運営方法に合わせようとするから、思考停止で簡単に統合話が出るのです。

こういったように地方が考えて制度を作って、住民もそれを選ぶことができる。お店を選ぶようにサービスで自治体を選ぶような時代になってこそ、地方議会も腕の見せ所になります。

私がこの国政の議論で最も期待しているのはこういうところです。
ともかく、まともな政策議論が進む選挙となるといいですね。

夕張市議会議員 今川和哉

決算委員会大綱質問【平成28年度】

平成29年9月19日に開催された決算審査特別委員会の大綱質問答弁まとめです。
こちらは、「平成28年度の夕張市の決算」について質問するものとなります。

資源を活用した地域活性化(ズリ山とCBMについて)と、交流人口による地域活性化についてを質問しております。

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1.資源を活用した地域活性化について

①地域資源「ズリ」の活用による水洗炭事業について(市長)
高松のズリ山の活用の実施状況について、市内事業者がズリ山から採取したズリを販売する事業を展開しています。
平成27年度の事業開始当初は、原材料となるズリに含まれる粘土分が、想定を超える比率であったため、石炭とズリを分離させる作業能率が低い状態でした。
平成28年5月に粘土分を洗い流すプラントを増設したことにより、平成28年10月から、おおむね計画通りの出荷量となっているところであります。
このズリ山活用事業によりまして、現時点で新規雇用を8人創出したほか、市の収入は月約70万円となっております。

②CBM開発について(市長)
平成28年9月に清陵地区において国内初の事業化に向けた試掘を行ったところであり、予想通り石炭層からメタンガスの噴出が確認をされたところであります。
検出したガスについては、メタンの含有量が95%と、燃料としての利用に十分な濃度を有していることが調査結果からわかりました。
この試掘調査結果を踏まえ、石炭層の水抜きを行い、ガスを安定的に噴出させるための生産テストを行うこととしており、今議会に提出した関係予算を計上しているところであります。
今後CBMを活用した農業用ハウスへのエネルギー供給などのトライアル事業の実施に向け、必要なガス量の検証などを行う必要があると考えております。

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2.交流人口による地域活性化について
(市長)
炭鉱関連遺産の活用による交流人口増加施策といたしまして、炭鉱遺産や夕張の暮らし、コミュニティを実体験することにより、継続的かつ多様な交流人口を創出することを目的として、一般社団法人清水沢プロジェクトと連携をし、清水沢エコミュージアムプロジェクトを推進しているところであります。
同プロジェクトの活動拠点として宮前町の市営住宅を改修し、資料展示のほか、イベント開催や部屋の利用が可能な清水沢コミュニティーゲートで、平成28年度においては約700名に利用いただいたところであります。
市内外の方々の交流のきっかけづくりや、夕張ファンの創出などに寄与したものと考えております。
引き続き、改修中の石炭博物館を含め、様々な炭鉱遺産等を活用した交流人口の拡大に取り組んでいきたいと考えております。

(教育長)
平成28年度は、スポーツ交流創出事業として、2つの事業を実施しております。
この2つの事業は、夕張市体育協会の活動を活性化させ、市有体育施設の有効活用と合宿誘致を積極的に実施することを目的としたところでございます。
まず一つ目は、NPO法人夕張市体育協会設立準備委託事業として、夕張市体育協会のNPO法人化に向けた助成事業を行い、平成28年9月にNPO法人夕張市体育協会が誕生致しました。
なお、同法人は、平成29年度より文化スポーツセンター等の体育施設の指定管理者となってございます。
二つ目でございますが、合宿誘致の強化といたしまして、スポーツ合宿等の調査事業を実施致しました。
合宿誘致として、新規のものといたしましては、利用団体29団体、利用者数が786名、利用種目につきましては、バレーボール、サッカー、バスケットボール、バドミントン、スキーでございまして、成果は十分に出ていると考えているところでございます。

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(再質問1)
安全性について、特段の配慮が必要となることはなかったか?今後の対応策はどうか。

(市長)
法律に基づいて、CBM開発の安全確保については取り組んでいるところでございまして、連携して事業を行っております業者とも、有識者を活用した安全確保に努めています。昨年度は大きな事故等発生しておりませんので、引き続き安全に配慮した事業に努めてまいりたいと考えております。

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(再質問2)
炭鉱遺産活用について、インバウンドでの利用はどうだったか、今後外国人観光客の利用についてどのように考えているか

(市長)
先ほど利用者700名ということでお話しさせていただきましたところでございますが、外国のお客様のご利用は、1名だったというように聞いております。
ご質問にありましたとおり、インバウンドが増加していくであろうというのはご指摘の通りでございます。ただ、こちら運営しております所ともお話しをしているところでございますが、そもそも清水沢コミュニティーゲートにつきましては、4つの部屋があるんですけれども、4つについてそれぞれ目的別に作られています。
例えば寄りどころであったり、夕張の暮らしを体験しながら何等かの活動をしていく部屋だったり、アート作品・アーティストの活動拠点の部屋だったり、観光インフォメーションとしての機能であったりということでありますので、こういったアプローチで今後とも行っていきたいなという風に思っているところでございます。
今、利用実態が外国のお客様が1名利用があったという状況でございますが、今後もお部屋をどう活用いただくかという部分を維持しながら、どう考えていくかということになろうとは思いますが、現状大切にしたいのはその目的別のスペースをどう最大限活用していくかというところに力を注いでいければと思っております。

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(再質問3)
合宿誘致事業について、市内での経済効果という面から見てどうだったか。

(教育長)
先ほど申し上げましたとおり、29団体786名が全て、市内の宿泊でございます。そのほか、お弁当や飲料水等の購入を考慮いたしますと、経済効果は非常に大きいものであると認識しております。

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平成29年度夕張市議会第3回定例市議会

9月の定例市議会の一般質問についてのまとめです。

1.財政再生計画の抜本的見直し後の新規事業について
2.夕張市の創業支援事業について

について、私から質問を行っています。


財政再生計画の抜本的見直し後の新規事業について

◆新規事業の進捗状況と予算の執行状況について◆

【質問】
財政再生計画の抜本的な見直しにより、今までの財政再建の優先から、当市は地域再生との両立へ大きく踏み出しました。今後も夕張市が持続的に存立・発展していけるよう、本年度から10か年で取り組む新規事業46事業のうち、平成29年度から着手する事業が35事業ほどあります。
その新規事業が、現段階でどのくらい進んでいるのか、事業の進捗状況と予算の執行状況についてお伺いします。

【答弁】
地域再生の動きを加速化させるため、46事業のうち4分の3を占める35事業について今年度より着手すべく当初予算に計上いたしました。
事業の進捗管理におきましては各事業それぞれ1年間の作業スケジュールを年度当初に作成をし、それを取りまとめた上、管理を行っているところであり、
現在のところ未着手の事業、作業に特段の遅れを示している事業はございません。

なお、定住促進のための住宅取得、リフォーム、空き家除去支援事業、若年層女性向け低家賃整備事業、子育て支援のための妊産婦安心出産事業、新たな人の流れ・交流人口創出のための資格取得支援事業、創業支援事業、地域人材育成事業など、今年度より地域活性化のため各種助成事業を設けており、そのほとんどは、これまでに補助申請を頂いておりますが、
今後も継続して申請の受け付けを行っている事業については広報・市ホームページなど、その事業によって合った媒体によって周知に努めて参る考えであります。

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夕張市の創業支援事業について

◆「夕張市創業支援事業補助金」の申請状況について◆

【質問】
今年度から、夕張市内で新規創業される方、または事業拡大を行う市内の事業者に対して、初期投資等に最大100万円の補助を行う「夕張市 創業支援事業補助金」の募集を行っております。
こちらの申請採択状況、申請に関する相談件数と、今後の採択に至る見込み、またどのようにこの制度の周知活動を行っているかについてお伺いします。

【答弁】
この制度につきましては、本年6月からスタートしたところであります。
現在のところ新たな創業や事業の拡大について数件のお問い合わせがあり、対応したところではありますが、申請には至っていない状況であります。
周知につきましては、市のホームページや広報で制度の周知に努めているほか、商工会議所や金融機関にチラシを配布しているところであります。

◆創業に関する広報手段について◆

【質問】
私たちのように、夕張市に住んでいる者から見れば、夕張市にはこういう事業が足りない、こういうところに可能性があるのではないか、と思える部分があります。
しかし、それを市内にとどまらず全国の起業を考えている方や、課題解決の能力がある方に伝わらなければ、創業の増加にはつながりません。
チャンスとなり得るマチの課題が、課題のまま終わってしまいます。

まず、起業をしていただくためには、夕張市にはどのような資源があり、何が不足していてどういった問題があるのか、幅広く知っていただかなければならないわけです。
そのためには当然ですが、起業に関する広報、市のPRは欠かせません。
起業を考える方が夕張市で新規創業していただくために、どのような広報活動を、どのような場所で行っているかお伺いします。

【答弁】
現在は商工会議所を通じて既存の企業にチラシの配布の依頼をしているところでございます。
今後は企業訪問を行う際、個別に制度の概要を説明することとしているほか、夕張へ支援を頂いております公益社団法人北海道クラブや札幌夕張会など、多くの経営者の方々などが集まる場での広報活動といったものを行っていきたいと考えています。

◆創業相談事業、創業セミナー、インキュベーション事業の実施について◆

【質問】
(1)今の夕張市、新規創業が多いとは言えません、この状況から、受動的な支援だけでは限界があると考えますが、今後市外も含め起業家を対象としたセミナーやイベント等を行って夕張市で起業を希望する方の数を増やすための積極的な方策をとっていくことを考えていないか、ということをお聞きしたいと思います。
(2)「インキュベーション」とは創業間もない事業者に対して支援を行い育成することですが、起業の初期段階の事業者に対して、何らかの支援をしていくための事業は行えないでしょうか?
支援体制が確立され、起業のリスクが軽減されれば、せっかく創業した市内事業者の撤退を防げるかもしれませんし、夕張市での起業家の増加にもつがなることが期待できますので、そういった事業の可能性についてお伺いいたします。

【答弁】
(1)起業家を対象としたセミナーやイベントについては、市単独での開催は効果が限定的であることから、商工会議所や金融機関とも連携をし、北海道や札幌市などが広域で開催する事業を活用するなど検討してまいりたいと考えております。
(2)市内の施設利用や専門的な人材の配置は厳しいと考えておりますが、独立行政法人中小企業基盤整備機構において、インキュベーション施設の運営を行っておりまして、起業家や新事業展開を目指す方々のニーズにこたえる事業スペースを用意されているほか、専門支援スタッフとしてマネージャーについても配置されており、起業にかかる全面的なサポートが行われていることから、このような施設を紹介するなど同機構と連携を密にしながら対応していきたいと考えております。

◆創業支援事業の課題について◆

【質問】
夕張市における創業支援事業の課題についてどのように分析をされているか。市長の見解をお伺いいたします。

【答弁】
企業が進出する上で企業が望む求人と働き手のミスマッチや企業が求めている生活環境の問題など、多くの課題があると認識をしております。
一方、本市においては、財政再生計画の抜本的な見直しを行い、本年度から財政再建と地域再生の両立に向けてリスタートをし、生活環境の改善なども計画に盛り込んだところであります。
しかしこれらは、スタートしたばかりであり、これから一つ一つ丁寧に取り組み、着実に形にしていくことが重要であると考えています。
また、起業される方や進出される企業の方々については、夕張の特性をご理解いただいた上で個人や会社の方向性について多様なマッチングが必要であると考えておりまして、
少しでも長く夕張で運営頂けるという視点が私としては重要であろうと考えております。

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☆ ◇ 再 質 問 ◇ ☆

【質問】
創業に関する宣伝方法について、現在行っている市の広報やウェブサイトでの広報のみでは対象が限定的で、市外の方が知る機会が少ないのではないかと思います。
この点につき今後どのように考えますか?

【答弁】
空知地域で取り組んでいるようなセミナーの機会や、人口が集中する札幌市などでの周知ができないか、
また(イベント等で)夕張に多くの方が集まるというパターンもありますので、そういったところで例えばですけれどもブースを設けて、関心がある方に説明を対応していくとか、
そういったことをやれるところから順次やっていきたいと考えています。

【質問】
他の自治体では、自分の自治体にこういう事業を誘致したい、と明確にしている場合も見受けられます。適合する場合に支援を手厚くしていたりするわけです。
たとえば、ITに特化していたり、元々ある地場産業の高度化だったり、商店街再生として、空き店舗を活用する事業だったり、農業の六次化だったりです。
どんな事業を夕張市が必要としているのか、その課題が明確であれば、こういった特定の事業者の誘致に特化することも有効な場合があるのかなと思いますが、そういったお考えがあるかどうか、市長に伺います。

【答弁】
夕張市はある意味で言えば財政破綻をして以降、企業誘致というのをスポットで行って来ていない中で、夕張の地理的要件だとか再生団体である夕張の中で、是非企業活動としても行っていきたいという企業の思いであったり、そういうところに寄り添いながら企業進出などが促進されてきた側面があるのかなと思っています。
今現時点において、夕張で起業するにあたって、どういった可能性があるのかと考えたときに、廃校舎の活用などを積極的に図ってきたのですが、もうほとんど空き教室はありますけれども学校全体の活用という意味ではもう耐震化を満たしていないところ以外は活用されているような実情があります。また、工業団地も中小機構を離れている部分もございます。
ですから、実際起業家の方が夕張で起業したいと言ったときに実際どういった活動が可能なのかという情報をしっかりまずお伝えしていくということが我々にとって非常に重要な要素になるのだろうと思っています。
ですので、そういう意味では、まずしっかり特定の業種にある意味でエッヂを効かせてというよりは、夕張で意欲を持っているような方については、丁寧にそのご意向をお聞きした上で、どうやればその方の意向に沿えるのだろうかということを考えていく。
夕張で長く活動をしていただくためには、(起業初期からの)相談体制等も重要と考えており、入口の部分から、マンパワーの限りはありますけれども、サポートしていくのが我々のスタイルなのかなと思っています。

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9月の会期中は決算審査についても行っておりますので、こちらも別途アップしたいと思います。

日本政策学校、夕張合宿

前日までのスタートアップウィークエンド夕張に引き続き、7月17日(月)は、政治について学ぶ学校である日本政策学校の夕張合宿が開催されておりましたので、そちらの案内兼受講生として参加いたしました。

まず、夕張市議会議長である厚谷議長に夕張について講義をしていただきました。
政治の学校ですので、政治に詳しい方々が来ており、議長といえども講義の準備は中々大変だったのではないかと思います。

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私が質問を受けた際は色々正直に答えさせていただきました。
市外の方が気になるところは、市内にいると特に気にならないことだったり、そもそもの前提事情が違うことで考え方も異なったりして面白いなと思いました。
しかし共通するところも多くあったり、また、課題としては夕張のほうがずっと先をいっている場合もあり。

市外から視察に来た方に同行するとよく言われるのが、前に視察に来た東京都議会議員おときた氏のブログ記事です。
「夕張は燃えるゴミが燃やせないんでしょ?」というやつです。

詳細は、こちらの私の過去の一般質問記事を読んでいただければと思います。
第1回定例市議会ゴミ処理体制について

そりゃあ、東京都でゴミが燃やせなかったら量もすごいことになるでしょうし、埋め立て地も少なく住居と近いでしょうから、大変なことになります。
埋め立て地がそこまで住居の近くにはならず、人口が少ないためにゴミの量も少ない夕張とは前提となる事情が違うということです。
夕張の前提条件では、逆に焼却処理場を維持するコストが割に合わない、というのが実情のわけです。

また、「病院が無くなって住民が健康になって医療費が下がったんでしょ?」も良く言われます。
なるべく病院に頼らないための自助努力をする人が多いのは事実かもしれませんが、病院が無くなって市民が健康になるという論理は飛躍しすぎだと思います。

私は不動産会社をやっていますが、家を売却して市外へ出るような方の話を伺うと、「遠くの病院に通うのが負担になったので札幌へ引っ越す」というような方は多いです。
中々引っ越しがしにくい持ち家がある方でさえそうなのです。公営住宅や賃貸に住んでいる方はなおさらでしょう。
要するに、市内の病院で大病や透析を治療できないために、市内で診ることができないような事情のある方が市外へ転出するケースが増え、市内に住み続けられる人の医療費が下がってるだけという印象です。

市外から見える夕張市を知ることができるのは非常に興味深いです。
破たんした自治体!というイメージはもの凄いインパクトかもしれませんが、来てみると違う一面も見れるかもしれませんよ。

研修会に参加した新宿区議会議員の伊藤 陽平さんが早速夕張の記事をアップしていただいています。

廃墟となった遊園地も。財政破綻した夕張市のように今こそ改革を
https://itoyohei.com/?p=12363
(新宿区議会議員 伊藤 陽平 2017年7月17日 公式ブログ)

また、開催団体である日本政策学校では、夕張市への政策提言コンテストを行う予定とのことで、そちらも楽しみにしております。

夕張市での起業体験イベント

7月14日(金)から16日(日)の間に夕張市にて開催されたスタートアップウィークエンド夕張のお手伝いと最終日の審査員を行いました。
どういうイベントかはこちらへ
スタートアップウィークエンド夕張開催ページ
簡単にいうと、創業アイディアを考え、3日間で起業を体験するイベントです。

イベントと同時期に、ネットではタイムリーにこのウェブサイト記事が大きな話題となっておりました。
「現代ビジネス 夕張市破綻から10年「衝撃のその後」若者は去り、税金は上がり… 第2の破綻を避けるために」
現代ビジネス夕張記事

残念なことに、こういった悲観的な記事で話題になりがちな夕張市ですが、人が住んでいる以上当然、その市民が働く会社もあれば、普段利用する店舗も存在します。
人口の減少は、地元で頑張る企業の売り上げや、労働力の減少につながる大打撃です。夕張市が例外ではなく、日本全体としてこの問題を抱えています。

夕張市では、最近閉店した店舗・解散した会社や、働き先を求めて市外へ出ざるを得なかった若い知り合いはたくさん思い当たりますが、市内でここ数年創業した方はほとんど思い当たりません。
新たな創業はない、市内経済は低下していく一方というのが、今の夕張の現状です。
人口が減っているからこの現状は仕方がない、若者は市外に出ていく、今更夕張市で創業なんてする人はいない。そう思って諦めて何もしないんでしょうか?
夕張市の高齢化率はついに50%を超えました。人口の半分以上が65歳以上です。

これは本当に仕方がない、何もできないのでしょうか?
取引先が減り、顧客が減っていく中小企業や店舗は、危機的状況にあります。そういったお店こそ、普段市民が使っているお店です。
人口が減っても、残っている人たちの生活は変わらないと思っているとしたら幻想です。
仮に人口が半分になったら、市内のお店の売り上げは半分になるでしょう。そのとき、そのお店は半分の規模で営業を継続できるものではなく、廃業せざるを得ないのです。

このままでは会社は減っていく一方です。
新たな働く場づくり、仕事づくりで地域にイノベーションを起こしていく必要があります。

お祭りで一時的に1000人が立ち寄るより、市内で1社起業してくれたほうが間違いなく地域に与える利益は大きいわけで、イベントは費用対効果、事業効果を見極めなければなりません。

夕張市での起業、確かに難しいかもしれませんが、ここを諦めてしまっては今住んでいる人はどうなりますか?子供たちの将来の働き先は?
何とか有志で新たな起業のきっかけとなれるようなことができないか。そう考えたメンバーが集まって実行することになったのがこの企画となります。

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この企画、実を言うと何度も開催が危ぶまれました。
予算の問題、チームが作れるだけの参加者が本当に来るのか、人手が足りるのか、など。

何とか市外や東京の方、企業も含め資金面にてご協力いただき、この度無事開催することができました。なんとチームも4チーム作れるほどの人が参加していただきました。

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東京や札幌にて事前の広報イベントを行ったり、全道版の北海道新聞に記事が載りましたが、市内からの参加は1名で、札幌や東京の方が大多数でした。
市内の広報の余地はまだまだあったかなといった形ですが、市外の視点で夕張の問題点や起業アイディアを考えていただけたのは大きな成果だったと思います。

また、次の日7月17日(月)は日本政策学校の夕張合宿にも参加させていただきましたので、続いてこちらの記事も投稿いたします。

若手政治家の必要性ってどうなの?

こんにちは。

今は都議選の真っ最中だったり、ある市では現職の青年市長が落選したり、私と同じ年の市議会議員が残念なことに逮捕されたりしたようです。
そして地方では議会の担い手不足が深刻化しているとの記事もよく見ます。そんな中ですが、
若手の政治家がなぜ必要と言われているのか、そもそもそんなもの必要ですか?
ということにつき、日ごろ考えていることを書きたいと思います。

一旦、話をそらしますが、私は兼業の議員で、当選前から司法書士と行政書士をやっています。
平成21年度の日本最年少合格で、大学在学時から司法書士登録をしています。業歴としては5年以上ですが、業界的には20代は若いほうです。

司法書士の仕事をやる上で年齢が若いことのメリットはありません。デメリットがたくさんあります。

お客さんは大事な書類や不動産の権利、財産の全てを任せることになるわけですから、経験不足に見えると何も良いことはありませんし、取引先と話すにしても甘く見られるだけです。
最近は落ち着いてきたのか、老けてきたのか…仕事をしているときはかなり実年齢より上に見えるようで、その方がやりやすいです。


では、議員のほうはどうでしょう。

私は北海道内で最年少の市町村議会議員ですが、それに何か意味はあるのでしょうか?
選挙で印象がいいかどうかは置いておき、有権者や市民にとって良いことがあるのでしょうか?

政治家は何より実力と人物本位、どう市政に貢献するか、市民にいい影響を与えられるかが全てです。無能な政治家は重罪人と同じです。

やはり知識経験に勝るベテランの存在が欠かせないと感じつつも、「若手の政治家がいる意味は確実にある!」と考えています。

しかし当然、単に若い政治家で良いわけではありません。
若い政治家が求められているわけではなく、若い政治家に求められているものがあるんだろうと思っています。
要するに、単に若い政治家が出て欲しいと思われているわけじゃなく、「若い政治家ならこんなことに期待できるはず!という希望をもたれている。」のではないかなと。

何を求められているんでしょうね?

私は、若手の政治家最大の利点は「数十年先の未来を自分事として考えられること」だと思っています。

そして次に、既得権益や古い常識にしばられないこと。

新しい技術や、今までとあらゆる面が変わっていく社会に適応できること。

常に学習して進歩すること。

これらには、ベテランの方にもできないことはないモノも当然ありますが、なぜ経験が少ないはずの若い政治家が議席を持つのか

その意味を常に考えて自分はどうあるべきか、行動で示していかなければならないんだと思います。

夕張市議会議員 今川和哉

(余談です)

若手だろうが何だろうが、議員が今後変わっていく新しい時代に対応していく必要性があるのは間違いありません。

ビッグデータから最適な政策を提案する「人工知能議員」みたいなものが出てくるでしょうし、ブロックチェーンのような技術は行政手続きを全て変えるでしょう。

変わる世界に対応していかなければならないのは、どの年齢の議員も同じです。

市議会の議事録

こんにちは

夕張市議会の議事録、皆様見たことはありますか?
夕張市議会平成28年度会議録
現在、平成28年度の12月議会までの議事録がアップされています。
私の行った一般質問の議事録もあがっております。

議事録を見ることで、議員が過去にどんな質問をしていて、今どうなっているのかを振り返ることができます。

例えば、1年前の3月に行われた第1回定例市議会の議事録を振り返ってみます。
平成28年度第1回定例市議会議事録
(2日目の議事録です)

ここでは以下の質問を行っています。私の質問は38ページ以降です。
----引用----
石炭、CBMを活用した地域エネルギー事業の将来的な展望についてお聞きします。
平成27年に、既存の電力会社以外の特定規模電気事業者、PPSの電力小売が可能となったことを皮切りに、電力自由化の範囲は徐々に拡大されています。
そして、本年、ついに一般家庭用電力市場が開放されることとなり、今後、電力自由化の動きはますます加速していくことと思います。このような時代の中、全国では、地元の資源を有効に活用する検討と並行して、電力の地産地消を目指す動きが広がり、自治体が主導して電気事業に参入する動きが見られ、中には、自治体が電力会社になる自治体PPSとして事業化し、太陽光や水力、バイオマス発電を主軸に発電を行い、役場や学校、そして一般家庭に電力を供給している事例も出てきております。また、総務省では、地方創生事業として、自治体を核として実用化、地域エネルギー会社及び金融機関等、地域の総力を挙げてプロジェクトを推進し、バイオマス、風力、廃棄物等の地域資源を活用して、地域エネルギー事業を立ち上げるための分散型エネルギーインフラプロジェクトも推進しています。
(中略)
地域エネルギーによる発電事業の可能性について、ぜひ見解をお尋ねしたいと思います。

この質問に対しては、以下のような答弁がございました。

・地域エネルギーによる発電事業についてご質問ございましたが、今後の可能性調査の結果を踏まえた話であると思いますので、まずはズリ山活用の安定化と、CBMの試掘を着実に進めていくことが重要であると考えております。
・地産地消のエネルギーの中の利用方法の大きな可能性の一つとして、炭層メタンガスによる発電、とりわけ発電過程において発生した二酸化炭素についても炭層に入れる中で、1.5倍の炭層メタンガスを取り出して、大気中に二酸化炭素を排出しない形のゼロミッション発電というものを市民の皆様にも可能性があるのでご説明させていただいているところでございます。
・今川議員のご質問にもございました、CBMの先進地等で、既に利用されている発電方法でもございますし、真新しい話では、そういった意味ではないわけでございますが、夕張市のそういったCBMが安定的に産出できる状況というものが確認できれば、そういった事業に着手をしたいという意欲を持った事業所も参入してくる可能性があるというふうに思っておりますので、私としてもそういった発電事業の可能性というものに期待をしているところであります。

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北ガスと夕張市、省エネ推進で協定
そして、上記のニュースにあるように、過去の議会で出てきたものが、一年後には動き出しているようなものもあるわけです。

また、この議会ではそれに続く質問において、以下の質問も行いました。
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夕張で戸建ての新築を建てるという選択をする方は、私が知る限りで、大変少ないのではないかと感じており、今後、ここに焦点を当てていく必要性もあるのではないでしょうか。
新たに家を建てる可能性が高いのは、家族の多い子育て世帯です。家が建つことで、市は固定資産税として、数十年間の税金の収入を得ることもでき、財政面でも、ここに投資する意義は大変大きいものです。
さらに、家を持っている方は、将来にわたって長い間住み続けてくれる場合がほとんどであるため、全国を見ても、安定的な定住者の確保のため、市町村内で住居が新築しやすいよう、手厚い支援策を設けている自治体が多いです。その政策ごとの有効性は検討しなければなりませんが、自宅の建築を条件として、低額で市の分譲地を売却したり、新築した際に費用の助成や、市内で使える商品券での建築費還元を行ったり、市内建築事業者での施工の場合に、これを増額するなどの支援を行う自治体も増えてきました。このように、新築を建設しようとする移住者、定住者向けの宅地分譲などの支援策といったものについて検討されているか、お伺いします。
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この質問に対しては、以下のような答弁がございました。

「市営住宅に依存しない選択肢のある住環境づくりを目指すこととし、平成22年に実施した地域住宅のあり方検討委員会からの答申を踏まえ、分譲地価格の見直し、民間賃貸住宅の建設促進、中古住宅の情報発信
等にこれまで取り組んできたところです。今後、さらなる住環境の充実を進める上で、老朽化住宅問題や中古住宅流動化支援策、戸建て住宅建設支援等、個別の取り組みではなく、子育て政策や地域振興施策、コンパクトシティの推進とも連動するなど、事業効果の高い取り組みが必要であると考えており、他市町村の取り組みも参考に、検討してまいりたいと考えております。」

この後、1年3か月が経ちまして、6月からは「夕張市新築住宅取得費補助金」などの制度が創設されました。
住宅取得等補助金について
ニュース:夕張移住に最大250万円 市が住宅購入助成、子育て世帯対象

再生団体という厳しい条件の中、こういった新たな制度を考えて、苦労と工夫を重ねて予算の確保をしていただいているであろう行政の皆様には大変ありがたく思っています。
実際にこの制度を使って今後市内に新築物件を建てる方がいれば、かなり意義深い制度といえるのではないかと思いますし、そしてさらに建てるのが子育て世帯であれば大成功でしょう。

答弁いただいたあと、行政職員の皆様が迅速に実行いただくことで、1年ほどで成果が出てくることもあります。
過去にこういう議題は出てきているのか?それにどう市長が答えているのか?
昔答弁したこの事例について、今どう動いているのか。

そういうことを考えながら、新しいニュースと照らし合わせて、昔の議事録を見てみると面白いかもしれません。

夕張市議会議員 今川和哉

政策形成におけるリサーチ・リテラシー

日本政策学校のオンライン講義を受けているのですが、会場でグループワークをしている間の時間があいたため、以前に勉強会を行った「政策形成におけるリサーチ・リテラシーの重要性」のレポートを書こうと思います。

まず、政策ってどういう形で決めているか、みなさん想像つくでしょうか?

医療や科学の分野では、問題解決のために、科学的根拠により問題の原因究明が行われて、それに対する対策も実験が重ねられて、科学的に証明された方法により世に送り出されることと思います。
この過程がなければ、ただのオカルトになります。

政治も本来は科学的手法により政策決定が行われなければなりません。
政治家の思い込みや、たまたまの成功事例の真似をするだけではそう上手くいきません。

社会的問題があったとき、それを理論的に原因究明して、科学的手法により政策立案をしていく必要があります。
この点、今の日本はできているでしょうか?全くもって不十分です。

今までは、日本より発展している国があったので、それを参考にすることでなんとかなってきた面があります。
しかし、世界でも最先端、少子高齢化が進む国となり、日本と同じ状況を過去に解決してきたような、参考にできる国はもうありません。
日本にあった、独自の政策研究を行っていく必要性が出てきているわけです。

日本は、政府と関係がない「政策のノウハウを持っている集団」が少なく、政策を調査、研究するための資金にも乏しい状況にあります。
国の政策について日ごろから考えるのは、政治家と官僚だけ、それで当然という思っている方も多いでしょう。

しかし、例えばアメリカの場合は、政府に属さない民間の政策シンクタンクが多数あり、資金も豊富です。そこが政策研究を行い、政治家に対していくつも提言を行なっています。
野党もそういったシンクタンクを利用することで政府に対して対案を作ることができます。

寄付文化のあるアメリカは「公共財」にも違いがあります。社会でみんなのために使うためのお金です。
日本の場合、社会で使えるお金「公共財」といえばほとんど全てが税金です。税金は政府が使い道を握って、何を進めるか決めることとなります。

政策立案には当然、調査研究のためにお金がかかります。公共財が税金だけだと、この原資をにぎることになるのは、そのときの政権と官僚機構です。
野党には政策立案のための原資もなければ、対案を提言できる民間の研究機関も不足しています。
税金以外の公共財が乏しく、現政府が考えていないような政策を調査研究できるシンクタンクを維持するのは難しい現状があります。

これでは対案を戦わせることができないので、与野党は政策議論ではなく、政権争いはワイドショーのネタになりやすいようなスキャンダルや中傷合戦になる。
そんな光景ばかり見ませんか?この状況はあらゆる国民にとって不幸です。

そんな現状があるなぁと感じたところで、どう解決していくかを考えていかなければなりませんし、当然、この問題は地方も例外ではありません。
地方政治も根拠と理論に基づいて政策を考えていく必要があるのは同様です。地方の政策立案能力、資金源は国政以上に不足しています。

政治家が政策の方向性を決めて、その分野のノウハウについて蓄積のある機関や、調査研究ができる組織、色々な分野でリサーチと政策立案を専門として行える機関に対して依頼することができる。
この状況が理想ですが、特に地方にはそういう組織があるわけでもないですし、実際多数の政治家は「市民はこう言っている!」というような主張をするのがせいぜいで、問題点と解決策をまともに調査研究しようと思う人なんてごくわずかです。

どうしたらこの現状を変えられるものか、すぐに解決策が出るようなものではありませんが、私個人としては単なる思い込みの一般質問をするのではなく、調査研究と問題解決に至る根拠を大切に提言を行っていきたいと考えたところです。

行政常任委員会視察(2017年5月11日~12日)

夕張市議会にて、5月11日と12日にかけて、道南方面へ視察がありました。

本研修会は夕張市が財政再建団体となってから初の宿泊予算を伴う議会行事となります。
今までも車以外の支出が発生しない日帰りの視察はありましたが、予算が付く宿泊を伴う議会視察はありませんでした。
個々の政務活動費は現在もありませんが、今回初めて、夕張市議会としての視察が予算化されたものです。交通費については、事務局職員の方達に市の車を運転していただき乗り合わせ、道南函館方面を視察しました。

【そもそも視察っているの?何しているの?という話】

平成32年度に供用開始が予定されている拠点複合施設について、去年から検討委員会等により計画が練られており、今年度からは具体的に設計に入ることとなります。
今回の目的は、その建設に向けて、すでに活用されている他市町の施設について、良い点改善点など様々な面で参考にさせていただこうというものです。

それで、議員が視察へ行く意味は?という点ですが、議会は予算の議決権を持っている組織となります。
市担当者の「こういった施設を建てるために、いくら税金を使うことになるので、この部分に予算をつけたいんだけど」という提案に対して、「それでいいよ」「これはダメだよ」と言える決定権を持っているのです。

そういった決定権を持っている議会の議員が≪他の施設を見たりもせず、自分の思い込みと行政側の言い分だけで判断して議決する≫状況だと問題です。
その面では、こういった公式の事業で議員が全員参加し、他の施設の運用や担当者の実際の説明を聞くことができて良かったのではないかと感じています。

経費としては議員1名につき1万円程度の宿泊費予算(年1回)ですが、この視察に関する予算化には議会事務局、財務担当者が相当苦労したということです。
こういった事情もあり、当然税金を無駄にはできないという思いが全員にあります。視察は予定時間が足りなくなるくらい質問が出ていました。
視察予算がつくことのありがたみを忘れずに行きたいと思います。

余談ですが、例えば東京都議会は1名ごと月60万円、札幌市議会は会派に1名ごと月40万円の活動費があるようです。
このレベルの額だと、調査や政策立案についてシンクタンクのような外部の専門機関に委託するといった視察にとどまらない使い方もできるのでしょう。
是非皆様も自治体の議会議員の活動費の金額、使い方を調べてみてはいかがでしょうか?

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【北斗市総合文化センター かなでーる】
コンサートや展示会、図書館や公民館の機能を備えた北斗市の複合施設です。
資料の情報だけでは、当時の建設相場が違うにしても面積にしては建物施工の坪単価がずいぶん高くなっている印象を受けていましたが、中のホールの造りを見て納得できました。
ホールに相当のこだわりを持って施工したのかなと思います。大ホール小ホールがあり、建物施工額の半分以上はホールにかかっているのではないかと。

こういった既に長く使われてきている施設を見る点は、実際にどのように運営されているのか、使っている市民の反応はどうか、使い勝手はどうか、メンテナンスにかかるコストなど。
あと特に聞きたいのは、作る際にもっと気を付けておきたかった点や、良かった点です。

コストについては、やはりホールの音響などの設備交換が大きな金額となったという話です。
交換にかかるコストや、その財源を将来的に捻出することも想定しつつ作らなければなりません。
こちらランニングコストも年間7000万円ほどはかかるということで、当市で計画する予定の施設はここまで大きくないにしろ、建設費だけにとどまらない費用を考えて議決しなければなりません。

文化面にこだわっているようで、「ここまで必要なのか?」と思われるくらい良い音楽設備を導入していました。
それが功を奏して、市外の団体にも使ってもらえたり、地域の文化団体を育てることができて良かった。と話していました。

「半端に必要最低限の物を作るより、これだけは負けないものがあると良いのではないか。」というアドバイスが印象に残りました。

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大ホールです。
当然、この規模のものは大きなコストがかかっているようでした。
ランニングコストや、使用する団体の規模を考えながら費用対効果を考えて設計していかなければなりません。

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【キラリス函館】
函館駅前にできた新しいランドマーク施設です。

1~2階は商業施設なのですが、3階は科学館のような施設、4階は子育て施設機能を備えており、そちらを案内していただきました。

写真 2017-05-11 17 06 10

建物とメディアコンテンツが一体になっている面は参考にすべきでした。
まず「建物ありき、そこで何を提供するかはできてから」では良くありません。
ここでは例えば、単に廊下があるだけではなく、廊下に映像が投影され、その上を歩くような設備があったり、映像コンテンツを通して3階と4階が天井と床でつながるような造りも面白さがありました。

あまり費用の大きなものはできなくとも「作られたあとどう遊んで使い楽しんでもらうか」を建物建設の段階から企画していく発想は必要でしょう。
民間では当然のようですが、建物の予算が先行する行政では見落としがちです。

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【函館 蔦屋書店】
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お手本としては非常にハードルが高い施設ではありましたが、「民間資本による最先端の施設」を見ることができました。
単なる本屋ではなく、住民のための空間を提供し、地域活性化を担えるような施設です。

利用者が集まれる場所など、空間の造り方はやはり民間事業者が考えつくして作ったものですね。
オープンスペースも数週替わりで常に活用されているとのことで、にぎわいがありました。

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【おわりに】
視察で私がなるべく見るようにしている点について
「これはうらやましいな」と思うところを見るだけでは、あまり意味がないことが多いです。
真似するにも二番煎じになったり、予算がかかりすぎたりするためです。また、成功しているように見せることは簡単にできるからです。
むしろ、これは失敗だなと思う部分を探して見たり、金額などの数字的な部分を見ると非常に参考になると思っています。

昨年度、複合施設の検討委員会で、木や自然の素材を活用してほしいという意見が多く出されておりました。
今回見た施設にはそういったコンセプトの部分はなく、近代的・機能的な素材感の場所でした。

この前打ち合わせで使わせてもらった東京ガーデンテラスのヤフーロッジがまさに「木」というスペースで、今のところ、私のイメージに近いアトリウムデザインはこんな感じです。
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皆さんはどんなものをイメージしていますか?

平成29年3月議会報告

3月に行われた第1回定例市議会において、市政執行方針に対する大綱的な質問を行いましたので、その概略を報告します。

【認定こども園に関する質問】
【交流人口施策に関する質問】
【石炭博物館に関する質問】
【地域人材、産業振興に関する質問】
【高校魅力化に関する質問】
などについて質問を行っております。

◆ 市政執行方針の「若者の定住と子育て支援」から、認定こども園に関しての質問

≪質問内容≫
利用者となる幼児が将来も減っていくと予想される中で、この度は新たに認定こども園を建設することとなるが、建設に際しては将来的な乳幼児数の推計につき計画しているのか。

≪答弁内容≫
まず、建設にあたり、市内の少子化による保育施設の利用者数の減に加え、幼稚園・保育所施設の老朽化などが課題として整理され、教育保育を一体として運営する認定子ども園の設立を喫緊の課題としたものである。平成32年度中の開設を目指し、保育協会をはじめとする関係機関と情報共有を図りながら、今後10年間の乳幼児数の推計も踏まえて基本計画策定にあたっている。

≪質問内容≫
市内には現在、他の保育施設がある。
市内の子どもが減り続ける中、この新たな認定こども園と、市内の他の保育園がいつまでも併存していけるかというと、中々厳しい状況にあるのではないか。
これら施設は将来的にどうなっていくのか。一度整理する必要があるかと思いますが、認定こども園とこれら保育園の関係についてはどのように考えているのか。

≪答弁内容≫
新たな認定子ども園と、市内の保育園の将来像については、乳幼児数の動向、施設の老朽化などの課題を整理し、各関係機関と十分な協議をしながら、安全安心な子育て環境の充実を目指していきたい。

◆ 「新たな人の流れ・交流人口の創出」についての質問

≪質問内容≫
1.交流人口施策に関して、交流人口、関わり人口の増加策としては、具体的には、どのようなものを考えているか。
2.また、市政執行方針においては「こういった関わり人口を増やす取り組みを丁寧に積み上げることで、定住・移住につながっていくと考えております」と、いうように述べられていましたが、こういった関わり人口から、定住移住につなげていくための具体策というものは考えているか。

≪答弁内容≫
1.交流人口の増加施策
観光はもちろん、スポーツ合宿や文化系合宿など幅広い合宿の受け入れをすすめていきたいと考えている。関わり人口の増加施策について、現在もたとえば、幸せの黄色いハンカチ広場プロジェクトにおいて、大学との連携により事業をすすめておりますが、こういった外からの視点の流入を促進していきたい。
2.移住・定住へのつながりについて
まず、夕張に興味をもち、夕張を訪問する、その次のステップが移住・定住ということになりますので、まずはしっかりと交流人口・関わり人口を増やす施策をすすめ、その状況により移住政策を展開していきたい。

≪質問内容≫
今後の「マウントレースイスキー場及びこれに付随する宿泊施設等」について
1.これら施設は、来月4月1日より新たな事業者によって運営がなされることとなりますが、このことにより、当市の観光客の傾向が変わることは想定しているのか。
2.今後重点的に観光施策としてアプローチしていくターゲットを変えていったり、外国語の案内看板を増やしていくなど、当市の観光施策自体から考え直す必要はないのか。

≪答弁内容≫
1.新たな事業者が運営を行うことになりますが、2月8日の売買契約終了後に行われました記者会見において売却先である元大夕張リゾート株式会社の呉代表は「集客のメインターゲットについてはインターナショナルである」との発言をしておりました。現在の指定管理者についてもインバウンドの集客には力を入れてきたところでありますが、今後は更にそれが広がるものと考えている。
2.これらを踏まえ、市の観光政策についても見直しをしていく必要性は、あるものと考えておりますし、観光は地域の主要な産業でもあることから、市と市内外の団体とも一体となって交流人口を増やす取り組みを加速させていきたい。

≪質問内容≫
合宿受け入れについて
市政執行方針においては「施設に指定管理者制度を導入し、合宿の受入れワンストップ機能を担い、プロモーション強化とあわせて、団体受入れ事業を実施し自立運営が可能となるような仕組みづくりを行います」と示されているが、この合宿の受け入れのワンストップ機能とは具体的にどのようなものを考えているのか、またどういった団体がワンストップ窓口になることを検討しているのか。

≪答弁内容≫
これまでは、合宿等により夕張を訪れる方が、会場の手配、宿泊、お弁当、市内移動の手段など、様々な手配をそれぞれの業者と連絡調整を行わなければならないという状況。
これを平成29年度より市有施設の指定管理者による運営とする予定で、この指定管理事業者により市内の関連事業者と連携し、施設の予約、宿泊、お弁当の手配、貸切バスの手配など窓口の一元化をはかることにより、利便性が向上し、体育施設や観光施設及び合宿誘致などの促進がはかられる。

≪質問内容≫
石炭博物館に関して
空知地域の炭鉱遺産活用の拠点というからには、他市町村または関連団体との連携というものは欠かせないものとなってくる。
1.当市の石炭博物館が「空知地域の炭鉱遺産活用の拠点としての役割」となるために、運営において、空知地域の他市町村との連携をどのように考えているか。
2.博物館本体の改修については、どういった点を重視するか。

≪答弁内容≫
1.石炭博物館は空知管内の旧産炭地域における産業遺産である炭鉱の記憶を後世に伝えていくためのビジターセンター的な役割を担うもの。
それらを目指すため、各市町保有の産業遺産を展示するための市町ブースの設置や、収蔵品が一覧できるデータベースの作成等につきまして、今後関係機関と協議をしながら展開をしていきたい。
2.夕張の貴重な歴史を後世に伝える拠点とするための改修について
昭和55年の開館以来施設の改修、展示の計画的更新が行われてきておらず展示内容の陳腐化が著しい状況がある。
歴史的価値のある収蔵資料、国内唯一の見学炭鉱である史跡夕張抗は関係学術団体や研究者からの評価も非常に高く、博物館がこれからも地域の歴史を伝える拠点として継続的に機能していくことが必要であるため、博物館として、これまで不足していた機能を補う新たな拠点づくりとして、夕張の町の歴史に大きな変化が生まれた社会背景やできごとをテーマにその当時の夕張に暮らす人たちの生活風景や記憶、思いなどを伝えていきたい。さらに、見る人が考えるきっかけを生み出す展示として、市民が集える憩いの場としての機能も充実させ、気楽に立ち寄れる博物館を目指す。

≪質問内容≫
市政執行方針の地域リーダーや地方創生の担い手の育成」にて述べられている「地域活性化の要となる地域の担い手」とは、どういった人材を想定しているのか、それを育てるために、どのような支援が必要と考えているのか。

≪答弁内容≫
地域のリーダーや地方創生施策を展開する人材を想定しており、そのような活動を行う方々のスキルアップや他地域との交流をうながすため、平成29年度予算案に地域人材育成事業を計上しており、市が認める地域リーダーの育成や、地方創生の担い手育成にかかる研修への参加、市の施策と連動して各種団体が主催する研修会の実施などにかかる費用の一部を助成する施策を展開していきたい。

◆ 「夕張の未来を創るプロジェクト」についての質問

≪質問内容≫
1.執行方針で述べられている「地域外との交流」とは具体的にどのようなものを想定しているか。
『意見:この中で、各種教育機関につき、「外との交流による知恵の習得や地域外との交流を促進します」と示されている点について、私としても、教育はもっと社会に出るべき、と思いますし、地域との強い連携の中で教育を行っていけるのは、学校が多く規模が大きい都市部よりも、教育と地域の関係が近い夕張市のようなまちであると私は感じておりますので、こういった考え方は是非とも、どんどん取り入れていっていただきたいと思っております。』
2.市内のスキー場等の観光施設については、先ほども言ったとおり、来月4月1日からは、新たな事業者が運営者となりますが、こういった新たな観光施設経営者や、市内各団体等の事業者との、教育行政における今後のかかわり方については、どのように行っていくのか。

≪答弁内容≫
1.地域外交流についてでありますが、現在夕張高校にて、都立八丈高校との交流や高校生ゆうばりキャンプにおいて都立高校との交流をはかっております。
また北海道大学の学生が夕張高校の生徒と一緒にまちづくりについてワークショップを開催しており、今後このような地域外との交流というものを推進していきたいと考えております。
2.市内のスキー場を活用したスキー教室など市内業者との今後の連携について
道内でも屈指のスキー場であるマウントレースイスキー場は先ほども申し上げましたが本年4月より新たな経営者による運営となる。
今後はさらに外国人利用客の増加が予想されることから、外国人対応ができるグローバルな人材育成が必要であると考えております。
学校では地域の特性を生かした教育課程の実施が求められていることからも、今後様々な方面で対応可能な人材育成のためスキー場をはじめとした地元企業との連携も図り、インターンシップを積極的に活用しながら
夕張の未来をつくるプロジェクトの一環として、夕張に誇りをもち、地域に関わることのできる人材育成環境の整備をすすめたい。

≪質問内容≫
夕張高校魅力化について
1.今までの高校魅力化事業に対する評価は
2.市政執行方針においては「北海道教育委員会とも連携を強化し、新たな取り組みを進めていきたい」と述べられておりますが、この「新たな取り組み」とはどのようなものか。
3.高校のさらなる魅力化に向けて検討している具体的事業の内容、目に見える学力の向上、高難度の大学への進学率向上に向けての取り組みは(教育長宛再質問)

≪答弁内容≫
1.各種資格取得検定や進学模擬テスト受講支援、スキー授業、進路にかかる後援ならびに高校生派遣などの実施をしてきた。
進学模擬テストなどが半額補助になったことから、受験者数及び受験回数が増加した結果、ここ10年国公立大学の複数人の合格者はなかったわけでございますが、今年度は2名合格されたという報告を受けている。
また東京都立八丈高校への派遣事業を実施したことにより、生徒ならびにPTAとのかかわりが活発化し、学校が躍動感にあふれてきたと聞いている。
2.北海道教育委員会との連携
英語教育の充実にかかる支援などについて現在協議検討しているところ。今後も児童生徒数の減少が見込まれる中、夕張高校の存続は本市にとって最重要課題の一つであると認識をしている。
夕張高校魅力化事業を継続しながら夕張高校のさらなる魅力化へ向けて取り組みを進めていきたい。
3.現在生徒の学力向上について放課後の学習支援等々、学生ボランティアを活用しながら現在進めている。
国公立だけが大学ではないと思いつつも、国公立進学率も確保するという観点から、29年度スタート時においてカリキュラムの編成をし、国公立対応の生徒に対して1人であろうが2人であろうが、学校として対応していくという機運を高めた。今後もそのような国公立も含めた大学へのカリキュラム編成というものに対しては、十分に対応してまいりたい。(教育長答弁)

夕張市議会議員 今川和哉